年金

【年金事務所に聞いた!】失業などで収入が減少…「免除制度」と「納付猶予制度」を利用するにはどうしたらいいの?

収入が減少したことで、国民年金保険料が納められないで困っているという方もいるのではないでしょうか。そんなときの救済措置として「免除制度」と「納付猶予制度」があります。今回は、富山年金事務所国民年金課の牧野課長に、「免除制度」と「納付猶予制度」について詳しく教えてもらいましょう。

舟本 美子

執筆者:舟本 美子

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日本に住んでいる20歳以上60歳未満の方は、すべて国民年金に加入することが義務付けされています。会社員であれば、厚生年金の加入者であると同時に、国民年金の加入者であるわけですが、失業などで厚生年金から外れることになれば国民年金に加入しなければなりません。

そうはいっても、収入が減少したことで、国民年金保険料が納められないで困っているという方もいるのではないでしょうか。そんなときの救済措置として「免除制度」と「納付猶予制度」があります。

今回は、富山年金事務所国民年金課の牧野課長に、「免除制度」と「納付猶予制度」について詳しく教えてもらいましょう。
富山年金事務所国民年金課の牧野課長

富山年金事務所国民年金課の牧野課長

失業などで収入が減ったら?国民年金の免除・猶予制度を賢く利用して安心につなげよう!

――失業により収入が激減してしまい国民年金保険料(以下、保険料と表記)の支払いができない場合、「免除制度」や「納付猶予制度」を利用するといいと聞きます。どんな制度なのか教えてください。

国民年金課牧野課長:本人、世帯主、配偶者の前年所得が一定以下の場合や、失業した場合などで保険料を納めることが経済的に困難な場合は、ご本人が申請書を提出し、承認されると保険料の納付が免除されます。免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があります。

また、20歳以上50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合には、ご本人が申請書を提出し、承認されると保険料の納付が猶予されます。

――「免除制度」と「納付猶予制度」を利用するメリットは何でしょうか?

国民年金課牧野課長:保険料の全額を免除された期間は、老齢年金を受け取る際に、保険料を全額納付した場合の2分の1(税金分)を受け取れます。手続きをせず未納となった場合、2分の1(税金分)は受け取れません。

保険料の「免除」と「納付猶予」は、以下の表のとおり、その期間が年金額に反映されるかどうかに違いがあります。  
参照:日本年金機構ホームページ

参照:日本年金機構ホームページ

また、保険料免除・納付猶予を受けた期間中に、病気やケガで障害や死亡といった不測の事態が発生し、一定の要件に該当する場合は、障害年金や遺族年金を受け取ることができます。

国民年金の免除・猶予制度の注意点と申請方法とは? 詳しく知りたいときは市(区)町村役場または最寄りの年金事務所へ

――「免除制度」と「納付猶予制度」を利用する注意点は何ですか?

国民年金課牧野課長:任意加入をしている方は免除・納付猶予の申請ができません。

障害年金を受けている方や生活保護法による生活扶助を受けている方は「国民年金保険料の法定免除」となり、別途、届出が必要です。

申請は、原則として毎年度必要です。ただし、全額免除または納付猶予の承認を受けた方が、翌年度以降も全額免除または納付猶予の申請を希望する場合は、継続して申請があったものとして審査(継続審査)を行います。失業等による特例免除承認者は翌年度も申請が必要です。失業・倒産・事業の廃止などの事実を確認できたときは、失業等した方の前年所得にかかわらず、免除・納付猶予を受けられる特例があります。

この特例を受けたいときは、失業等の事実を確認できる書類が必要です。

――「免除制度」と「納付猶予制度」の申請方法を教えてください。

国民年金課牧野課長:申請する場合は、「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」をお住まいの市(区)町村役場の国民年金担当窓口もしくはお近くの年金事務所に直接提出、または郵送してください。なお、申請書は各窓口、日本年金機構ホームページにあります。

マイナポータルを利用した電子申請もできます。詳しくは、市(区)町村役場または最寄りの年金事務所へお問い合わせください。

取材を終えてのまとめ

失業などで収入が減少してしまい保険料の支払いが難しいときでも、国民年金の「免除制度」や「納付猶予制度」を利用することで、老後の年金受給や万が一の保障を確保することができます。適切に制度を理解し、必要な手続きを行うことは大切です。

詳しい内容をお知りになりたい方は、市(区)町村役場または最寄りの年金事務所にお問い合わせください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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