そんな方は、ハローワークの「生涯現役支援窓口」を訪れてみてはどうでしょう。「生涯現役支援窓口」は、高齢者に特化した再就職を支援するサービスを行っています。相談は無料なので、フル活用しても損はありません。
今回は、富山労働局職業安定部職業対策課の南部高齢者対策担当官に高齢者が抱える就業意欲を再就職に活かす方法をお伺いしました。
高齢者に無理は禁物!自分に合った仕事を得るには職業相談で、積極的に要望を伝えよう
――高齢者の方々が、65歳から働くとき、「自分の都合を伝えたら雇用機会が限られる?」と思う人がいるかもしれません。ハローワークにある「生涯現役支援窓口」または最寄りハローワークで職業相談をしたいとき、求職者の希望(条件など)はどの程度伝えたらよいのでしょうか。南部高齢者対策担当官:自分で勝手にダメだろうと決めつけず、職業相談で積極的に要望を伝えた方がよいです。というのも、65歳以上になると、健康状態、空いている時間、働くことへの意欲はさまざまあるのが普通です。無理をせず、自分の都合に合わせて働くのが長く元気に働くコツでしょう。
一般的に、働くときは企業に合わせるのが普通と思われていますが、高齢者の方については、就業に対する要望をトコトン言う方がマッチングしやすい場合があります。
――高齢者(求職者)の希望(条件)と求人がマッチングした具体的な例があれば教えてください。
南部高齢者対策担当官:具体例でお話すると、ある高齢者の方の要望が「家の近く、短時間勤務、特別な資格を取らなくても働ける」というものでした。
そこでご紹介したのが、介護施設の送迎の仕事。近所なので、土地勘があるし、運転免許証は持っていらっしゃるし、送迎は朝・夕方だけの勤務で大丈夫。要望を言っていただいたおかげで企業も求職者も満足できるお仕事をご紹介できました。
――他にもありますか?
南部高齢者対策担当官:前述と同じ条件で別の方にご紹介したのは、やはり介護施設での食事介助の仕事です。介護職というと介護系の資格が必要と思いがちですが、介護資格がなくても補助的な仕事は多数あります。食事の介助もその中の1つ。食事の時間だけ手伝う仕事ですが、こちらも企業も求職者も満足されています。
介護職以外では、スーパーの品出しだけというものがあります。また、経理のエキスパートという方は、作業レベルではなく会計士との折衝だけなど、高齢者の今までの経験、スキルなどに合った仕事をご紹介できる場合があります。
――企業側から限定的なお仕事の依頼がくるのですか?
南部高齢者対策担当官:ハローワークには、さまざまなニーズにあわせて、正社員、パートなどの雇用形態の求人が集まります。求人を出して、スグに決まるものもあれば、なかなか決まらないものもあります。そこで、企業側の求人を受け付ける「求人部門」と求職者に就職先を紹介する「職業相談部門」がそれぞれの要望をすり合わせマッチングにつなげるよう工夫します。
フルタイムの求人から、短時間でできる作業を抜き取ったものに分解すれば、パートを望む求職者の仕事が出来上がります。企業側への求人票の変更についての説明は、求人部門の担当者が行います。よくある一例ですが、高齢の求職者が要望を言ってくれることで、ハローワーク側での工夫の幅が広がるというわけです。