ポーランド

ポーランド・ウォヴィチの民族衣装がかわいい!お土産の定番、伝統的な「切り絵」も紹介

ポーランドのウォヴィチは、独自の文化を次々と受け継いできた特別な町。かわいい民族衣装や、お土産としても人気の伝統的な切り絵が有名です。現地でこれらの伝統を守り続ける女性たちに話を聞き、魅力に迫りました。

古屋 江美子

執筆者:古屋 江美子

旅行ガイド

ポーランド・ウォヴィチの民族衣装の刺繍

上品な華やかさとかわいらしさにあふれるポーランド・ウォヴィチの民族衣装の刺しゅう

日本に着物があるように、世界にはユニークな民族衣装がたくさんあります。なかでも上品な華やかさとかわいらしさに目がくぎ付けになるのが、ポーランドのウォヴィチという小さな町の民族衣装。先日、ポーランド政府観光局のプレスツアーに参加し、その奥深さと魅力を探ってきました。
 

秋篠宮皇嗣同妃両殿下も訪れたウォヴィチの町

 ウォヴィチの旧市街中央広場にある教会

ウォヴィチの旧市街中央広場にある教会

ウォヴィチは首都ワルシャワから90キロほどの場所にある小さな町。今は静かな雰囲気ですが、17世紀ごろまでは経済的にも栄え、にぎわっていたそう。1960年代まで日常的に着用されていた民族衣装は、現在でも町の行事や特別な催しの際に着られています。

2019年には秋篠宮皇嗣同妃両殿下もポーランド訪問の際、この町を訪れました。
ウォヴィチの民族衣装。スカートのすその刺繍にも注目!

ウォヴィチの民族衣装。これは農民用

農民用の女性の衣装はフリーサイズのワンピースにエプロンを組み合わせ、上にブラウスとベストを重ねて着用します。ウォヴィチの民族衣装の特徴は、なんといっても鮮やかで繊細な刺しゅう。スカートのすそまで美しい刺しゅうが施され、一切の妥協がありません。

今回、お話をうかがったのは、20年ほど前からウォヴィチの伝統文化の継承や紹介に専念しているアンナさん。ポーランドを代表する国立マゾフシェ舞踊団にも衣装としてウォヴィチの民族衣装を提供しており、舞踊団はローマ教皇の前で舞踏を披露したこともあります。
 

ためいきもの! センス抜群の色使い

ポーランド・ウォヴィチの民族衣装

スカートとベストも色合わせが重要

ウォヴィチの衣装で1番大切なのは色のマッチング。色のバランスを熟考してから刺しゅうにとりかかるそう。刺しゅうの絵柄には必ずバラが入り、あとは野の花が数種類入ります。
ポーランド・ウォヴィチの民族衣装

仕立てから刺しゅうまで何でもやるアンナさん

女性は最低5セットを所有し、家着やおでかけ、特別な行事などシーンごとに異なる衣装を身に着けていたそうです。ちなみに男性は1セットでOKだったのですが、男性の場合は妻や娘を見れば、その家庭がどれくらい裕福か一目瞭然だったからとか。

衣装は教会の教区ごとに違い、家々で手作りされるため、基本の形はありつつも個性豊かです。昔は、教会などで会ったとき「いい柄ね」「どう作ったの?」なんて教え合うこともあったといいます。

手入れにも気を使います。自然の色素で染めた色なので水洗いはせず、汚れたときは蒸気で汚れを落とします。ウールなので虫食い予防も欠かせず、寒い冬に屋外で干すことで虫も凍らせてしまうそう。ただ、太陽の光に当てすぎると色が変わるので注意が必要です。

かつてポーランド国王の次に高い地位を持つ人がウォヴィチの領主だった時代もあったそうで、アンナさんは「その末裔であることを誇りに思っている」とのこと。真っすぐな姿勢で伝統を伝えています。
 

ポーランドのお土産でもおなじみの切り絵

ウォヴィチの切り絵

ウォヴィチの切り絵。ニワトリは富を生み増やす縁起のいい絵柄

ウォヴィチは民族衣装のほかにも音楽や言葉(方言)など独自の文化を育んできました。特に有名なのが、ヴィチナンキと呼ばれる切り絵です。現在、ヴィチナンキはポーランドを代表するお土産物として広く知られていますが、ウォヴィチが発祥とされています。

手作業による繊細な切り絵はまるでアートのよう。もともと農家の人たちが裕福な家に飾られた絵画を見て、「自分たちの家も美しく飾りたい!」と思ってつくったのが始まりでした。

切り絵は、まず黒い紙で下地をつくり、色紙を重ねて作っていきます。
ポーランド・ウォヴィチの切り絵

これが下地。下地だけでも美しい。この上に色紙を重ねて貼る

ポーランド・ウォヴィチの切り絵の作業風景

糊は麦や水でつくる自然素材でエコ。白い下地を使って、レースのカーテン代わりに使っていたことも

羊の毛を刈るハサミでつくるウォヴィチの切り絵

切り絵歴40年以上のグラジナさん。デザインは頭の中に入っているそう

紙を切るのに使用されるのは、羊の毛を刈る伝統的なはさみです。試しに触らせてもらうと、サクッと気持ちのいい切れ味でしたが、細かい模様を切り取るのはかなり大変そう。冬の農閑期に制作し、春になると新しいものと入れ替えていたそうです。
 

民族衣装がずらり! ウォヴィチ博物館

ウォヴィチ博物館

ウォヴィチの民族衣装が数多く展示されているウォヴィチ博物館

普段、町を歩いていて民族衣装を着た人を見かけることはありませんが、聖体節(2024年は5月30日)にはパレードがあり、町中を民族衣装の人たちが練り歩きます。また、旅行者にとっては数々の民族衣装の展示を見られるウォヴィチ博物館も楽しい場所。町には雑貨店(folkstar)もあり、切り絵や刺しゅう小物はお土産にもおすすめです。
ウォヴィチの郊外にあるマウジツェ野外博物館

昔の町の様子を再現したマウジツェ野外博物館。青い壁は「未婚の女性がいる」目印でもあったそう

また、ウォヴィチから約7キロの場所にあるマウジツェ野外博物館には、昔の町のイメージが再現されています。夏には切り絵のワークショップなどもおこなわれます。
ウォヴィチの民芸品に彩られたかわいいレストラン「Restauracja Powroty」

ウォヴィチの民芸品に彩られたかわいいレストラン「Restauracja Powroty」

ワルシャワからウォヴィチは電車で1時間ほど。素朴で美しい文化が魅力のウォヴィチを訪ねてみませんか。

取材協力:ポーランド政府観光局
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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