1:『1秒先の彼』(2023年7月7日公開)
台湾映画『1秒先の彼女』を宮藤官九郎が脚色し、山下敦弘監督が演出した爽やかなラブコメディー。郵便局員のハジメ(岡田将生)はせっかちな性格で、なんでも他人より1秒早く行動してしまいます。ある日、ストリートミュージシャンの女性と仲良くなり、デートの約束をしたものの、朝目覚めたら約束の日を1日過ぎていました。その原因は、毎日郵便局にやってくるレイカ(清原果耶)にあったのです。
前半はハジメのせっかちエピソードや一目惚れの恋を描き、デートに失敗して以降は、不思議な現象が起こった原因とレイカの秘密が描かれていきます。とてもユニークな設定で非現実的ながら恋心にリアリティーがあり、気持ちよく感動できる良作です。
監督:山下敦弘
2:『CLOSE/クロース』(2023年7月14日公開)
第75回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したフランス映画。大親友の少年ふたりの友情が思春期の訪れと共に崩壊していく様を描いた作品。13歳のレオ(エデン・ダンブリン)とレミ(グスタフ・ドゥ・ワエル)は、いつも一緒の大親友。同じ中学校に入学したふたりですが、クラスメイトから「仲いいよね。付き合っているの?」とからかわれると、レオは他者の視線を気にしてレミと距離を置くように。その行動がレミを傷つけてしまうのです。
他人から「変」と思われることを恐れ、浮かないように行動するレオ。その行動がレミを傷つけていることを知りつつも、子ども社会からはみ出さないように行動するレオの気持ちはわかる。でも突然距離を置かれて傷つくレミを思うと胸が痛くなります。友情の行く末が切なくて涙……。誰もが経験する思春期の苦い思いを描いた感動作。
監督:ルーカス・ドン
3:『ヴァチカンのエクソシスト』(2023年7月14日公開)
ヴァチカンに実在した悪魔祓い師(エクソシスト)・アモルト神父の回顧録を映画化したオカルトホラー作品です。アモルト神父(ラッセル・クロウ)は、ローマ教皇(フランコ・ネロ)から、ある少年の悪魔祓いを依頼されます。アモルトの過去を言い当てる不思議な少年と対峙した神父は、悪魔の真意を探るため、ある修道院へ。その地下に眠っていたのは……。
背筋がゾゾっとする正統派のオカルトホラー。アカデミー賞俳優のラッセル・クロウが熱演しているので怖さ倍増! 1974年公開のオカルトホラーの傑作『エクソシスト』と比較して見るのも楽しいかも。恐怖で暑さをしのぎましょう!
監督:ジュリアス・エイヴァリー
4:『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(2023年7月21日公開)
トム・クルーズ主演の人気シリーズが帰ってきました。今回、イーサン・ハント(トム・クルーズ)が立ち向かっていくのは全人類を脅かすミステリアスな新兵器! それをめぐり命懸けの闘いが始まります。情報機関・IMFエージェントのイーサンは、ある新兵器に関係するアイテムの行方を追っていました。その新兵器は全人類の脅威となるため、ある人物が手に入れようと躍起になっているのです。イーサンはその人物と闘いながらも、自身を捉えることに執念を燃やす工作員とも対峙しなければならず、世界各地で攻防を繰り広げます。
2時間半超えの長尺ですが、全くだれることなくハイスピードで場面が展開していきます。空港での追跡劇、ベネチアでのカーチェイス、オリエント急行内での命懸けのファイトなど、息つく暇もありません! トムの捨て身のアクションも最高ですし、シリーズに復帰したキャラ、新キャラもみんな魅力的。夏休みの大本命映画、文句なしの面白さ、激推しです!
監督:クリストファー・マッカリー
5:『キングダム 運命の炎』(2023年7月28日公開)
人気漫画「キングダム」の実写映画化第3弾。「天下の大将軍」を目指す信が、泰の若き王・嬴政(えいせい)と共に夢に向かって突き進む姿を描いた人気シリーズ。今回は新たなキャラも加わり、パワーアップした壮大な作品になっています。秦国に敵意を燃やす隣国・趙の軍隊に突然攻められた秦の王・嬴政(吉沢亮)は総大将として王騎(大沢たかお)を迎えます。王騎は信(山﨑賢人)に100人の軍隊を与えますが、隣国の軍隊は2万人! 信は不利な状況ながら、決して負けられない闘いに挑むことになるのです。
第1作目、2作目のキャストが大集合した豪華な布陣が信の闘いを大いに盛り上げています。さらに山田裕貴、杏という新キャストも登場し、新たなエピソードがまた胸熱! 第1作目と2作目を見てから鑑賞するとさらに楽しめますよ。
監督:佐藤信介