中学入試に日能研が偏差値を持ち込んでから、今ではすっかり定着した感ががあります。今受験を考える世代の父母にとっては偏差値は身近な物だったために誤解している面があると思います。
中学入試の偏差値と高校や大学入試の偏差値は違う物だと認識する必要があります。

【中学入試の偏差値の特徴】
1.母集団の学力が高いため偏差値は低めに出る
  中学受験を考えている生徒は各学校でも学力が高い子供達なので、母集団は正規分布ではなく上位に偏っています。必然的に各学校の偏差値は低めに出ます。系列高校がある場合は高校の偏差値は中学入試より10ポイントは高くなっています。

2.子供のコンディションによって上下に10ポイントは振れる
  小学生の子供の学力は高校生などと違って安定した物ではありません。コンディションや出題範囲などによって10ポイントは振れます。従って志望校選択時も10ポイント高い挑戦校や10ポイント低い押さえ校などを選ぶ工夫が必要です。

3.80%合格ラインに惑わされるな
  日能研でいうR4偏差値は80%合格ラインですが、合格者の上位は複数志願しているトップクラスの受験生の成績ですから高めに出ます。むしろ50%ラインの方が信頼できるのではないでしょうか。その偏差値で受験した生徒の半数が合格しているということですから。合否の分かれ目はその日の体調や問題の相性など多分に「運」の要素が強いでしょう。

4.テスト会毎に違う偏差値
  母集団が違えば算出される偏差値も異なります。偏差値を比較するときは自分が受けた試験を実施したテスト会の偏差値で見ないと意味がありません。テスト会で出している資料に最終合格者の偏差値分布図が掲載されているものがあります。これはとても有用です。合格者の下限を知ることができるからです。

他にもテスト会の内部生は公開テストの前に出題範囲の問題を学習していたりするので必ずしも公平とは言えないなどの事情もあります。大手のテスト会といえども大学受験とは比較にならない少人数のテストですから統計的に意味がない部分もあります。
中学受験では偏差値はあくまで目安として考え、志望校との校風や入試問題の相性など総合的に踏まえて志望校を決定すべきですし、そういった指導をしてくれる塾を選ぶのが賢い選択だと思います。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。