転職のノウハウ

「ボーナスもらって退職」は正当な権利でも、「もらわず辞める」が吉なケースも? 悩む転職タイミング(2ページ目)

毎年6月と12月になると、ボーナスをもらって会社を辞める人、もらう前に辞める人の両方を見る。前者の方がお得な感じもするが、後者を選ぶ人もいる。自分が納得する会社の辞め方をしたい人へ、ボーナスのもらい方と放棄する場合の損得勘定について、人材コンサルタントが解説する。

小松 俊明

執筆者:小松 俊明

転職のノウハウ・外資転職ガイド

ボーナスを諦めないといけない状況になったらどうする?

ボーナスは、過去の査定期間の評価に対する報酬であるので、原則として堂々ともらって辞めるということで誰しもいいわけであるが、それでもボーナスをもらって辞めるか、その前に辞めるか迷う人は後を絶たない。ボーナスをもらって辞めるのが恥ずかしい、気が引けるという人の場合は、そうしていただくしかないことになるが、別の理由でボーナスをもらう前に辞めることを考える人はどのような事情があるのだろうか。

転職のタイミングは、自分なりに理想的なタイミングを設定できることが多い。例えばボーナス基準日に会社に在籍し、それ以降に退職日を設定する場合もそうである。

ただし、中には転職先から入社を急いでほしいとの要望を受ける人もいる。その場合、ボーナスを受け取れなくなるわけだが、それは本来もらえるはずの報酬であることから、まずは新しく転職する会社に相談してみるのがいいだろう。通常は、入社日を遅らせることを認めてくれるものだ。もちろん例外もあるが、例えば外資系企業の採用などでは、本人がもらうべきボーナス分を補填してでも早く入社させるケースもある。

大事なことは、新しい会社に誠実に相談をしてみることであり、辞める会社とも会社のルールに沿って冷静な対話をすることである。もらえるはずのボーナスを諦めることは、後になって後悔することが多いし、新しい職場でそのような複雑な感情を持って働き始めることはあまり望ましくないだろう。
 

ボーナスの損得勘定は、長期的視野を持って総合的に評価するべき

転職時にはボーナスをもらって辞めたほうが良いが、ものごとはタイミングが大事だということも考慮されたい。良い転職を実現するチャンスが訪れたのが、たまたまボーナス基準日や支給日と合わないということは、誰にも起きうることである。その場合、転職の本来の目的に翻って考えてみるといいだろう。通常転職するときは新しい仕事へのチャレンジが主たる目的であり、自らの環境を変えることでもある。待遇や役割の改善も期待できるかもしれない。要はチャンスを掴むということである。

お金は後にも稼ぐことができるし、節約で補うこともできる。しかし、チャンスは、あとになってから得られるかは分からない。ボーナスの損得勘定は、長期的視野を持って総合的に冷静に考えてみるべきだろう。目先では損をしても、長い目で見れば得をする、そのことを見抜けるか、信じられるかどうか。最終的には自分のことをどれだけ信じられるか、そこにつながってくる。

ボーナス支給と転職タイミングについて悩んでいる人は、ボーナスは堂々ともらって辞めて良い、しかし、機を逃すなら放棄も考えるべき、この2点を基本として考えてほしい。
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