映画

「原作小説を読み込んで役を自分に落とし込んでいく」映画『朽ちないサクラ』安田顕の“役作りの秘訣”

柚月裕子の同名小説を杉咲花主演で映画化した『朽ちないサクラ』。この映画に出演している安田顕さんにインタビュー。撮影の裏側、俳優の仕事との向き合い方、かつて好きだった映画スターのお話なども伺いました。※サムネイル写真:(C)kaori saito

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

映画『朽ちないサクラ』は、県警に勤務するヒロインの森口泉(杉咲花)が、「親友が殺されたのは自分のせいかもしれない」と罪悪感を抱きながら、真犯人を突き止めようとするサスペンス作品です。

安田顕さんは、泉の上司・富樫隆幸役。彼女のことを気にかけながらも、どこかミステリアスで奥深い人物を演じています。そんな安田さんに、役柄、撮影時のエピソード、そして映画生活についてなどをインタビューしました。

『朽ちないサクラ』出演、安田顕さんにインタビュー

安田顕

『朽ちないサクラ』で渋い魅力を放つ安田顕さん(C)kaori saito

――まず富樫役について、依頼が来たときのこと、出演の決め手について教えてください。
 
安田顕さん(以下、安田)
:僕は出演依頼に対して、自分で出演可否を決めるということはしないんです。常に信頼しているチームと一緒に動いているので、彼らがOKだと思った仕事ならば基本的にはやります。この映画もオファーをいただいた時点で「ありがとうございます。ぜひお願いします」という流れで出演が決まりました。
 
――安田さんが演じた富樫は、ヒロインの上司ですが、元公安警察という一面もあります。富樫はミステリアスな印象がありますが、どのように役作りをされましたか?
 
安田
:まず原作小説を読みました。著者の柚月さんは富樫を丁寧に細かく描いていたので、富樫の仕草や森口泉目線で見た富樫のイメージなど、役作りに大いに役立ちましたね。
「朽ちないサクラ」

(C)2024 映画「朽ちないサクラ」製作委員会

――原作から役の人物像を立ち上げていったんですね。
 
安田
:そうですね。原作がある場合は必ず読むようにしています。原作に書かれた富樫を自分に取り入れて演技に生かしていくやり方が、僕にとっては役作りがしやすいんです。
 
――なるほど。原作にヒントがたくさん示されているということですか?
 
安田
:僕の場合は、原作ありきです。映画は監督、プロデューサー、脚本家、そのほかのスタッフと役者によって1つの作品が仕上がっていくので、原作があっても別物という見方もあるでしょう。でも原作ものは、その小説が面白くなかったら、映画も成り立ちませんから、とても重要だと思います。
 
それに小説の映画化作品の場合、原作ファンの方も楽しみにしていると思うので、原作で描かれているキャラクターを自分に落とし込んでいくのは僕にとって大切なことなのです。

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