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急増する犯行。SNSで募集される「闇バイト」を見分けるポイントは?

昨今、SNSでの闇バイト募集が増えています。闇バイトに応募すると特殊詐欺に加担させられ、逮捕される羽目になります。募集投稿にはどんな特徴があるのか、見分けるコツや応募してしまった時の対処法までご紹介します。

高橋 暁子

執筆者:高橋 暁子

ITリテラシーガイド

SNSで横行する「闇バイト」

SNSで横行する「闇バイト」

TwitterやInstagramなどのSNSでは、さまざまな闇バイトが募集されています。

被害者からキャッシュカードなどを受け取る「受け子」、ATMで現金を引き出す「出し子」、強盗をする「たたき」、口座売買、運び屋など、さまざまなものがあります。全て特殊詐欺の片棒を担がされ、罪に問われる行為です。

「知らなかった」では済まされません。

この記事では、SNSで横行する「闇バイト」募集の特徴や見分け方について解説します。
<目次>

“使い捨ての駒”として利用される闇バイト 

ある人は、600万円という高収入を提示され、闇バイトに応募。ロレックスなどの貴金属強盗などを行い逮捕され、手にしたお金はゼロ。懲役10年を求刑されました。
 
特殊詐欺の実行役をSNSで募集する理由は、使い捨てにできるからです。SNSでやりとりをしているので指示役の正体や連絡先は知らないため、実行役のバイトが逮捕されて終わることが多いのです。

闇バイトに勧誘される中高生が急増 

闇バイトをしてしまい、犯罪に加担して検挙される容疑者は低年齢化しています。

昨年、警察に逮捕・書類送検された20歳未満の少年は477人で、前年より44人(10.2%)増えました。そのうち、中高生が3割を占めます[※1]。SNSをきっかけに特殊詐欺の実行役となり、その人物が学校の後輩などを誘い、広がっていくことも多いのです。

愛知県警と名城大の学生が合同で、市内の高校生1000人を対象に「闇バイト」に関するアンケートを実施したところ、男子生徒のうち、50人に1人に当たる2%が「勧誘を受けたことがある」と答えたと発表しています[※2]。
 
若者の多くはSNSを長時間利用しており、募集を見かけるリスクは大人より多くなります。趣味だけでなく、勉強やアルバイトなど、何でもSNSで検索するという若者は少なくないため、SNSで高収入のバイトを検索して闇バイトの投稿を目にしてしまうのです。

闇バイトの“あるある”な募集文言

 闇バイトの募集投稿には、とあるパターンがあります。
 
必ずと言っていいほど「#高収入」「#高収入バイト」「#副業」「#副業主婦」「#お小遣い稼ぎ」「#日払い」など、お金を稼ぎたい人に向けたハッシュタグがつけられています。
 
同時に「年齢不問」「未経験歓迎」「全国で募集」「在宅ワーク」「スマホだけ」「即日即金」「安心安全」「サイト登録不要」「稼げるまでサポート」など、都合の良い文言が並びます。
 
「ママOK」「子どもが小さくてもOK」「副業主婦」などの子育てで仕事がしづらい主婦層を狙ったもの、「中学生副業」「中学生からOK」「親バレなし」「口座不要」など学生を狙ったものもあります。「推し活」「グッズ代・チケ代・コスメ代に」など、お小遣いが足りない人向けの文言も目立ちます。
 
ターゲットに合わせて、若い主婦や子どもの写真を使って安心させるもの、札束、口座、ブランド品などの写真を使ったものも多くみられます。

闇バイトの見分け方

 闇バイトを見分けるポイントは以下のとおりです。
 
・1日5~10万円などの高収入かつ即支払いをうたっている
・「荷物を取りに行き運ぶだけ」「お金を引き出すだけ」など仕事内容が詳しく書かれていない
・受け、出しなどの隠語が使われている
・履歴書や面接などが不要、即採用される
・詳細はDM、あるいはTelegram(テレグラム)やSignal(シグナル)などの秘匿性の高いアプリを使う
 
高収入にもかかわらず、採用条件が緩かったり、仕事内容が具体的に明記されていなかったりする時点で怪しい求人だと考えるようにしてください。
 
DMなど、クローズドな環境でやりとりをしたがるのは、甘い言葉で丸め込みやすくするためです。TelegramやSignalでのやりとりは、メッセージのやりとりが暗号化されるためプライバシーが強固に担保され、また一定時間たつとメッセージが消去される機能もあり、特殊詐欺などの犯罪に悪用されがちです。

このようなアプリでのやりとりを求められたら怪しいと思うべきでしょう。

大手求人サイトでも闇バイトの募集が……

「闇バイトに巻き込まれないためには、SNSで仕事を探さなければいい」と思う人もいるかもしれませんが、実は大手求人サイトにも掲載されていることがあります。
 
過去にとある大手求人サイトで、高収入をうたい「ハンドキャリー」「回収」のアルバイトと称して、闇バイトが募集されていた例もあります。詐欺グループはダミー会社の名前を用い、審査をパスしていたとのことです。
 
つまり、意図して闇バイトを探すのではなく、普通の仕事と思って応募して、知らぬうちに犯罪に巻き込まれている例もあるのです。

この世に、うまい話などありません。このような闇バイトに手を染めても、報酬は手に入らず、重い罪に問われるだけです。仕事やバイトを探す際はSNSではなく、求人サイトなどを使うようにしましょう。気になる仕事を見つけた場合には応募する前に、周囲の信頼できる大人に相談し、客観的な意見を求めるといいでしょう。

「闇バイトかも?」と気づいたら

闇バイトに応募すると、「お金を持ち逃げされたら困るから」などの理由で、運転免許証などの身分証明書や、実家の住所や連絡先などを要求されます。途中で闇バイトと気づいて逃げようとしても「身分証明書をばらまくぞ」「家族がどうなってもいいのか」と脅される可能性もあります。

しかし、特殊詐欺は重い罪に問われる行為であり、被害者も生まれます。犯罪に手を染める前に、必ず手を引いてください。

万一、闇バイトに申し込んでしまったと気が付いたら、最寄りの警察署や警視庁総合相談センター、またはヤング・テレホン・コーナーに相談するようにしてください。

>警察署一覧はこちら
>警視庁総合相談センターはこちら
>ヤング・テレホン・コーナーはこちら


【参考記事】
[※1]令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)
[※2]名城大学ボランティア協議会(ボラ協)公式Twitter
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
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