亀山早苗の恋愛コラム

夫の母親の「距離」の取り方がすばらしすぎる!「なんてかっこいい…」と感激した義母の言葉

夫の母親の「距離の取り方」には個人差も大きく、正解はない。ひとつ言えるのは、義母の性格がさっぱりしているほうがうまくいくのは確かなようだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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夫の母親との距離の取り方は個人差が大きく、何が正解かは誰にもわからない。そもそも、どういう距離をとりたいかをきちんと自覚している人も少ないかもしれない。ただ、「義母」の性格があっさりしているほうがうまくいきやすいのは確かだろう。
 
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びっくりするほど自立している夫の母

3年前に結婚したとき、「夫の母親とのつきあいがめんどうだな」と感じていたと話すのはリエコさん(35歳)。なぜなら夫は母ひとり子ひとりで育ったから。ふたりは別々に住んでいたし、夫は「うちの母親のことはまったく気にしなくていいから」と言ってはいたが、そうはいっても親子だしとリエコさんは考えていた。

「イメージとして、息子に頼る母親かなと思い込んでいたんです。結婚前はあまり接触がなかったんですが、結婚を機に、夫と私の仕事を考えると、夫の実家近くがいちばん便利だということになり新居を構えました」

引っ越した翌日、義母に挨拶に行こうと電話をすると、「今日は仕事が終わったら同僚と食事をする約束なの。また今度ね」と言われた。週末に連絡すると、「この週末は友だちと温泉旅行なのよ」と断られた。

「不安になって、夫に『私、嫌われてるのかな』とつぶやくと、『そうじゃないよ。自分の好きなように生きている人なの。だから気にしなくていいんだってば』と。でもねえ、一般常識としては気になるでしょう。夫から言ってもらって、ようやく時間をとってもらったのは結婚してから2ヶ月後でした。歩いて15分もかからない場所に住んでいるのに」

義母宅に行ってみると、おいしくいれたコーヒーにケーキでもてなしてくれた。会話も義母とは思えない雰囲気だった。

「最近、何か映画観た?と聞かれました。私、実はかなりの映画好きなので、いくつかタイトルを挙げたんです。そうしたら『あ、それは私も観た』とか『それは観てないわ、おもしろかった?』とか。テレビドラマとか配信のドラマの話も出ました。友だちとしゃべっているかのような感じでしたね」

夕飯時になると、「私、あんまり料理しないから何かデリバリーしない?」と言いだし、ピザやサラダを宅配してもらって食べた。

最後に「これからもよろしく」と言おうとしたら、「あなたはあくまでも息子と結婚した人。私とは他人だから気を遣わなくていいから。私に気を遣う時間があったら、自分の両親を大事にしなさいね」と一言。なんてかっこいいとリエコさんは感激してしまったという。

「半年前に子どもが生まれましたが、義母はたまに見に来る程度。仕事があるから手伝えないといち早く言ってきました。出産前から想定内だったので、2ヶ月ほど実母に来てもらいました。何でもはっきり言ってくれる義母には助かっています。彼女は『おかあさん』と呼ばれるのを嫌がるので、名前で呼んでいます」

おそらく孫を猫かわいがりすることもなく、教育に口を出してくることもないだろう。実際、お宮参りも義母はスルーした。

「最初は孫がかわいくないのかしらと思いましたが、あの義母は本当に私たちを独立した別の家庭だと考えているみたい。だから自分は口出ししないと決めているんでしょう。立派だと思います」

ひとり暮らしだが60代半ばになっても仕事を続け、友人と楽しみ、ひとりで楽しみ、自立した女性なのだ。リエコさんは今は深く義母を尊敬しているという。

「本来、私はもうちょっと親しい人との距離は詰めたいタイプなんですが、義母のかまわれたくない気持ちを尊重しています。それは彼女もわかってくれているみたい」

いざ義母が体調を崩したりしたときには、すぐに役に立とうと決めているそうだ。
 

かまわれたくない女性と、かまいたい義母

夫の姓になるのを拒み、婚姻届を出さないまま事実婚を続けているミホさん(38歳)。同い年の夫との間に3歳になる長女がいる。

「事実婚でも共働きですし、生活になんら支障はありません。だけど義母が、どうして届を出さないんだとうるさくて。対応は夫に任せていますが、些細なことでも私に連絡してくるので困惑することもありますね」

自分の信条や嗜好がはっきりしていて、他人にとやかく言われたくないミホさんと、「世間体を気にし、なにかとめんどうを見たがる義母」との間は、決して穏やかな空気が流れることはない。

「電車を乗り継いでも30分足らずの距離なので、週末、義母がやってくることがあるんです。電話もせずに。出かけていると待ちぼうけになるのに、それがわかっていても来る。そしてあとで『どうしていないのよ』と文句を言う。夫もそれにはうんざりしていて、『来るなら連絡して』と言っているのに、突然の訪問が多い。今から出かけるからと言うと、『冷たいわね。いいわよ、留守番していてあげる。掃除もしておくから』と。思わず『やめてください。ここは私たちの家なので』と言ったこともありました」

そうやって衝突すると、しばらくは音信不通になるのだが、2ヶ月もすればまたアポなしでやって来る。

「結婚して6年もたつのに、どうして学ばないのか不思議なんです。彼女の頭の中では、義母というものは息子夫婦より上だという気持ちがあるんでしょうね。だから他人にはしないことも平気でする。私が何か言うとキツくなるので、夫に任せていますが、ときには急に食べ物を送ってきたりするんです」

それが生きたカニだったりエビだったりすることもある。共働きの身で、すぐに処理しなければならない生ものを送られるのはけっこうつらいとミホさんは苦笑する。

「贅沢な話で申し訳ないんだけど、私が超多忙なときに限って、そういうものが送られてくる。夫が処理してくれますが、その分、家事が滞ったりするのでね……。ものを送れば連絡がくるから、せっせと送ってくるんでしょうね。かまってほしいんだろうけど、こちらも忙しくて」

義母は義父とは険悪な関係。夫には妹もいるが、遠方で結婚生活を送っているため、頻繁には会えない。だから何かと息子夫婦と接点をもちたがるのだろう。

「わかってはいるけど、そこまでかまうことはできない。冷たい嫁だと思っているでしょうけど、私は夫と娘、この3人の暮らしを進めていくので精一杯なんです」

義母との距離の取り方は、それぞれの性格もあいまって本当にむずかしい。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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