今年の受験生徒数が200名程度なのに、開場のホールは補助椅子も出してありましたが満員で、1000名程度の入場があったのではないでしょうか。入場前に在塾生と外部生と分かれて受け付けをします。住所氏名を書かされるのは、後々のDMや公開模試の案内のためです。
受け付けを済ませると分厚い封筒を渡されます。塾の案内の他に、今年の入試問題の解説や倍率などのデータなどの様々な資料が含まれています。ホールで待っている間にはプロジェクターで授業や実験教室、博物館ラリーやサマーキャンプ(勉強一切なし)などの様子がビデオで映し出されています。
開会の挨拶に続き、今年の入試の概要説明がありました。女子は櫻蔭・フェリスといった学校でも倍率を落としたこと、何年か前からの卒業児童数が定員を下回る状況から、学校の選別が一層厳しくなっているという説明がありました。
年末の模擬試験などでは女子の志願者も決して少なくはなかったので、模試の結果を見て受験を止めた潜在的受験者層がいたではないでしょうか。
一方男子は中堅クラスまで激戦で3日校まで厳しい戦いとなり、4日以降の2次募集の倍率を上げて、2日までに合格を勝ち取っていないと大変だったという説明がされました。事実中堅クラスの学校も倍率、志願者共に減少していません。
その後は入試日別にまず女子について1日校の学校の入試問題とそれに向いた塾生のタイプ、内部テストと合否の関係が図表を用いて解説されました。同様に2日校、3日校と続きます。
この後、休憩を挟んで男子校について同様の解説がありました。
この部分では今年や以前の入試問題を映写しながら、記述の量や問題量の移り変わりや今年大きく違った点、塾の模試の試験ではそれを上回る記述を求めていることなどを述べていました。問題や解答用紙というのは一目瞭然でくどくどと言葉で説明する以上のインパクトがあります。特にトップ校の問題の質の高さが良く分かりました。中学受験のトップ校を受験する生徒の文章を書く力は、下手な大学生を上回ると思います。模範解答を見ると普通の小学生が書く文章をはるかに超えています。
その後は各クラス後との生徒の最終進学先を全員について示しながら、1年間の指導の総括をしてました。生徒の実力順の紹介なのですが、最も下のクラスでも中堅の学校に進んでいて、これはなかなか迫力のあるチャートでした。また代表的な生徒の各教科のレーダーチャートを示し、いびつなチャートでも比較的得意な科目を伸ばして、それが活かせる学校を受験し、大手模試では合格可能性20%の学校の合格を勝ち取れるということを強調していました。
最後に全講師陣の紹介があり、代表の挨拶で閉会です。閉会後に恐らく今年の卒業生と思われる子供たちが花束を持って各講師の所へ集まっていました。
塾主催の報告会ですから宣伝の性格があり、割り引いて聞かなくてはいけない話も多々あると思います。しかしながら塾毎に特色があり、子供の向き不向きもある程度分かると思います。これから受験を考える新4年生や転塾も可能な新5年生の保護者の方は、塾選びの一環として、そして情報収集の手段として入試報告会を利用してはいかがでしょうか。