人間関係

22歳「年の差婚」の生易しくはない現実。老いた夫を「おじいちゃん扱い」する世間にモヤッ

36歳のとき、58歳の男性と結婚、あれから9年。夫はすでに67歳だ。一家でいると世間は夫を「おじいちゃん扱い」してくる。家では「年寄り扱いするな」と癇癪をおこすように。夫が高齢になったときの現実はなかなか厳しい。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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近ごろ男性が年上の「年の差婚」が芸能界で話題になったが、年の差があっても女性側が主導権を握っていれば世間的な中傷は受けないようだ。ただ、25歳と45歳ならまだしも、40代と60代になると何か様子が変わってくるかもしれない。
67歳の夫の背中はだいぶ丸くなってきてしまった

67歳の夫の背中はだいぶ丸くなってきてしまった

 

36歳のときに58歳男性と年の差婚

36歳のとき、58歳の男性と結婚したマリさん(45歳)。

「夫とは私が30代前半のころからの知り合いです。職場は違っていたけど、社会人としての先輩で尊敬できる人でした。すでにバツイチだったんですが、あるときふたりで飲む機会があって、話題も豊富だしとても楽しかったので、次は私が誘うようになって……。それでなんとなく付き合うようになったのが35歳のとき。私は結婚も考えていたけど、彼は『オレみたいな年寄りはやめておいたほうがいい』って。でもあのころの夫はかっこよく見えたんです。それで私が口説いたんです。一生、一緒にいたいと」

それでも彼には、そういうつもりはなかったようだ。だがその後、マリさんは妊娠した。避妊していたはずなのに、なぜか妊娠した。これは神様からの授かり物だとマリさんは確信し、さらに彼を口説いた。

「彼はもう結婚はこりごりだと言っていたんですが、子どもができたと伝えると、うーんと唸ったあと、うれしそうに笑顔を見せました。『本当に結婚でいいの?』と何度も聞かれました。当時、彼には前妻との間に28歳の息子がいました。前妻とは連絡をとっていないけれど息子とは仲がいいと言って、私を紹介してくれた。感じのいい息子さんでしたね。前妻にもまったく恨みつらみはないと言っていたし、『もう一回、子育てかあ』とうれしそうに言ってくれたんです」

その後、無事に娘が生まれ、夫は「この子が20歳になるまで頑張るよ」と仕事はもちろん、食べ物にも気をつけ、筋トレもするようになった。

「あんな格好させちゃダメよ」と母からの指摘

「私自身、夫のことが好きだったし、子どもの世話に忙しくて気にもとめていなかったのですが、夫は身の回りにあまりかまわない人なんです。古ぼけたジャージで近所をうろうろしちゃう。私の母が来たとき、『ただでさえ年上なんだから、あんな恰好させてちゃダメよ』と言われて、高価ではなくてもこぎれいなシャツと綿パンなどを着てもらうようにしました」

それでも夫が子どもの保育園に行ったとき、「おじいちゃんと一緒でよかったね」と言われたとひどく傷ついていた。子どもが少し大きくなって、一家で何度か近所のファミレスを訪れるようになった。

その後、マリさんが娘とふたりでそのファミレスに行ったとき、「おじいちゃんによろしくね」と言われて、マリさん自身、困惑したという。

「年をとっているだけでそういう言われ方をしてしまうのは、とても失礼ですよね」

ただ、世間はそう見ているのかとも実感した。

>65歳で2度目の定年をしたころから急に老け込んだ夫
 
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