
お金がないと不安になるのは当然です。その不安は家計だけでなく、判断力にまで影響するかもしれません。
実業家・著作家のひろゆき(西村博之)氏は著書『貧しい金持ち、豊かな貧乏人 賢い安上がりな生き方80の秘訣』(徳間書店)の中で、「貯金は自由を得るツール」だと語っています。
なぜお金の余裕が人生の選択肢を増やし、誤った選択を避けることにつながるのでしょうか。お金と判断力の意外な関係、そして貯金がもたらす自由について見ていきましょう。
人はお金の余裕がないと誤った選択をする
「有り金は使え! 使わないとお金は入ってこない!」たまに耳にする意見だ。
それはそれで正しい。一理あると思う。でもそんなマッチョな芸当をできる人はごくわずかだ。有り金を使うより、貯金したほうがあらゆる点で有利だ。なにより正常な判断力を保てる。
急にお金が必要になったらどうしよう。働けなくなって収入がなくなったらどうしよう。
貯金がないとそんな不安につきまとわれる。そしてその不安のせいで判断力が鈍ってしまう。あからさまな詐欺話に乗せられたり、怪しい儲け話に手を出したりしてしまうのだ。そしてますます貧乏になっていく。
『いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学』(センディル・ムッライナタン、エルダー・シャフィール/早川書房)という本のなかで、人は経済的に苦しい状況にいると思考力が落ちるという実験結果が記されている。
そこで紹介されるのは、とあるインドの農業地帯の事例。収穫前でお金に余裕がない農民と、収穫直後でお金に余裕がある農民の両者に対して知能検査を行ったところ、収穫直後の農民のほうが約25%も正解者が多かったらしい。
お金の余裕の有無がその人の思考力や判断力に影響を及ぼすのである。
「簡単に儲かる話」に飛びついてしまう理由
お金がない人は「ゆとり」がない。だから冷静な判断ができない。世のなかにはそんな「お金がなくて判断力が下がった人」を狙ったあざといビジネスがはびこっている。
「私のとっておきのテクニックを知ればだれでも簡単に儲かる。あなたにそのノウハウを30万円で伝授しましょう」と謳うような情報商材ビジネスはその典型だろう。
基本的にビジネスとは、競争相手が少なく、かつ難易度の高い作業が儲かるようになっている。だれでもラクして稼げるなんて、そんなうまい話はない。
みんなそんなことはわかっているはずだ。でもお金がなくて追い詰められると飛びついてしまう。世のなかには罠がいっぱいだ。だからある程度の貯金をしておこう。
それがあなたに「ゆとり」をもたらす。誤った選択を避けられるのである。
貯金は自由を得るツール
貯金の最大のメリットは人生の選択肢が増えることだ。
貯金がないと損をする。フットワークが重くなるのだ。やりたいことがあってもなかなか転職に踏み切れない。いまの仕事が嫌でも続けざるをえない。趣味を活かした転職なんて夢のまた夢だ。
でもある程度の貯金があれば、そんな窮屈な思いはしない。新しいことにチャレンジできる。それでたとえ失敗しても次の手を持つ余力があるからだ。
つまり貯金とは、自由を得るツールなのだ。
まだ貯金がない人はいますぐ生活を見直そう。給与の手取り半分を銀行に預けるくらいの割り切りが必要だ。
手取りの半分を貯金にまわすなんて無理? そうだろうか。この本を読んで「安上がりな生き方」を実践すれば、ぜんぜん無理ではない。人はその気になればいくらでも節約できる。
お金の余裕が人生の選択肢を増やす
まずは貯金1000万円を目指そう。ムダ遣いしないかぎりそれだけで5年は食べていける。つまり5年間の自由を得られるわけだ。
仮にあなたの月の手取りが30万円だとして、そのうち15万円を貯金していく。単純計算で、5年で900万円、10年で1800万円が貯まることになる。
いま日本の銀行金利はどん底だ。利子は期待できない。だから15万円のうちの一部をNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を用いたインデックスファンド(株価指数などの指標に連動するようにつくられている投資信託)にあてるのも手だ。
インデックスファンドなら銀行金利より大きなリターンが期待できる。
いまからでも遅くはない。とにかくお金を貯めよう。手堅く生きよう。その手堅さがやがて最高の自由をもたらすのだ。
この書籍の著者:ひろゆき(西村博之)プロフィール
1976年、神奈川県生まれ。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人となる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」の運営に携わる。2009年、「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人となる。現在、数多くのネットメディアに出演する、日本を代表する論客の1人。著書多数。






