ポーランド

【ポーランド観光】ワルシャワのモデルコースと地方のおすすめ世界遺産を巡る

直行便があり、物価が安く、旅がしやすいポーランド。見どころはたくさんありますが、日本人に人気の首都ワルシャワの定番コースと世界遺産を紹介します。

古屋 江美子

執筆者:古屋 江美子

旅行ガイド

ポーランドの首都ワルシャワの観光モデルプラン

ポーランドの首都ワルシャワ。広いが徒歩でまわれるエリアも多い

ポーランド旅行でほとんどの人が立ち寄るのが、日本からの直行便が着く首都ワルシャワ。首都とあって見どころも豊富です。この記事では先ごろプレスツアーで訪れた場所を中心に、ワルシャワのモデルコースと追加で訪れたい中部の世界遺産を2カ所紹介します。
 

ワルシャワ1日モデルコース

クラクフ 郊外通りにある聖十字架教会

クラクフ 郊外通りにある聖十字架教会

ワルシャワの観光スポットはたくさんありますが、定番の2大見どころが、作曲家ショパンゆかりのスポットと世界遺産の旧市街です。

1日でまわるなら、午前中にショパンゆかりのスポット、午後に旧市街を訪ねるコースがおすすめ。旧市街にはお土産屋さんも多いので、午後のほうが荷物の量を気にすることなく買い物も楽しめます。今回紹介するスポットは全て徒歩で回れます。
 

【ワルシャワ観光/午前】ショパンゆかりのスポット

フレデリック・ショパン博物館の近くで見かけた壁画

フレデリック・ショパン博物館の近くで見かけた壁画

ポーランドといえば、日本では作曲家フレデリック・ショパンの故郷として有名です。ピアノ独奏曲を多く残し、「ピアノの詩人」とも呼ばれるショパンは、ワルシャワ郊外で生まれ、生後半年からワルシャワで暮らしました。街には多くのショパンゆかりのスポットがあります。午前中はこれらを中心に巡りましょう。おすすめは以下のスポット。全て近くにあるので、どこから訪れてもOKです。

●フレデリック・ショパン博物館
建物も美しいフレデリック・ショパン博物館

建物も美しいフレデリック・ショパン博物館

ショパンについて知るならここ。ショパンの伝記ともいえる博物館です。マルチメディアを駆使した現代的な展示で見応えたっぷり。ショパンが最後に弾いたピアノ、手紙、楽譜の写しなどもあり、ショパン好きにはたまらないスポットです。
 
●聖十字架教会
ショパンの心臓が安置されている聖十字架教会

ショパンの心臓が安置されている聖十字架教会

教会の柱に、ショパンの心臓が備えられています。比喩ではなく、文字通りの心臓です。ショパンは20歳でワルシャワを離れますが、ワルシャワ蜂起が失敗し、二度とこの地に戻ることはかないませんでした。パリで亡くなると遺言に基づいてお姉さんが心臓を取り出して祖国へ持ち帰り、しばらく自宅で保管したのち、この教会に安置されました。
 
●ヴィジトキ教会
ヴィジトキ教会のパイプオルガン

教会後方にパイプオルガンが。オリジナルのパイプも1本くらいはあるかも?

ショパンがミサでオルガンを弾いた場所です。第2次世界大戦の戦火をまぬがれ、17世紀に建てられた建物がほぼ当時のままで残っています。

●ショパンベンチ
ショパンベンチ

右手前がショパンベンチ。ワルシャワ市内にたくさんある

街のそこかしこにあるベンチにも注目してください。ボタンを押すと、なんとショパンの名曲が流れます。結構大きな音でびっくりしますが、どの曲か予想しながら押すのも楽しいですよ。 
 

【ワルシャワ観光/午後】ワルシャワ歴史地区

ワルシャワの旧市街地にある人魚の記念碑

ワルシャワの旧市街地にある人魚の記念碑

ポーランドは全国に17の世界遺産があり、ワルシャワの旧市街もその1つ。歴史自体は700年以上あるのですが、建物は第2次世界大戦によってほとんどが焼失し、その後再建されました。再建ながらも世界遺産に登録されたのは、「壁のヒビ1本まで」といわれるほど、忠実な再現が評価されたから。
 
