ところで、海外を訪れる際に気になるのがトイレ事情ではないでしょうか。特に、急いでいるときに見慣れないトイレに出合うと困惑してしまいますよね。そこで今回は、タイ・バンコク在住17年の筆者が「タイのトイレ事情」をご案内します。
都市部に多い「洋式トイレ」
タイのトイレは大きく分けて2種類あります。1つ目は、日本でもおなじみの「洋式トイレ」。首都バンコクのホテルやデパート、ショッピングモール、地方のインターナショナルホテルには、このタイプが設置されています。たまに、個室にトイレットペーパーが設置されていないこともありますが、その場合はトイレの入り口、または洗面台付近に大きなペーパーロールが設置されているはずです。使う分だけ先に取って、個室に入りましょう。
新しいホテルやデパートのトイレはインテリアデザインにもこだわっていて、夜景を一望できるトイレや、広々としたパウダールーム付きのトイレもあります。
トイレットペーパーは流さず、ゴミ箱に捨てる
洋式トイレでも注意したいのは、タイでは基本的に「トイレットペーパーは流せない」ということ。デパートやホテル、外国人向けコンドミニアムにあるような水圧が高いトイレでは流せる場合もありますが、一軒屋のレストランやタウンハウス、古いビルなどでは「紙を流さないでください」と注意書きがあることがほとんどです。その場合は、個室に置いてあるゴミ箱に捨てましょう。
中には「トイレが詰まったら罰金!」というお店もあります。注意書きがなくても、個室にゴミ箱が設置してあったら流さない方が無難です。
郊外や地方に多い「しゃがむタイプ」のトイレ
2つ目は「しゃがむタイプ」のトイレ。 このタイプのトイレでは、用を足した後、隣にあるバケツの水を手桶ですくって、便器に流します。手動水洗トイレといった感じですね。きれいになるまで何度か流しましょう。トイレットペーパーは設置されていないことが多いので、持参したティッシュを使用しゴミ箱に捨てましょう。
パタヤなどの郊外に行く際にガソリンスタンドを利用すると、このタイプのトイレに出合うことが多いでしょう。スタンド内にコンビニがあるので、そこでティッシュを購入することもできます。また、バンコクでも、中心から少し離れたナイトマーケットやお寺などにはこうしたトイレが設置されていることがあります。
観光地では有料になる場合も
筆者は地方の観光スポットでトイレに入ろうとしたら、有料だったことが数回あります。入口にいる徴収係の人に5バーツ(2023年7月10日時点で約20円)程度を払ってから利用しましたが、有料だけあって清掃は行き届いていました。トイレットペーパーの有無は、利用の前に確認しておくとよさそうです。
洋式トイレにある「ハンドシャワー」は何に使う?
タイの洋式トイレには、ほとんどの場合「ハンドシャワー」が付いています。
実はタイでは、用を足した後、水で汚れを洗い落とすのが一般的。むしろ「紙で拭くなんて汚らしい」と思っている人も多いくらいです。洋式トイレならハンドシャワーで直接、しゃがむタイプのトイレならバケツの水をすくってお尻を洗います。ちなみに、洗った後はそのまま“自然乾燥”という人が多いよう。
とはいえ、タイは外国人観光客も多い国。水洗いを強要することはできませんから、都市部のトイレは基本的にトイレットペーパーが設置されています。
タイ語で「トイレはどこですか?」は何と言う?
最後に、タイ語でトイレの場所を聞く表現を覚えましょう。
「ホン(部屋)・ナーム(水)・ティナイ(どこ)・カ?(男性は「カップ?」)」
直訳すると、「水の部屋はどこですか?」です。語彙が少ないといわれるタイ語ならではの表現ですね。