1.幼児に理屈は通じない
小学生と幼児に物を教える場合に最も違う点は、幼児には論理的思考が身についていないということです。ですから推理の分野は幼児は苦手とするところです。例えばシーソーがあって、釣り合うかどちらに傾くかというような問題があります。
(例)
●● ■
△
の時
1.シーソーはどちらにかたむくでしょうか?
● ■
△
2.シーソーはどちらにかたむくでしょうか?
●●● ■■
△
1.では●2個と■1個が同じ重さなので●の方が軽いというのは理解できて■の方に傾くと正解できる子は多いと思います。
2.となると●と■の軽重だけではなく、■1個が●2個に当たるから、■2個は●4個と同じという比や割合の概念が必要となります。
これは幼児にはかなりハードルが高い概念でしょう。しかしこういう問題を出す学校もありますし、ドリルにも見受けられます。
同様に鏡の問題も良く出題されています。鏡に向って立つ人の絵があって、「鏡に映った姿はどれでしょう?」という問題は、比較的正解しやすい問題です。
これをひねって、鏡に映った後姿を示した絵の中から「右手を上げているものはどれでしょう?」と選ばせるようになると、鏡の性質に左右の概念を正確に結び付けなくてはならないので、正解率が下がります。
このように論理で正解に辿りつくようなタイプの問題は難しい問題となります。
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2.常識問題の落とし穴
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