預金・貯金

20代シングル貯蓄ゼロ4割超え!貯蓄ゼロ世帯の傾向と対策【2024年最新版】

将来のための金融資産を全く持たない貯蓄ゼロ世帯が増えています。なんと、20歳代シングル年収300万円未満の45.5%が貯蓄ゼロ。ファミリー層でも30歳代年収300万~500万円で貯蓄ゼロは3割ほど。貯蓄ゼロ世帯の傾向と対策を考えます。

福一 由紀

執筆者:福一 由紀

ファイナンシャルプランナー / 仕事・給与ガイド

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20歳代単身世帯の43.9%が貯蓄ゼロ

将来のためにある程度のお金を準備しておくことは、年齢にかかわらず大切なことです。しかし、将来のための金融資産を全く持たない「貯蓄ゼロ世帯」が増えているようです。貯蓄ゼロでは、不測の事態に何も対応できません。家計破綻の一歩前ともいえます。

そこで、金融広報中央委員会が調査した「家計の金融行動に関する世論調査(2023年)」より、貯蓄ゼロの実態を見てみましょう。
単身世帯での年収、年齢別の金融資産非保有割合(%)。50%以上を赤、30%以上を青で色付けしている。どの年代でも収入が低いと貯蓄ゼロが半数程度に。「-」は該当者が10未満、データを表示していない(出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査2023年)」)

単身世帯での年収、年齢別の金融資産非保有割合(%)。50%以上を赤、30%以上を青で色付けしている。どの年代でも収入が低いと貯蓄ゼロが半数程度に。「-」は該当者が10未満、データを表示していない(出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査2023年)」)

表は単身世帯での年収、年齢別の金融資産非保有割合をパーセントで表したものです。そのうち、50%以上を赤、30%以上を青で色付けしています。ここでいう金融資産とは、運用のため、または将来に備えて蓄えているもので、現金や預貯金で日常的な出し入れ・引落しに備えている部分は除いたものです。年収1000万円以上で50%や100%を超えているところがありますが、回答総数が少ないので参考程度で見ておくとよいでしょう。

収入にかかわらず、20歳代は43.9%、30歳代34%、40歳代40.4%、50歳代38.3%、60歳代33.3%、70歳代26.7%が貯蓄ゼロとなっています。20歳代では4割ほどが貯蓄ゼロですが、年齢層があがっても、50歳代までは4割近くが貯蓄ゼロとなっています。

「現役で年収300万円未満単身世帯」の半数近くが貯蓄ゼロ!

収入がない世帯では、どの年代でも半数以上が貯蓄ゼロになっています。収入がある世帯を見ると、20歳代の年収300万円未満では45.5%が貯蓄ゼロです。この調査では、20歳代単身世帯の半数近くが年収300万円未満となっていますから、多くの20歳代が貯蓄できていないと考えられます。

さらに、年収が上がった「年収300万~500万円」も、貯蓄ゼロが20歳代で31.5%、30歳代で25.2%ですが、40歳代や50歳代でも30%を超えており、年収500万円未満ではどの年代でも厳しい状況になっています。

年収500万円を超えるとどの年代も貯蓄ゼロの割合は減っています。20歳代、30歳代では年収300万円以上、40歳代、50歳代では年収500万円以上が、貯蓄がしやすいポイントのようです。まずは、どの年代も収入が安定しないと貯蓄は難しいようです。

ファミリー層でも年収300万円未満で貯蓄ゼロは多い

2人以上世帯での年収、世帯主年齢別の金融資産非保有割合(%)。50%以上を赤、30%以上を青で色付けしている(出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2人以上世帯調査2023年)」)

2人以上世帯での年収、世帯主年齢別の金融資産非保有割合(%)。50%以上を赤、30%以上を青で色付けしている(出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2人以上世帯調査2023年)」)

表は、2人以上の世帯で年収と世帯主年齢別の金融資産非保有割合をパーセントで示したものです。また、50%以上を赤、30%以上を青で表しています。

ファミリー世帯でも、年収300万円未満は貯蓄ゼロの割合が多くなっています。300万円未満では全世代で3割以上、40歳代や50歳代では半数近くになっています。年収300万~500万円では50歳代までは3割から4割が貯蓄ゼロです。年収500万~750万円になると、貯蓄ゼロの割合は2割程度です。少しは減っていますが、それでも貯蓄ゼロの世帯が一定数いることになります。

また、50歳代でも貯蓄ができていない世帯がいます。年収500万~750万円でも21.8%が貯蓄ゼロ。年収750万~1000万円でも17.8%が貯蓄ゼロとなっており、収入が増えれば全世帯が貯蓄できるというわけではなさそうです。

年収1000万円超えのファミリー世帯でも貯蓄ゼロあり

年収が増えると貯蓄ゼロ世帯は減っていくものの、年収1000万円以上のファミリー世帯でも、あらゆる世代に一定数、貯蓄ゼロ世帯がいることが分かります(20歳代は対象人数が少ないため、大きな数字となっているようです)。

高収入でも支出が多く、毎月の収支が赤字という世帯もあります。年収300万円未満でも半数以上が将来に向けて貯蓄をしています。貯蓄をする意思があるかが大切だと言えるでしょう。

所得アップと先取り貯蓄が、貯蓄ゼロ脱出の道!

このように見てみると、貯蓄ゼロとなる理由は2つあると言えるでしょう。

1つ目は、低収入。やはり年収300万円未満では大半が生活費に消えてしまい、将来を見据えた貯蓄まで回らないのでしょう。収入が低すぎる場合、会社で許可されているのであれば副業をしたり、転職を行ったりして収入アップができればよいですね。

2つ目は、収入が増えた分だけ使ってしまう状態。高収入でも貯蓄ゼロの世帯がいることからも分かります。高収入でも支出が多ければ手元にお金は残りません。まずは先取り貯蓄などで、将来や老後に備えつつ貯蓄をすることを習慣にしましょう。
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