定年・退職のお金

「副業バテ」にご注意!本業と両立するためのマイルール3選

会社員にとって副業や兼業をしやすい環境が整いつつある今、定年後に自分らしく稼ぐことを見据え、副業を検討する人も多いのではないでしょうか。副業経験者の感じたメリットと課題を紹介するとともに、課題を乗り越える方法をファイナンシャルプランナーでキャリアコンサルタントである筆者がお伝えします。

鈴木 さや子

執筆者:鈴木 さや子

学費・教育費ガイド

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疲れた女性

定年後に自分らしく稼ぐことを見据えて副業を始める人が増えているが、課題もまだまだ多いという

働き方改革の一環でさまざまな法改正が重ねられ、会社員にとって副業や兼業をしやすい環境が整ってきています。副業OKの会社で働く人からは、「定年前に副業ってした方がいいのかな」という相談が筆者に寄せられることもあります。副業は必ずすべきことではありませんが、そのメリットは多くあり、定年退職後のキャリア形成を視野に入れた副業もおすすめです。

本記事では、副業にどんなメリットや課題があるのかを経験者の声から紹介するとともに、課題を乗り越える方法について、ファイナンシャルプランナーでキャリアコンサルタントである筆者がお伝えします。

副業経験者の感じたメリットは「副収入」「業務の効率化」「人脈形成」

新卒以来ずっと本業に取り組み成果を上げてきた人にとって、本業以外に別の仕事をするのは、「お金に困ってからにしよう」と思っている人も多いのではないでしょうか。

実は副業には副収入以外にも多くのメリットがあるのです。リクルートが2023年に約2000人を対象に調査した「兼業・副業に関する動向調査2022」より、実際に兼業や副業をしたことのある人の感想を紹介します。
兼業・副業を実施して感じたこと

出典:「兼業・副業に関する動向調査2022」/株式会社リクルート

もっとも多い回答はやはり「副収入が得られた」ですが、本業以外にやるべき仕事が生まれたことで、「効率よく仕事を進められるようになった」という声が2番目に多い結果となりました。

このほか、「柔軟な発想ができるようになった」「新しい知識やスキルを獲得できた」「社外のネットワークやつながりが構築できた」という感想も。なかには、副業をすることで、いかに本業の仕事が自分にとって魅力のあるものなのかを再認識したという声もありました。

これらの感想には、定年後に自分らしく働ける環境を手に入れるためのキーワードがいっぱい詰まっていると思いませんか?

・仕事の効率化や知識・スキルの獲得
  →次の仕事の選択肢が多くなる

・新しい視点を得て、柔軟な発想ができる
  →こだわりや思い込みを捨てることで、やりたくない仕事を減らせる

・社外に人脈ができる
  →情報収集の幅が広がり、仕事紹介にもつながる可能性が生まれる
  →会社の肩書きがなくなっても社外の友人はずっと対等の立場。孤独にならなくて済む

また、副業をコツコツ続けてさらに収益を大きくできれば、そのまま定年後の仕事にすることも可能ですね。

副業をして難しく感じたことは「時間管理」「健康管理」

稼げるシニアになるためにプラスに働く要素が多い副業ですが、一方で難しいと感じることも多くあるようです。前述の調査より副業経験者の声を紹介します。
兼業・副業を実施して難しさを感じたこと

出典:「兼業・副業に関する動向調査2022」/株式会社リクルート

いくら未来を見据えて副業にチャレンジしたくても、私たちに与えられた1日の時間は24時間と変わりません。そのため、副業を始めたあとに、睡眠時間など休息時間が減ってしまう人もいるでしょう。

その影響で体調を崩し、本業のパフォーマンスに支障が出ることも。そうなると本業の上司や同僚にも迷惑がかかり、立場も難しくなってしまいます。このような負の連鎖を起こさずに副業にチャレンジするには、一体どうすればよいのでしょうか。

副業を始める前にマイルールを設定しよう

定年後を見据えて副業を検討している人には、ぜひ始める前にマイルールを設定することをおすすめします。設定せずになんとなく始めてしまうと、時間や体調管理がうまくいかず、副業の厳しさに耐えられなくなりやめてしまう可能性が高いためです。

本業に支障をきたさず、副業も楽しんで取り組めるように、自分なりのマイルールを決めましょう。人によって異なりますが、設定すると良いマイルールの例を3つお伝えします。
マイルールの例
①本業も副業もしない休息デーを週1日は確保する
どんな仕事も身体が資本。体調が万全でないと本業も副業もパフォーマンスが低下します。最低でも週1日はゆっくり過ごせる曜日を決めましょう。

②副業で目標とする収入を上げ過ぎない
はじめのうちは、副業で得る収入はあくまでおまけ程度と割り切り、無理なくできる仕事量で得られる収入に設定します。

③本業の飲み会は短時間でよいのでできるだけ参加する
副業で得られる社外の人脈も大切ですが、長年続けている本業における人づきあいも同じくらい大切です。完全につきあいを切るのではなく、短い時間でもできるだけ参加して交流するとよいでしょう。

これらは例ですのでご自身の本業や副業の環境に合わせて、マイルールを考えてみてください。出来なさそうなものや多過ぎるルール設定は守れなくなるため、最大でも3つほどをおすすめします。

将来的に稼げるシニアになるために副業の経験はとても役立ちます。しかしイヤな思いをしたり身体を壊したりしては身も蓋もありません。楽しく取り組んで、本業にも良い効果をもたらす、そんな副業をしたいものですね。

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