教師を退職後、60代でアメリカ大学留学に挑戦した小林紀代子さん |
そして、教師を退職した春、NIC International College in Japanに入学して18歳のクラスメート達と共に1年間の留学の為のハードな、しかも有意義な勉強をし、翌年6月にアメリカのサンタモニカカレッジに留学。ESLを経て、大学院編入の為の一般教養科目を取得後、現在は東洋医学の大学院であるサウスベーロ大学で学んでいます。
なぜ留学をしようと思ったのですか?
私は6歳で実母と死別し、すぐに他家へ幼女に出され、また4年後にまた実家に戻るという経験をしました。3人の母と2人の父を持つことになったのですが、この母たちが繊細で病弱な少女だった私を、薬草や灸などの漢方による治療で癒してくれ、現在の丈夫な体にしてくれたとの感謝の思いがありました。そのため、「退職後は本格的な東洋医学全般の勉強をしたい。その為にはアメリカ留学が必要だ。」と考え、50代初めの頃から、仕事の傍ら、英語の語学準備を開始していたのです。
実際に留学してみて、留学生活はいかがですか?
嬉しい事に、NICでの一日12時間以上の勉強の習慣がしっかり身に付いていたので、短大と大学院での勉強漬けの日々は苦にならず、むしろ、エンジョイしながら学べています。サンタモニカカレッジ時代のESLと一般教養の科目を通して、大学院でのエッセイ作成やプレゼンテーションの準備なども大変役に立っており、無駄ではなかったと実感しています。
また、昨年の冬からインターンとして、大学のクリニックで、針灸をはじめ、様々な東洋医学での治療の訓練をしており、本場中国からの経験豊かな教授や、西洋と東洋の両者に優れた医学者など、すばらしいドクターたちに囲まれ、また、研究熱心な先輩のインターンたちから、医学的に奥の深い実践的で効果的な治療方法を学ばせて頂いております。
毎日が初めて知る新しい発見と深い人間の存在への驚きに満ちており、70年間の私の過去の歴史の中で遭遇した日本での様々な病気を思い返しながら、その一つ一つの原因や症状の意味、また、それらに対する東西の医学の治療の違いなどの理解が深まるにつれて、さらに医学に道を究めてみたいと願うようになりました。