亀山早苗の恋愛コラム

「新婚レス」の6割は20代…快楽目的はNGで子作りならOKという価値観に苦しんだ34歳の決断

セックスレスは、結婚生活が長い夫婦に限った話ではない。4000人の既婚男女を対象にした調査とともに、新婚時代からのレスに悩み続けた30代夫婦のエピソードを紹介しよう。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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日本人カップルの性に関する実態調査からわかることとは

日本人カップルの性に関する実態調査からわかること

20代~50代の既婚者男女4000人を対象にしたアンケート調査「夫婦のセックスレスに関する実態調査」(2023年10月、レゾンデートル株式会社)によると、全体の7割近くがレス傾向にあり、そのうち43.9%が完全なレスだという。

セックスレスは20代から始まっている

驚かされるのは結婚3年未満の新婚夫婦の5割以上がすでにセックスレス傾向にあること。しかも新婚レスの6割は20代。結婚がひとつのゴールとなってホッと一安心してしまうことに一因があるのかもしれない。

もちろん、結婚生活が長くなればなるほどレス率は上がっていくのだが、それでも新婚夫婦の半数以上がレスというのは衝撃である。現代の日本では恋愛結婚が9割なのだが、それでも結婚したとたん、相手が性愛の対象ではなくなってしまうのだろうか。

34歳女性「結婚した途端に関係がなくなった」

「うちは結婚したとたんにパタッと関係がなくなりました。付き合いが長かったのに、いや、長かったからなのか、結婚したら急に生活が変わってその結果、関係も変わったような気がします」

エリさん(34歳)はそう言った。学生時代の友人と、卒業後に付き合い始めて7年。知り合ってから10年たって29歳のときに結婚した。友人から恋人、そして夫婦へと着実にステップアップしたように見えるが、当事者の気持ちとしては「恋人のときがいちばん盛り上がっていて、結婚してから一気に盛り下がった(笑)」という。

「ふたりとも、相手の存在を親には話していたんです。だから別に反対されたわけでもなんでもないんですが、結婚してからは相手の親きょうだいや親戚との付き合いが面倒で……。うちは親戚付き合いもほとんどないので、夫への要求もありません。夫のほうは中途半端に近いところに実家があるんですよ。何とか日帰りで行ける距離。だからたびたび呼ばれるし、意外と濃い親戚付き合いを求められて。

夫も結婚してすぐ私を『家族』という位置づけにした。もう恋人じゃないんだ、と。私には違和感があったんですが、彼の中では家族というポジションがいちばん上だと思っていたようです」

結婚しても恋人のころのようにある意味での「他人としての距離感や気遣い」を重視したかったエリさんと、「家族なんだから何でもあり」とする夫との間に齟齬が生まれた。夫から感謝の言葉が消え、親戚付き合いを強要された。

快楽のためはNG、子作り目的はOKという価値観

「お互いの仕事の関係でなかなか休みが合わず、やっと旅行に行けたのが結婚してから半年後の年末だったんです。それまで本当に忙しくて生活が安定しなかったので、旅行先でのんびりしようと思っていたけど、結局、一度もセックスはなかった。私も夜になると爆睡していたし、彼も同じでした」

もちろん恋人時代には頻繁に楽しんでいたし、彼とは体も合うと思っていたのだ。だが結婚と同時に、彼女自身もその気がなくなった。それは「家族になった」というプレッシャーもあったのではないかと振り返る。

「お互いに落ち着くところに落ち着いたのだから、あとは子作りだよねという気持ちもあったのかもしれません。なんだか、快感のためのセックスはよろしくなくて、子作りのためならOKみたいな妙な価値観が生まれてしまいました。子どもを作るなら計画を立てないといけないと思っているうちに、セックス自体が面倒になった」

>夫婦の間で「タブー化」した性の話題
 
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