そのZ世代のデジカメブームの裏側を探りながら、少し前の世代のデジカメをこれから購入する場合のポイントなどを紹介していきます。
なぜ、Z世代がデジカメに惹かれるのか
筆者はフィルムカメラ時代に写真を学んでプロカメラマンになった世代なので、Z世代の気持ちを代弁することは到底できません。しかし、1つ共通して言えることがあります。それは、どの世代も自分が生まれる前のカルチャーや流行した出来事などに、興味を示したり憧れを持ったりすることはよくあるということです。昭和に流行した歌謡曲がZ世代にじわりと人気が出てきているのもそのひとつといえるでしょう。
スマホのカメラしか使ってこなかった世代にとっては、撮影自体失敗をすることも少ないでしょうし、もはやシャッターを押すという体験すらない場合もあるわけです。そのような世代にとってみればデジカメはアナログ感も残っていますし、操作の1つ1つが彼らには新しい体験になるのでしょう。
誰しも新しい趣味を覚えていく過程は楽しいものです。さらに画素数が低い画像もどこかぼんやりとシャープさに欠けている、それがまた新鮮に感じる。これらを含めて「エモい」と表現し、昔のデジカメって面白いよね、という流れになっているのではないでしょうか。
Z世代が感じるデジカメの魅力
デジカメとはデジタルカメラの総称なので、スマホにあるカメラ機能もデジカメのひとつということになります。ただ、この記事ではコンパクトデジタルカメラをデジカメと称するということで進めていきます。・魅力1. デザインを楽しめる デジカメの魅力のひとつはそのデザイン、サイズなど形にあります。手のひらに収まる小型のサイズだったり、デザインに人気がある機種があったり。今見てもカッコいいと感じるスタイルのデジカメは少なくありません。実際にカメラのデザインを眺めて楽しむという趣味もあります。
・魅力2. 操作感と画質 カメラの本質的な部分では、カメラの操作設定をして撮影できるマニュアル操作感という部分もあげられます。スマホのカメラでも撮影設定は可能ですが、デジカメではボタン操作など、モノを操っている感覚などはスマホの画面設定では味わえない醍醐味(だいごみ)といえるでしょう。
そして一番Z世代に受けていると思われる点は、デジカメで撮れる画質です。スマホで撮れる高画質の写真と比べると見劣りする、低画質の味ともいえる部分に面白みを感じているのではないでしょうか。フィルムカメラの時代にも、あえて粗い粒子の高感度フィルムで撮影したりハイコントラスト調で作られた作品なども見かけたりしました。
はっきりと写らないという特徴を生かすには、低画質の古いデジカメで撮影するのは最適なわけです。
中古デジカメを選ぶときの注意点
さて、古いデジカメをこれから入手する際にポイントをいくつか挙げておきます。古いデジカメを購入するほとんどの場合は、中古品から選ぶことになると思います。まず、チェックしたい項目としてはカメラが起動し撮影できるのかという点です。
中古品を扱うカメラ店で購入する場合は、カメラの起動撮影については確認したものが売られているはずです。または、故障個所があれば明記もされている場合が多いです。信頼のおける中古カメラ店で購入するのが最も安心して購入できる方法といえます。
しかし、ネットオークションやフリマアプリを介しての購入時には、きちんとカメラが起動し撮影できるのかについて事前に確認をしておくことをおすすめします。
・メモリーカードの種類 次にチェックするポイントは、メモリーカードの種類についてです。
古いデジカメでは、現在ほとんど使われていない種類のメモリーカードが搭載されていることがあります。カメラが起動できて、メモリーカードもあれば撮影は問題なくできます。しかし、撮影後のデータの取り込みや新たにメモリーカードを購入するときに問題が生じる場合があります。できれば現行品であるSDカードを使用できる機種を選んだ方が扱いやすいでしょう。
・バッテリーのチェックも忘れずに そして、バッテリーの入手方法についても確認しておきましょう。
古いデジカメについているバッテリーは、消耗度が激しいか使用不可のものが多いです。年数が経過していますから、バッテリーは新たなものを入手しておきたいですが、純正メーカー製のバッテリーはすでに製造中止になっていることがほとんどです。
この場合は、サードパーティー製の互換性バッテリーで補うことか可能です。しかし、特殊な機種だと互換性バッテリーですら入手困難なものもあるかもしれません。入手するデジカメが決まったら、バッテリーの種類を確かめて、それが現在でもサードパーティーのメーカーなどから入手できるものか確認しておいた方がいいでしょう。
古いデジカメでもきちんと起動するものであれば撮影は可能です。最新のカメラではなくても写真撮影は楽しめます。Z世代に限らず、かつてのデジカメを今一度手にしてみるのも写真撮影の楽しみ方のひとつですね。