きっかけは食べ物だったが、その奥には心理的なものが潜んでいた
ハンバーグから出てきた髪の毛
夫の実家と「ご近所別居」のアザミさん(43歳)。2年前、下の子が小学校に上がるタイミングで越してきた。「上の子は転校になってしまったのだけど、上は非常に前向きな女の子。転校したら新しい友だちができるよねと喜んでいたくらい。下の男の子は繊細なので、途中転校はできないと思い切ったんです」
共働きだから学童を利用する方法もあったが、息子が学童でやっていけるとも思えなかった。
「義母は元保育士。息子のことも理解してくれて、いい距離で接してくれたので息子も落ち着いて小学校生活を送ることができていました。その上、義母はよく料理を作って持ってきてくれた。ありがたかったです」
半年ほど前のことだ。その日、義父が留守だというので、義母に来てもらい、アザミさん一家と5人で食事をしていた。義母が作ってくれた、子どもたちが大好きなハンバーグだったのだが、アザミさんのハンバーグから髪の毛が出てきた。
ウッとなってトイレに駆け込んだ!
「さりげなくよけて知らん顔していればよかったんですが、私、髪の毛を指でつまんでピーッと引いたんですよ。そこにひき肉がからまったのを見て、吐きそうになってしまって……。思わずウッと言って立ち上がり、トイレに駆け込みました」嘔吐はしなかったが、気持ちが悪くて、それきり食事はできなかった。夫は明るく、「ま、よくあることだよ」ととりなしたが、義母は「ごめんなさいね。気をつけてるんだけど……だけど、そこまでしなくても」と不快そうだった。娘は知らん顔して食べ続けていたが、繊細な息子は、母の様子を見て自分が嘔吐してしまう。
「『アザミさん、こういうのを悪影響っていうのよ』と、義母はまるで私が悪いかのように言いました。でもこれって生理的な問題ですからねえ。それ以降、私はまったく義母の手料理が食べられなくなりました。気にせず食べようと思っても、口元に持ってきただけでウッとえずいてしまう」
しかも、息子も同じように食べなくなったというから日常生活に支障をきたした。
>自分はおかしいのではないかとも思ったが……