旧市街にも見どころは多く、王宮や、ワルシャワ生まれで女性初のノーベル賞受賞者として知られるキュリー夫人博物館などがあります。また、レストランやお土産店も充実しています。
 

【番外:ワルシャワ郊外】ショパンの生家

ショパンの生家

ショパンの生家。再建されたものだが、家具や内装も当時を再現

時間が許す人は、ぜひショパン生誕の地まで足を伸ばしてみてください。ワルシャワから約55キロの場所にあります。建物は復元されたものですが、美しい庭園が整備され、ゆったりとした時間が流れます。繊細で美しい音楽を生んだショパンのルーツを感じられる場所です。ちなみにワルシャワ市内にもチャプスキ宮殿やワルシャワ大学などショパンが暮らした場所があります。
 

【中部の世界遺産】中世都市トルン

ポーランド・トルンの街並み

ポーランドは地方を巡るのも楽しい。写真はトルン

ここからはワルシャワ以外の見どころを紹介します。一般的にはクラクフ(歴史地区が世界遺産のポーランドの小京都)やアウシュビッツ強制収容所(負の世界遺産)が有名ですが、今回は日本人にまだあまり知られていない中部の世界遺産を2カ所紹介します。
コペルニクスの生家(ポーランド・トルン)

トルンにあるコペルニクスの生家。のちに破産してしまうが、かなりお金持ちだった

まず1つ目が、中世の街並みをそのままに残す、中世都市トルンです。ワルシャワから電車で約3時間。または飛行機でワルシャワから北部のグダンスクに入り、そこから電車で向かうのが一般的です。

かつては東西南北の交差点として栄えたトルン。建物はどれも12世紀くらいのもので、重厚なゴシックレンガの建物に歴史を感じます。トルン生まれの有名人といえば、コペルニクス。当時主流だった天動説に異論を唱え、地動説を唱えた人で、彼の生家もあります。
 
人口はそう多くなく、メイン通りから一歩それると、ほとんど人通りがなかったりするのですが、穏やかな安心感があります。日本の地方都市にも似た感じでしょうか。トルンに限りませんが、ポーランドは治安のよさも魅力です。
トルンのレストランChleb i Wino

トルンにはこんなおしゃれなレストランも! 「Chleb i Wino」

ちなみにポーランドは全体的に物価が安めなのですが、地方へ行くとさらに安くなります。都会なら5ドルのビールも、トルンなら3ドル、旧市街の安い店なら1.5ドルくらいで飲めるのはうれしいところ。特に安さを感じるのがホテルで、トルンなら4つ星ホテルも混雑時で80ドル程度。空いている時期なら50~60ドルで泊まれます。 
 

【中部の世界遺産】マルボルク城

マルボルク城

赤茶レンガのマルボルク城は、華美な装飾こそないものの威風堂々としていて、まさに要塞!

トルンから近く、あわせて訪れたいのがマルボルク城です。過去にトリップアドバイザーの「死ぬまでに行きたい、世界の名城25選」に選ばれたこともあります。
マルボルク城の内部

まるでドラクエの世界!? マルボルク城の内部

13世紀後半にチュートン騎士団の拠点として建てられ、第2次世界大戦で大きく破壊されましたが市民が修復し、1997年に世界遺産に登録されました。ゴシックスタイルとしては世界最大の城です。

内部はまるで1つの町のように広く、床暖房システムのある食堂やトイレ棟などがあり、当時の暮らしが垣間見られます。ちなみに食事は1日2食。金曜日は1日1食でしたが、濃いビールを1リットルもらうことができ、空腹をしのいだとされています。
 
この記事ではワルシャワと中部の世界遺産2つを紹介しましたが、ポーランドの国土は日本の0.8倍で、見どころも本当にたくさんあります。ぜひゆっくり回ってみてください。
 
取材協力:ポーランド政府観光局
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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