児童扶養手当とは?
児童扶養手当とは、離婚もしくは保護者の死亡などによって「ひとり親世帯」となった児童を対象に支給される手当のことです(平成22年8月より父子家庭も対象)。対象になる児童とは、18歳になってから最初の3月31日までの児童(*1)であり、その子を監護(*2)し生計を同じくしている父もしくは母、または養育している祖父母などに手当が支給されます。
*1:障害児の場合は20歳未満
*2:子どもの生活について社会通念上必要とされる監督・保護を行っている(簡単にいうと、面倒をみている)こと
児童扶養手当の金額は?
児童扶養手当には「全部支給」と「一部支給」があり、児童の数によって金額が変わります。また毎年金額は改定されており、令和5年4月現在の金額(月額)は以下の通りです。○児童1人の場合
全部支給……4万4140円
一部支給……4万4130円~1万410円
○児童2人目の場合の加算額
全部支給……1万420円
一部支給……1万410円~5210円
○児童3人目以降の加算額(1人あたり)
全部支給……6250円
一部支給……6240円~3130円 例えば、全部支給で児童が2人の場合、4万4140円に1万420円を加算した5万4560円が支給額(月額)となります。
児童扶養手当には所得制限があります
前述の通り児童扶養手当には「全部支給」と「一部支給」があります。違いは所得制限によるものであり、受給資格者(父または母、養育者)の所得に応じて「全部支給」「一部支給」が決まります。なお、受給資格者の所得が一部支給の所得制限限度額以上の場合や、生計を同じくしている扶養義務者(直系血族および兄弟姉妹など)が所得制限限度額以上の所得を得ている場合は、手当自体が支給停止となります。 例えば扶養している児童が1人の場合であれば、受給資格者(父または母、養育者)の所得が87万円未満の場合は全部支給され、87万円以上230万円未満の場合は一部支給されます。また受給資格者の所得が230万円以上の場合や扶養義務者(直系血族および兄弟姉妹など)の所得が274万円以上だと、手当自体が支給停止となるわけです。
所得制限限度額表の扶養親族数「0人」とは、例えば離婚後も子どもは父親の扶養となっているまま、母親と2人で生活している場合などを指します。
児童扶養手当は児童手当とは異なります
よく児童扶養手当と混同されがちな手当に「児童手当」があります。「児童手当」とは、中学生以下(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の子どもがいる人に、子どもの年齢に応じた一定額が子の人数分支給される制度です。子どもが3歳未満であれば1万5000円、3歳以上小学校修了前であれば1万円(第3子以降は1万5000円)、中学生には一律1万円、親の所得が制限限度額以上であれば一律5000円が支給されている手当です。(2023年10月現在。児童手当の内容は今後見直しをされる可能性があります)つまり児童扶養手当と「児童手当」は別の制度であり、それぞれ要件を満たしていれば併給することも可能です。
〈参考〉
・児童手当
児童扶養手当の受給で注意する点は?
ひとり親世帯にとって非常にありがたい児童扶養手当ですが、以下の場合は注意が必要です。○養育費をもらっている場合
離婚した相手から養育費をもらっている場合、養育費の8割相当を申請者の所得に加算して申請する必要があります。その上で児童扶養手当の「全部支給」「一部支給」「支給停止」が判断されます。
○再婚した場合
児童扶養手当は「ひとり親世帯」の生活の安定と自立支援を目的とした制度です。再婚すると受給資格がなくなり、受給資格喪失届の提出が必要です。
○事実婚の場合
法律上の婚姻関係がなくとも、いわゆる事実婚(同居の有無は問わず、頻繁な定期的訪問や生活費の援助など)の場合は、児童扶養手当の受給資格がなくなります。判断に際しては、認定に必要な範囲で事情の聞き取りが行われたり、書類の提出を求められたりすることがあります。
まとめ
今回は児童扶養手当について解説してみました。前述のように「児童扶養手当」は、「児童手当」とは全く別の制度であり、併給することが可能です。対象となる方は忘れずに申請されることをお勧めします。また、児童扶養手当を受給している方は毎年8月に「現況届」を提出しなければなりません。これは受給資格があるかどうかの現況を確認するための書類です。提出時期が来ると各市区町村からお知らせが届きますので、案内に従い期日までに必ず書類を提出してください。
〈参考〉
・東京都福祉局 児童扶養手当
・かすみがうら市 保健福祉部 かすみっ湖