人生100年と言われるこの頃ですから、60代でも残り30~40年もあります。「まだまだ先なのに、終活するの?」と思う方も多いでしょう。
しかし、長い老後だからこそ、「終活」で今後の生きる方向性を決めておけば、その後は自分らしい時間を過ごせるのではないでしょうか。今回は、60代から本格的に終活を始める際の優先事項を3つ紹介します。
終活ってどんなことをいうの?
終活には以下のとおり、さまざまな事柄が含まれています。・財産整理(資産を現金に変える・使わない口座やカード類を解約する)
・資産の目的別管理(介護費用など確実に必要なお金を別口座で管理する)
・荷物整理(持ち物整理)
・エンディングノートを作る(自分年表作成・介護の希望をまとめる・財産の情報をまとめる)
・葬儀やお墓について考える(埋葬方法を決める・墓じまいをする)
このように、終活でやるべきことはいろいろあります。このうち、60代から終活を始める人は、何から優先的に取り組むのがよいのでしょうか。
60代から終活を始めるときの優先事項1:荷物の整理
優先的に進めるべきことの1つ目は「荷物の整理」です。荷物の整理というと、亡くなった後、遺された家族の片付けの負担を減らすことが目的と感じるかもしれません。しかし、実は、老後生活を効率的に過ごすために行うというのが一番大切な目的です。
老後は、家で過ごすことが多くなります。快適に過ごすには、自分にとってお気に入りのもの、必要なものにだけ囲まれるスペースに身を置くことです。
実際、スッキリした空間であれば、探し物をする手間が省けます。また、不要なものをリサイクルショップやネットオークションに出せば、お金が得られるかもしれません。
さらに、整理整頓できている家に暮らせば、つまずいたり、転倒したりのケガも予防できます。このように、荷物の整理は、老後生活を気持ちよく安全に暮らすためには欠かせない事柄です。
60代から終活を始めるときの優先事項2:資産の目的別管理
優先的に進めるべきことの2つ目は「資産の目的別管理」です。資産の目的別管理は、これから先の老後に、お金が不足することのないよう目的別に分けて管理することです。まずは、銀行口座や証券口座にいくらのお金があるのか正確な数字を把握しましょう。
人生100年時代と言われるこの頃ですから、今ある貯蓄を枯渇させないよう大事に守っていく必要があります。老後の生活費は年金をメインに、不足分は働くことで得ていくことができるかもしれません。しかし家電の買替え費、慶弔費、家の修繕費などや、将来必要になる介護費などは、貯蓄から引き出すことになるのでしょう。それらの費用を洗い出し、うっかり使ってしまわないよう、別口座に分けておきましょう。
あわせてエンディングノートに、保険証券、銀行の通帳・キャッシュカード、有価証券、不動産の権利証など自分の財産といえるものをすべて書き出しておきましょう。
60代から終活を始めるときの優先事項3:残りの人生でやりたいことリストを作成する
優先的に進めるべきことの3つ目は「残りの人生でやりたいことリスト」です。残りの人生でやりたいことリストとは、今後チャレンジしたいことを書き出すことです。リストを作成する時点で「できる、できない」という判断はせず、制限なく、自分の好きなことを、書きだすのがポイントです。全部出し切ったら、すぐにできそうなことから取り組んでいきましょう。
老後になると、自由な時間が増えますが、コレという目的がなければ、毎日同じことの繰り返しになり、まったりした毎日を過ごすことになってしまいます。
まずは、チャレンジしたいことを1つずつクリアしていきましょう。一つずつクリアするためには、日々、メリハリのある時間の使い方が必要になるはずです。また、やりたいことが達成するたびに充実感も得られ、イキイキした毎日を過ごすことができるでしょう。