そんな時に利用したいのが「学生納付特例制度」です。今回は、富山年金事務所国民年金課の牧野課長に「学生納付特例制度」について詳しく教えてもらいましょう。
国民年金課の牧野課長
国民年金の支払いが難しい時は未納にせず「学生納付特例制度」を利用しよう！
――学生で収入がなく国民年金保険料（以下保険料と記す）の支払いが難しい場合、「学生納付特例制度」を利用するといいと聞きますが、どんな制度なのでしょうか。国民年金課の牧野課長：日本国内に住むすべての方は、20歳になった時から国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務づけられています。
しかし、学生で支払いが難しい場合は、申請することで、在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられています。学生納付特例を受けようとする年度の前年の所得が一定以下の学生が対象です。なお、家族の方の所得の多寡は問いません。
――「学生納付特例制度」を利用するメリットは何ですか？
国民年金課の牧野課長：老齢基礎年金を受け取るために必要な期間（受給資格期間）に算入されます。また、病気やケガで障害が残った時に障害基礎年金を受け取ることができます。
国民年金の「学生納付特例制度」は、申請時点から2年1カ月前までの期間もさかのぼって申請可能！
――「学生納付特例制度」を利用する時の注意点は何ですか？国民年金課の牧野課長：学生納付特例は、原則として申請日にかかわらず、4月から翌年3月までの期間を対象として審査します。もし、申請日が1月から3月までの場合は、前年4月から3月までの期間に含めます。
ただし、保険料の納付期限から2年を経過していない期間（申請時点から2年1カ月前までの期間）についても、さかのぼって申請することができます。
複数年度の申請を希望する場合は、複数枚の申請書の提出が必要です。学生納付特例の承認を受けた方が、承認期間の途中で、退学等で学生でなくなった時は、届出が必要です。
――「学生納付特例制度」の申請方法を教えてください。
国民年金課の牧野課長：申請書は市（区）町村役場の国民年金担当窓口や年金事務所、日本年金機構のホームページで入手できます。記入例を参考に申請書にご記入ください。
・用紙はこちら：国民年金保険料 学生納付特例申請書
提出先は、住民票を登録している市（区）町村役場にある国民年金担当窓口です。申請の際には、学生証など学生であることを証明するものが必要です。
なお、提出にあたっては手続きの簡素化および迅速化が見込める電子申請をぜひご利用ください。
――「学生納付特例制度」の申請は1回だけすれば、継続的に特例制度を受けることができますか？
国民年金課の牧野課長：毎年2月中旬までに学生納付特例が承認された方には、翌年度以降も引き続き在学予定の被保険者に対して、日本年金機構本部から本人宛に申請書（ハガキ形式）・リーフレット・目隠しシールを同封し送付します。
対象者が申請書申請者（ハガキ形式）による申請を行う場合は、学生、または学生だったことを明らかにできる添付書類は不要となります。
詳しくは、市（区）町村役場または年金事務所へお問い合わせください。
