その次元と敵対する本作のオリジナルキャラクター、伝説の元殺し屋・アデルを演じるのは真木よう子さん。つらい過去を背負い、足は義足。車椅子生活ですが戦闘能力は高く、舞台となる泥魚街の美しいボスとして妖艶な魅力を放っています。
まずは本作の依頼があったときのお話から伺いました。
『次元大介』に出演、玉山鉄二さんと真木よう子さんにインタビュー
――玉山さんは実写映画『ルパン三世』(2014)でも次元を演じていますが、Amazon Original映画『次元大介』の出演依頼があったときのことから教えてください。玉山鉄二さん(以下、玉山):実写映画『ルパン三世』の撮影のあと、プロデューサーの方から「次元を主人公にしたスピンオフができたらいいね」という話がありました。次元が主役のOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』(2014)のような作品にしたいという話だったんですが、その後コロナ禍になり、この企画は2~3年、頓挫していたんです。
それでも粘り強く『次元大介』の企画を守り、実現させてくれたスタッフの皆さんには感謝しかありません。
――真木さんはいかがですか? 出演を決めた理由を教えてください。
真木よう子さん(以下、真木):『ルパン三世』のスピンオフで、リアリティーよりもファンタジー的な要素が強い作品。単純に「面白そう!」と思いました。表現方法も何でもありだと思いましたし、アデルは怖い女なので「演じてみたい」と思い決めました。
アデルの存在感が強烈!
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玉山:真木さんはアデルにハマっていましたね。アデルの声は機械音声なので独特だし、足に障害があり義足ですが、過去の痛みを自分の軸として生きている感じが伝わってきました。
アデルの精神と肉体の強さは、世界トップレベルのガンマンである次元の敵としてバランスが良いと思いましたし、実際に完成した作品を見て、アデルの存在感を強烈に感じました。
真木:次元とアデルはそれほど一緒のシーンはないのですが、一番の見せ場である後半のバトルシーンの絡みが印象深いです。アクションシーンの次元がカッコよかったです。
どんなに激しい闘いでもクールな次元を意識しました
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玉山:僕は撮影の数カ月前からアクションチームとトレーニングをしました。次元は力と力でぶつかり合う肉体を使ったアクションのイメージはなく、表情が歪んだり、汗が吹き出たり、闘志がメラメラしたりというのは、次元大介らしくない。そんな僕の解釈をアクションチームには伝えました。
撮影現場でも、監督とお互いにアイデアを出し合って、すり合わせながらアクションシーンを作り上げていきました。監督は柔軟な方で、僕のアイデアも取り入れてくれたのでうれしかったです。
アクションシーンはまばたきをしない
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真木:アクションの型は決まっていたので、それに動きを合わせていきました。アクションシーンで気を付けたのは「絶対にまばたきをしないこと」。
スローモーションになったとき、まばたきしてしまうと、ビジュアル的にかっこ悪いので。表情を変えずにバンバン殺していくスタイルでアデルの怖さを際立たせました。
玉山:アデルの車椅子のガンアクション、すごくカッコよかったですよ。斜めになって表情一つ変えずに銃を撃つシーンなど新しいアクションだと思いました。
真木:車椅子だからこそできる、面白いアクションでしたね(笑)
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真木:最初は金髪のショートヘアという話だったのですが、ピンと来なかったんです。アデルは無国籍な感じで、正体が分からない謎めいた女性なので、カツラをかぶったり、カラコンをつけたりして、いろいろ試した結果、イメージにピタッとハマった金髪ボブのアデルに決まりました。
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