人が楽しいと感じることはそれぞれ違いますが、中には「知識を深めること」が喜びという人もいます。今回は、お金をかけずに「知識を深める」取り組みにはどんなものがあるのかご紹介します。知識を深めることは、自分の可能性を広げること。心豊かな生活を送ることができるでしょう。
高齢者が知識を深める方法1:図書館などの施設で学ぶ
シニア世代の方々が「知識を深める場」として最適なのは地元の図書館です。図書館は静かで集中できる環境なので、落ち着いて読書や学習ができます。図書館には、多様なジャンルの本や雑誌、新聞などがそろっており、最新の情報から専門的な知識まで幅広く学ぶことができます。
また、本を読むことに疲れたら、音楽鑑賞、動画視聴で気分転換もできます。さらに、図書館が開催する読書会、シニア向け講座などにも参加すれば、同じ興味を持つ人々との交流が生まれ、新しい人間関係を築くこともできるでしょう。
とくに、地域の歴史を学ぶことはおすすめです。地域の歴史や遺跡を知るために、地域のコミュニティーセンターや図書館が主催する地元の歴史を知る勉強会やディスカッションに参加してみましょう。
シニア世代の方々が地域の歴史を知ることには、いくつかの大切な意味があります。まず、自分の住んでいる場所の過去を理解することで、地域への愛着や誇りが生まれます。昔の出来事や人物について知ることで、街の変遷や発展の過程を感じることができ、日常生活が一層豊かになるでしょう。
また、地元の歴史について詳しくなると、観光ガイドや地域のイベントの企画など、さまざまな活動に参加する機会が増えるかもしれません。地域をよく知り、その知識を多くの人々と共有することで得られる充実感は日常生活をより豊かなものにしてくれるでしょう。
高齢者が知識を深める方法2:放送大学を受講する
放送大学は、テレビやラジオ、インターネットを通じて学ぶことができる、日本の私立の通信制大学です。放送大学には6つのコースがあります。幅広い分野から選べるので、自分の興味やキャリアに合わせた学びが可能です。15歳以上であれば、誰でも選科履修生・科目履修生として入学できます(全科履修する場合は満18歳以上の方)。入学試験は、書類による選考のみのため、学力試験はありません。
●学費について
学費は、科目単位で納入する「授業料」と、入学時に納める「入学料」を合計した金額です。
【入学料】
入学料は、学生の種類によって異なります。
・大学卒業を目指す「全科履修性」等であれば、在籍期間が4年以上:2万4000円
・キャリアアップ等を目指す「科目履修生」は、在籍期間が1年間:9000円
・同じキャリアアップ等でも「1科目だけ」は、在籍期間が半年:7000円
【授業料】
放送授業は1科目(2単位)1万2000円(テキスト費込み)、面接授業(テキスト費別)は1科目(1単位)6000円、オンライン授業(テキストなし)は1科目(1単位)6000円、1科目(2単位)1万2000円。履修する科目数に応じて発生します。
個々の受講スタイルによっては比較的リーズナブルに学べます。
・放送授業:BSテレビ・ラジオ、インターネットなどの授業番組と印刷教材(テキスト)で学習を進めるスタイル
・面接授業:全国57カ所の学習センター等に行き、教員から講義や指導を受けるスタイル
・オンライン授業:すべての学習をインターネットで行うスタイル
放送大学の2025(令和7)年度第2学期の在学生は約8万3000人で、そのうち60代の割合は約30%を占めています。柔軟な学習スタイルで学べる点がシニア世代の方々にとって、学びやすさにつながるのでしょう。
参照:
・放送大学「入学生募集」
・放送大学「数字で見る放送大学」
高齢者が知識を深める方法3:無料のアプリで学ぶ
無料のスマホアプリを活用すれば、さまざまな学習ができます。たとえば外国語をマスターしたいと常々思ってきた方はアプリで学習を始めてみてはどうでしょう。例えばNHKの「NHKゴガク」という語学講座アプリ(無料)を使えば、NHKのラジオ第2で放送中の語学講座を「まるごと」聴くことができます。英語だけでなく、中国語、ハングル、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ロシア語なども学習できます。
新しい言語を学ぶことは、脳を刺激し、認知機能を向上させる効果があります。これにより、記憶力や集中力の維持、さらには認知症の予防にもつながると言われています。また、語学学習をとおして、異文化の理解が深まれば、海外の友人を作ることもできるかもしれません。








