亀山早苗の恋愛コラム

前妻と死別した年上男性と…交際5年で結婚した女性が「前妻さん」に勝てないと感じた理由

新卒で入った会社を人間関係がうまくいかずに辞め、つなぎのつもりでアルバイトをした居酒屋。ある女性(35歳)が、前妻を亡くしたという現在の夫との関係を話してくれた。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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パートナーと死別した男性と結婚した女性は……

パートナーと死別した男性と結婚した女性は……

昔、「生き別れには嫁いでも死に別れにはいくな」という未婚女性に対する言葉があった。相手と離婚した男性と結婚してもいいが、死別した男性とは結婚するなということだ。死別の場合、前妻に気持ちが残っていることが多いからだろう。  

彼は妻を亡くして

「私が彼に惹かれたんです」

ユウカさん(35歳)は、夫との関係を話し始めた。

「私、人間関係がうまくいかなくて、新卒で入った会社を28歳のときに辞めたんです。いくらか貯金はあったけど、そうそう休んでもいられない。心身ともにボロボロでしたけど、せめてアルバイトくらいしなければと焦っていました。田舎の実家には仕事を辞めたことは言ってなかった。言ったら『こっちに戻ってきて結婚しろ』と両親に言われるのはわかりきっていたから」

2カ月ほどのんびり過ごしたあと、いくつか面接を受けて居酒屋に決めた。時給は他とそれほど変わらなかったが、まかないがついていたからだ。これで一食分助かると彼女は思った。

「個人のお店だったので店主自ら面接してくれて。状況を話したらすごく共感してくれたんです。こんなに情に厚い人なら、私も一生懸命働ける。そう思いました」

週に4日、特に金曜と土曜はなるべく長い時間やってほしいと言われて、それも了承した。だが「無理しないように」と配慮してくれたのもありがたかった。

学生時代、居酒屋でアルバイトをしたことがあったので、ユウカさんはすぐに店のシステムに慣れた。陰日向なく働くのが彼女の信条。店主も喜んでくれ、3カ月後には時給を少し上げてくれた。

「もう少しこうしたら動きやすいとか、こうしたら効率的だとか、生意気だとは思うんですがと言いながら、店のためになることも進言しました。店主は『そういえばまだユウカさんの歓迎会もしてなかったよね。今度、時間とって。みんなで大歓迎会をするから』って。シフトの関係で日頃は会えないバイトさんたちも来て10人くらいで本当に素敵な歓迎会をしてくれました」

店主の過去

そのときに店主のことも話題になった。店主はユウカさんより7歳年上で、当時36歳。父親が急死したために、他店で修業をしていた彼が戻って店を継いだのは29歳のとき。結婚したばかりだったという。

古くからいる従業員が「きれいな人でね。愛想もよかった。料理の味はいいし、若い奥さんの愛想もいいしで、先代のとき以上に人気の店になったんですよ」と声をひそめた。

「それなのに2年足らずで奥さんが亡くなってしまったんですって。気づいたときにはもう手遅れという重病で。彼は店を閉めることも考えたけど、奥さんは店を続けてほしいと願っていたそうです。明るく振る舞っている店主にそんな過去があったなんて知らなかったから、せつない気分になりました」

子どももおらず、今も亡くなった妻を思いながら店に立っていると古参の従業員は話してくれた。

>店主との関係に変化が……
 
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