マネジメント

経営コンサルタントがまずいと思う「2023年不祥事対応」ランキング! 2位「旧ジャニ性加害」、1位は…(3ページ目)

今年もさまざまなニュースが世間をにぎわせましたが、特に印象に強いのは企業の不祥事とその対応のまずさでした。経営コンサルタントの大関暁夫がまずいと思う「2023年の不祥事対応」をランキング形式で紹介します。※サムネイル写真撮影:All About ニュース編集部

大関 暁夫

執筆者:大関 暁夫

組織マネジメントガイド

1位:ビッグモーター、車両修理不正、保険不正、街路樹問題……不正続出に対する対応

1位はビッグモーターの一連の不正への対応

1位はビッグモーターの一連の不正への対応

中古車販売最大手のビッグモーターで、車両修理の際に故意に傷をつけるなどして損害保険を水増し請求していたことに端を発し、中古車買取トラブル、各店舗前の街路樹を枯らした疑惑、社内でのパワハラの横行等々、次から次へと発覚し“不正のデパート”状態になりました。損保会社の要請による第三者委員会の調査結果を受け会見を開き、創業者一族の退任が発表されたものの、すべての不祥事の根源となっていたとされる創業家二代目の副社長は雲隠れしたまま退任するという、納得性ゼロの記者会見となりました。

創業家が表舞台から姿を消したとはいえ、創業家のプライベートカンパニーが100%の株を持ち続け、かつ後任社長に一族の息がかかった幹部を据えるなど、全く反省の色を感じさせない対応は、「今年最悪の不祥事対応」であったことは間違いありません。銀行からは資金支援を絶たれ、検査に入った国交省と金融庁からは一部車検場認可の取り消し、損保代理店取り消しと、相次いで収益の柱を失い窮地に追い込まれました。伊藤忠商事が中古車販売事業のみ買い取るとの話も進んでいるようで、早晩ビッグモーターは姿を消すことになるでしょう。
 

振り返ってみると、やけに不祥事の多い1年であったと感じるのは、当事者の対応のまずさゆえ、どの事件も必要以上に強く印象付けられたせいなのかもしれません。来年はまずは何より企業不祥事が起きない、そんな平穏な1年であることを願いたいものです。

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