高齢者の方は、まだまだお元気な方が多いですから「多くの人々と交流したい」「誰かの役に立ちたい」という気持ちがあるでしょう。そんな方におススメなのが「介護支援ボランティアポイント制度」です。
「介護支援ボランティアポイント制度」とは、介護保険制度を活用した取り組みです。各自治体が、ボランティア活動に参加した方にポイントを付与する制度で、そのポイントをお金に交換したり、介護保険料に充当したりできます。今回は、自治体が行う「介護支援ボランティアポイント制度」について紹介します。
「介護支援ボランティアポイント制度」を実施している自治体はどのくらい?
2014(平成26)年の介護保険法改正を機に、地域介護予防活動支援事業の枠組みを活用し、通いの場づくりの担い手の確保や参加を推進する目的で、さまざまな自治体で「介護支援ボランティアポイント制度」が実施されるようになりました。実施している自治体の数は、厚生労働省 老健局の「ボランティアポイント 制度導入・運用の手引き」によれば、全市町村の34.1%(593市町村)を占めています。主な実施自治体は「東京都稲城市」「東京都墨田区」「神奈川県横浜市」「千葉県千葉市」「茨城県取手市」などがあります。
自治体が、「介護支援ボランティアポイント制度」を行う理由は、不足する介護人材を補うという目的がありますが、「ボランティア活動に参加する人が介護状態になるのを予防する」という効果も期待されています。
「介護支援ボランティアポイント制度」のボランティアはどんなことをするの?
介護支援ボランティアポイント制度では、特別養護老人ホームなどの高齢者施設で以下のボランティア活動を行います。・食堂内の配膳や下膳等の補助
・お茶出し
・施設利用者の話し相手
・レクリエーションなどの運営指導や補助
・シーツ交換
・散歩・外出、施設内移動の補助
・清掃
など
「介護支援ボランティアポイント制度」でもらえるポイントとは?
介護支援ボランティアでもらうポイントは、自治体ごとに異なる場合もありますが、おおむね活動時間1時間につき1ポイント(スタンプ1個)で、100円に交換できます。年間の獲得上限は50~200(5000~2万円)と自治体ごとに異なります。また、ポイントは換金するだけでなく、商品との交換が可能であったり、介護保険料などに充てたりなどができます。
「介護支援ボランティアポイント制度」に登録するには?
介護支援ボランティアに関する問い合わせ窓口は、地域の「社会福祉協議会」または「役所の介護保険課」です。登録に際して、市町村によって、「ボランティア登録研修」の受講が要件であったり、「ボランティア保険」の加入が必要だったりします。
ボランティア保険は、ボランティア活動中に、他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりした場合の賠償責任補償を目的にするもの。ボランティア活動中や受入機関への行き帰りでの事故でケガを負った場合の傷害補償があり、保険料は自治体が負担します。
まとめ
「介護支援ボランティアポイント制度」で実際にもらえるポイントは、年間5000~2万円とわずかですが、地域の人との交流が生まれたり、人の役に立っているという充実感が得られたりするでしょう。もう少し、活躍の場を広げたいと思う方は、地域のシルバー人材センターにも登録して、仕事を探してみるのもおすすめです。