臨時特別給付金の概略は?
臨時特別給付金の正式名称は「電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金」であり、昨今の電力・ガス・食料品等の負担増を受け、お住まいの自治体が住民税非課税世帯等に対し1世帯あたり3万円の現金を支給するものです。支給の対象となるのは、基準日に自治体に住民登録のある住民税非課税世帯とされており、基準日は自治体によって異なります。例えば福岡市や北九州市は令和5年5月1日、名古屋市や新居浜市は令和5年6月1日が基準日とされています。
住民税非課税世帯とは?
住民税非課税世帯とは世帯の全員、「住民税の均等割」が非課税の人で構成される世帯のことを指します。住民税にはその方の所得に応じて負担する「所得割」と、所得に関係なく負担する「均等割」がありますが、非課税となる基準は「均等割」の方が低いため、それを満たせばその方は住民税非課税といえます。なお住民税の「均等割」が非課税となる基準は各自治体によって異なり、お住まいの市区町村がどの級地区分(1級地、2級地、3級地)に該当するかによって非課税相当限度額が変わります。 1級地である東京都の各区を例に挙げると、単身者の場合は所得45万円以下(給与収入だと100万円以下)、配偶者がいる場合は所得101万円以下(給与収入だと156万円以下)、配偶者と子ども1名がいる場合は所得136万円以下(給与収入だと205.7万円以下)が非課税相当限度額となっています。
お住まいの市区町村がどの級地区分に該当するのか、住民税均等割非課税相当限度額がいくらなのかは各自治体に確認してください。
対象と思われる世帯には自治体より書類が届きます
今回の給付金の対象となると思われる世帯には各自治体より、令和5年度電力・ガス・食料品等価格高騰支援給付金に関する「支給のお知らせ」「支給決定通知書」「申請書」「確認書」(*)といった内容の書類が送付されます。なお令和4年度も同給付金の支給対象となった世帯には「支給のお知らせ」や「支給決定通知書」が届くのみで、返信せずとも支給される自治体もあれば(北九州市、名古屋市、新居浜市など)、送付された「確認書」をもとに返信やオンラインでの提出が必要な自治体など(福岡市など)各自治体によって必要な手続きは異なりますので、書類が届いた方は必ず内容を確認の上、その指示に従ってください。
*書類の名称は各自治体により異なります
家計急変世帯は対象になる?
家計が急変し住民税非課税世帯と同様の状況となる、いわゆる家計急変世帯は給付金の対象となるのでしょうか。このケースに関しては自治体によって対応がまちまちであり、福岡市や北九州市、名古屋市は支給対象としている一方で新居浜市などは支給の対象とはされていません。また支給対象としている自治体でも収入減少の判断とされる月には幅があり、福岡市や北九州市は「令和5年1月から9月までに収入が減少」とされている一方、名古屋市は「令和5年1月から8月までの収入が減少など」となっています。
税法上の扶養に入っていても支給される?
住民税非課税世帯となる方の中には、例えば都会に住む子どもの税法上の扶養に入っている方もおられるかと思いますが、そのような方が世帯にいる場合は給付金の対象にはなるのでしょうか。このケースに関しても各自治体で対応がまちまちであり、北九州市は給付金の支給対象とされている一方で、福岡市や名古屋市などは、その世帯の全員が扶養に入っている場合は今回の給付金の支給対象とはされていません。
まとめ
電気・ガス・食料品の価格上昇は家計を圧迫し、特に低所得の方にとって臨時給付金の支給は大変ありがたいのではないでしょうか。ただ今回の給付金は「住民税非課税世帯に3万円」とされている以外、詳細については各自治体によって支給要件や申請方法、支給のタイミングなどがかなり異なる印象です。お手元に書類が届いた方については必ず内容を確認し、その指示に従うことはもちろんですが、書類の届かない方でも対象かもしれないかと思われた方は、お住まいの自治体のホームページを確認し、場合によっては問い合わせされることをお勧めいたします。
〈参考〉
福岡市ホームページ
名古屋市ホームページ
北九州市ホームページ
新居浜市ホームページ
内閣府 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金に関するよくあるご質問
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