今回は東京練馬区にある武蔵中学の算数を取り上げる。武蔵中学は東京の男子私立中学御三家と呼ばれる学校の一つだ。入試問題のユニークさに現れる独特の教育理念と大学のようと称される授業に特色がある。東大合格者数では武蔵を上回る学校が出てきているが、先に述べた特徴から御三家の一角を維持している。

入試問題では理科のおみやげ問題があまりにも有名。例えばゼムクリップを各自に渡して、それについて解ることを自由に記述させるというとんでもない問題が毎年必ず出題される。配布されたものは持って帰ることができるのでおみやげ問題というわけ。コストのかからないクリップや輪ゴムと言った、ごくシンプルなものが対象となる。

算数は難問のオンパレードと言うわけではない。また処理速度を求めるような大量の問題が出るわけでもない。ここでも思考過程を見るために、広い記述欄を設けた解答用紙が待っている。一説によると答えが合っていても、答えのみしか書いていないと点はもらえないとのこと。では2005年から武蔵らしい問題を紹介しよう。

2005年 武蔵中学 算数よりその3(4枚の内)

□3
問題
(1)6000円を、五千円札、二千円札、千円札の3種類のお札で払うとき、その組み合わせをすべて書きなさい。使わないお札があってもかまいません。
回答欄1
(解答らんは、必要なだけつかいなさい)

(2)A君たち8人は、お年玉を、五千円札、二千円札、千円札の組み合わせでもらいました。以下の話から、だれがどのお札を何枚もらったかを答えなさい。答えは解答らんに書きなさい。
A君「ぼくたち8人は、全員9000円ずつもらいました。」
B君「でも、もらったお札の組み合わせは、全員ちがいます。」
C君「ぼくは、二千円札をみんなの中でいちばん多くもらいました。」
D君「いいなぁ。ぼくは二千円札を1枚ももらえなかったよ。」
E君「ぼくは、五千円札を1枚ももらえなかったよ。」
F君「ぼくは、みんなの中でもらった枚数がいちばん多いぞ。」
G君「A君より、ぼくの方が枚数が4枚も少ないよ。」
H君「ぼくは、B君より枚数が2枚多いなぁ。」
回答欄1
(下の余白に計算や下書きをしてもかまいません)
いかがだろうか。まるでパズルの本に出てきそうな問題だ。受験勉強していなくても解ける問題だし、おとなが挑戦しても面白い。次ページの解説を読む前に親子で取り組んでいただきたい。

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