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介護保険料の負担はいくらぐらいで、何歳まで支払うの?【2024年最新】

介護保険は、若いうちはあまり馴染みがないこともあり「介護保険料っていつから支払うの?」「いくら払うの?」「65歳になったら払わなくていいんでしょ?」など、そのしくみをよく知らない人が多い制度なのではないでしょうか。今回は、介護保険料の支払い方法や負担する保険料を解説します。

舟本 美子

執筆者:舟本 美子

おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド

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<目次>
介護保険は、若いうちはあまり馴染みがないこともあり「介護保険料っていつから支払うの?」「いくら払うの?」「65歳になったら払わなくていいんでしょ?」など、そのしくみをよく知らない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、介護保険料の支払い方法や負担する保険料などについて解説します。
介護保険料の負担はいくらぐらいで、何歳まで支払うの?

介護保険料の負担はいくらぐらいで、何歳まで支払うの?

介護保険制度には「第1号被保険者」「第2号被保険者」という2つの区分がある

介護保険は市区町村が運営し、40歳になったら加入しなければならない社会保険制度です。
すべての人が40歳以上になったら加入します。加入者には、65歳以上は「第1号被保険者」、40~65歳未満は「第2号被保険者」という2つの区分があります。

第1号被保険者は、要支援・要介護認定を受ければ、介護保険サービスが利用できます。しかし、第2号被保険者は、厚生労働省が定める16種類の特定疾患に該当した場合のみ介護保険サービスの利用が可能です。
 
●厚生労働省が定める主な特定疾患
・がん(がん末期、回復の見込みがないものに限る)
・関節リウマチ
・骨折を伴う骨粗しょう症
・初老期における認知症等
・脳血管疾患(脳出血、脳梗塞等)
など
参照:厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」

介護保険料の納め方

第1号被保険者、第2号被保険者の介護保険料の納め方をそれぞれ説明します。
 
●第1号被保険者の介護保険料の納め方
65歳以上の被保険者が負担する介護保険料の徴収法は、「特別徴収」と「普通徴収」の2つがあります。
 
特別徴収は、年額18万円以上の老齢年金などをもらっている人が該当し、年金が支払われるときに、介護保険料が天引きされる納め方です。一方、普通徴収は、年額18万円に満たない老齢年金などの受給者が該当します。年金から介護保険料を天引きできないため、役所から送られてきた納付通知書で支払います。
 
●第2号被保険者の介護保険料の納め方
40~65歳未満の被保険者が負担する介護保険料の徴収法は、フリーランスや自営業者は国民健康保険料、会社員や公務員は加入する協会けんぽなどの健康保険料と一緒に徴収されます。

 介護保険料の支払いはいくら?

第1号被保険者、第2号被保険者がいくらぐらいの介護保険料を支払うか、それぞれ説明します。
 
●第1号被保険者が支払う介護保険料はいくら?
第1号被保険者が支払う介護保険料は、「自治体ごとの基準」と「被保険者の所得」によって決まります。自治体ごとに基準が決まっているので、同じ所得でも、市区町村によって負担する介護保険料は異なります。参考までに、介護保険制度が始まった2000年からの全国の介護保険料の平均月額の推移をみてみましょう。
出典:財務省『財政制度分科会資料』01.pdf (mof.go.jp)

出典:財務省『財政制度分科会資料』01.pdf (mof.go.jp)

介護保険料は自治体で3年に1回見直しが行われ、その都度、全国平均は上がり続けています。2021~2023年度の介護保険料の平均月額は6014円となり、過去最高額になりました。

2024~2026年度の3年間については、2024年4月に見直しが行われたばかりです。多くの自治体で、介護保険料の引き上げがあったようです。実際にいくらになったのか、いくつかの自治体の介護保険料の基準額※をみてみましょう。

※:介護保険料の基準額とは、第1号被保険者が支払う介護保険料を決めるときの基準となる額です。市区町村ごとに、介護サービス費用をまかなえるよう算出されます。介護保険料は基準額をもとに、本人や世帯の所得などに応じて負担額が決まります。
 
●主な自治体の2024(令和6)年度~2026(令和8)年度の介護保険料の基準額
【大田区】
・介護保険料基準額:年額7万9200円(月額6600円)
参照:大田区「介護保険料について」
【相模原市】
・介護保険料基準額:年額7万2000円(月額6000円)
参照:相模原市「介護保険料について」
【大阪市】
・介護保険料基準額:年額11万988円(月額9249円)
参照:大阪市「介護保険料について」
【福岡市】
・介護保険料基準額:8万2784円(月額6898円)
参照:福岡市「介護保険料について」
 
介護保険料の基準額は、多くの自治体において引き上げとなりました。しかし、中には据え置き・引き下げとなった自治体もあるようです。詳しい介護保険料の見直しについては、お住まいの自治体「介護保険課」にお問い合わせをお願いいたします。
 
●第2号被保険者が支払う介護保険料はいくら?
会社員や公務員の第2号被保険者は、給料に料率(健保組合によって違います。協会けんぽの場合、2024年度は1.60%)を乗じた金額が、健康保険料とあわせて給料から天引きされます。その際の介護保険料の負担額は、事業主と折半となります。
 
たとえば、協会けんぽ(東京都)加入している人の給与額が20万円(標準報酬:20万円)の場合、介護保険料の負担額は以下のとおりです。
 
【給与20万円(標準報酬:20万円)の月額介護保険料】
・20万円×1.60%=3200円
・3200円÷2=1600円(事業主と折半)
 
フリーランスや個人事業主の第2号被保険者は、所得によって保険料が異なります。国民健康保険料に、介護保険料が上乗せされて徴収されます。
 
参照:「東京都 2024(令和6)年度保険料額表」

介護保険料は、何歳まで支払う?

介護保険料は満40歳になった日から徴収が始まります。満40歳は「40歳の誕生日の前日」に達するとされており、4月1日生まれであれば、3月分から介護保険料が請求されることになります。
そして途中で脱退はできず、一生涯、介護保険料を納めることになります。

介護保険サービスは自己負担分はありますが、40歳から亡くなるまで受けられます
 
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