誤解してならないのは、ゲームをしていると痴呆になるという訳ではないのです。脳全体の中で前頭前野部の活動が低下するのであって、後頭部中心の視覚系はむしろ非常に活発に働いています。痴呆患者にはこのようなことは見られません。

では何がいけないのでしょうか。多くのゲームでは画面に現れた敵を一瞬の迷いもなく退治するように、瞬間的に判断して行動しなくてはなりません。そうすると遊んでいる内に前頭前野部をバイパスして、視角野に入った情報に基づき運動野に情報を伝えるルートが強化されます。考えていては処理が遅れやられてしまうからです。これはテトリスのようなゲームでも同じです。

すると自分の行動を抑制するルートが使われず直情的に行動する、すなわち「キレる」につながります。この本の筆者はここに危機意識を持っているのです。さらに前頭前野部の働きが低下すると、考えがまとまらなくなったりボーっとしていることが多くなり、他人との協調性がなくなります。

以上のように現代の子供がキレやすいのは、多分にTVゲームの影響があるのではないでしょうか。そして男の子に切れる子が多いのも、よりゲームで遊ぶ人口が多く、かつ時間が長いためではないでしょうか。

ところがこれがゲームだけではなく携帯メールでも同じ状態が起きることが判ったそうです。携帯メールの場合には長い文章を考えるのではなく、感覚的に絵文字などを並べて打つことに集中しており、丁度ゲームで遊んでいる状態に似ているからではないかと考えられています。

携帯メールは男性よりも女性の方が多く使っているようなので、これからは女の子だからと言って安心していられません。同じ手先を多く使う遊びでもお手玉やけん玉だと前頭葉が活発に活動するそうです。ダンスなど全身を協調させて行う活動は脳を活性化させます。半ゲーム脳タイプならばお手玉で脳波が回復するそうです。

かつて私達やその親の世代が親しんだ遊びには、脳を活性化させる働きもありました。だから楽しさも大きいのかもしれません。幼児から手遊び歌に親しみ、お手玉やけん玉、コマ回し、縄跳び、カン蹴り、馬飛びなどもう一度見直して、お子さんと一緒に遊んではいかがでしょうか。

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