ソフトバンクの3Gサービス終了が迫っている今、改めて3Gとは何だったのかを振り返るとともに、ソフトバンクの3Gユーザーが備えるべきことを解説します。
スマートフォンの普及に大きく貢献した3G
そもそも3Gとは何かといいますと、これは携帯電話の通信規格の世代を示す言葉です。3Gの「G」は「Generation」、つまり「世代」を示しており、3Gは携帯電話の「第3世代」の通信規格であることを指しています。日本ではNTTドコモが2001年に3Gのサービスを開始しました。3Gの1つ前となる通信規格「2G」の時代はまだ、携帯電話といえば音声通話の利用が主でした。そのためデータ通信の利用はあまり考慮されておらず、インターネットに接続するときの通信速度は数十~数百kbpsと非常に遅かったのです。一方で3Gは当初からデータ通信も利用することを前提とした設計がなされ、1Mbpsを超えるなど当時としては非常に高速な通信が可能でした。
そのため3Gは、「iモード」などのモバイルインターネットサービスの利用を促進したり、「iPhone」などのスマートフォンを普及させたりすることに大きく貢献してきました。携帯電話を“通話するもの”から“インターネットを使うもの”に変えたのが3Gといえるでしょう。 ですが、現在多くの人が使っている通信規格は、すでに3Gの1つ上の世代であり、数百Mbpsもの通信速度を実現できる「4G」であったりもします。加えて2020年からは、通信速度がメガではなくギガ、つまり1Gbpsを超えるなど一層性能が高い通信規格「5G」を用いたサービスが始まっており、最近では5Gの普及が急速に進みつつある状況です。
そこで、すでに古い規格となり役目を終えた3Gを終了させ、3Gで使っていた電波などを4G、5Gで活用することにより、モバイル通信の性能をより一層向上させる取り組みを、現在携帯各社が進めているのです。
3G終了によるユーザーへの影響は?
その一方で、3Gが終了すれば3Gにしか対応していない、あるいは3Gを多く活用している携帯電話やスマートフォンは、使えなくなったり、機能が制限されたりしてしまいます。ソフトバンクも、3G終了後の2024年2月以降は「3G専用の料金プランの利用者や、ソフトバンクで3G専用の端末を購入し利用している人は、契約が自動的に解約され使えなくなる」としています。そしてもう1つ、注意が必要なのは「VoLTE」に対応していないスマートフォンを利用している人です。VoLTEとは4Gのデータ通信で音声通話を実現する仕組みなのですが、古い料金プランやスマートフォンの中には4Gに対応していてもVoLTEに対応していないものがあります。それらを利用していると、やはり3G終了後に自動解約される、あるいは解約はされないものの音声通話が利用できなくなってしまうなどの問題が生じてしまいます。
ソフトバンクモバイルが2013年に販売していた、シャープ製の「AQUOS PHONE Xx 302SH」。LTEにより、当時としては高速なデータ通信が可能な一方、音声通話は3Gでこなす仕組みでVoLTEには非対応だ
ソフトバンクの3Gユーザーが備えるべきことは?
では、その対象となる人たちがソフトバンクのサービスを使い続けるにはどうすればいいのでしょうか。実はソフトバンクでは、4Gや5Gに移行してもらうことでサービスの利用を継続できる特典を提供しています。具体的には、4G対応の「シンプルスマホ6」「かんたん携帯11」などの対象機種に無料で交換できる「3G買い替えキャンペーン」や、「基本プラン(音声)」の月額基本料1078円が2024年2月分まで無料になる「【3G】基本料無料特典」、3850円の契約事務手数料が無料になる「【3G】事務手数料0円特典」、「1年おトク割+」の割引期間が1年から2年に延長される「【3G】1年おトク割+延長特典」などです。
全て適用すれば手数料や端末の買い替え費用が不要になるのに加え、最大1年間の基本料が無料になるので非常にお得です。 ただこれらのキャンペーンは、主として3G専用の料金プランに加入しており、3G専用、あるいはVoLTE非対応の端末を利用している人を対象としたもの。対象となるソフトバンクの料金プランに加入して、VoLTE対応端末に買い替えることではじめて適用される点に注意してください。
とりわけ注意が必要なのが、比較的新しい折り畳みタイプの携帯電話(ガラケーなどとも呼ばれる)を使っている人。最近はスマートフォンだけでなく携帯電話でも4G、VoLTEに対応しているものもあります。そうした機種を使っている人はすでに4G対応の料金プランを契約しているため、一連のキャンペーンの対象とはならないので注意してください。