対話型AIに同じ質問をしたら回答はどう違う？ 「ChatGPT」「Bard」「Bing AI」を比較

OpenAIが公開した対話型AI「ChatGPT」が注目を集めていますが、これに負けじとGoogleやMicrosoftも対話型AI分野に参入し始めました。対話型AIとは、大量のテキストを学習し、人間の質問に対し、自然な会話形式で回答をするものです。テキストを作る、言語を翻訳するなどのほか、さまざまな種類のクリエイティブなコンテンツを作成して、質問者に回答をします。

続々と登場する対話型AI

対話型AIの先駆け的存在が、ChatGPTです。従来のWeb検索とは異なり、「日本がワールドカップで優勝する方法は？」といった、より人間同士の会話に近い形で質問に答えてくれます。

参考：話題のAI「ChatGPT」は、本当に何でも答えてくれる？ 理不尽なことも聞いてみたら……
 
Googleの「Bard」、Microsoftの「Bing AI」といったChatGPT以外の対話型AIも続々と公開されています。

参考：Googleの対話型AIサービス「Bard」とは？ 社会はどう変わるのか
参考：「ChatGPT」のAI技術を統合！ マイクロソフトの新「Bing」「Edge」はどんなもの？

これら3つの対話型AIは、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。同じ質問に対する回答の違いから検証してみたいと思います。
 

最新の情報を質問してみた

3つの対話型AIに、「昨日のプロ野球の結果は？」という質問をしてみました。
 
・ChatGPTの回答 ・Bardの回答 ・Bing AIの回答 ChatGPTは最新のデータをリアルタイムで取り込んでいるわけではないため、最新の情報は持っていません。

Bing AIの回答もニュースサイトのリンクを貼るだけであり、最新の情報を取り込んでいないことが伺えます。

BardはGoogle検索を通じて世界中の情報をリアルタイムで処理しています。そのため他2つのAIとは異なり、試合結果を回答しています。ただし、回答内容は間違っており（おそらく別日の結果を反映している）、精度はまだ高くありません。最新の情報を正確に反映できるようになれば、Bardは他のAIより抜きんでた存在になるでしょう。
 

 一般知識について質問してみた

続いて、「日本の政治の仕組みを子ども向けに分かりやすく教えて」と聞いてみました。

・ChatGPTの回答 ・Bardの回答 ・Bing AIの回答 AIでは人間同士の会話のように「分かりやすく」「子ども向けに」などと強調して質問できることが強みです。

この点を反映できているかどうかで評価すると、ChatGPTは用語の意味を解説しながら、上手くまとめて回答しているため、分かりやすい回答になっていると感じます。

Bardは分かりやすさ、内容の充実の点でChatGPTほど優れていないように思えます。Bing AIは回答が短すぎ、レイアウトも読みにくく感じます。
 

生活にかかわる質問

最後に、「疲労回復に効く食べ物を教えて」に対するそれぞれの回答です。
 
・ChatGPTの回答 ・Bardの回答 ・Bing AIの回答 どのAIも疲労回復に効く食べ物をリストアップしていますが、こうした質問に対する回答として最も有用に感じたのはBing AIです。

Bing AIは回答と併せてその回答のソースとなったWebサイトを提示するため、Webサイトに飛んでさらに情報を収集することがスムーズにできます。

また、「疲労回復に効く飲み物は何？」といった類似する質問を表示するため、質問者本人の思いつかない質問まで提示してくれることがあります。
 

AIにはそれぞれの強みがある

以上から、ChatGPT、Bard、Bing AIにはそれぞれの強みがあることが分かります。

• より人間的な柔軟な回答を求めるならChatGPT
• 最新の情報について質問するならBard（ただし精度はまだ低い）
• ソースの提示が必要ならBing AI

用途に合わせて、それぞれのAIの強みを活かしながら使用することをおすすめします。


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