そんな眠っているデジタル一眼カメラを、もう一度ピンホールカメラとして楽しんでみませんか? 簡単にできるピンホールカメラの作り方とちょっと“エモい”アナログ写真を撮影する方法をご紹介します。
カメラのボディキャップをピンホールレンズに作り変える
ここで使用するのは、デジタル一眼カメラです。レンズの取り外しができる一眼レフ機、ミラーレス機のどちらでも構いません。そして、もう1つ必要なものがカメラのボディキャップ。ボディキャップを工作してピンホールレンズとして使います。本記事では、オリンパスが2010年に発売したミラーレス機「PEN Lite E-PL1」(以下、E-PL1)を使用しています。この機種はマイクロフォーサーズというレンズマウントで、ルミックスのミラーレス機も同じマウントを採用しています。ルミックスのボディキャップのほうが凹凸が少なく工作しやすいので、記事ではこちらを使用します。
ボディキャップを工作するのに必要な道具を挙げておきます。
- ドリルまたははんだごてなどボディキャップに穴を開けることができる道具
- 紙やすり
- 針
- アルミ箔または薄いプラスチック製のシート
- セロテープ
作り方はボディキャップの中央に穴を開けることから
まずボディキャップの内側の中心点に小さい穴を開けます。最初に中央の位置取りをして印などを付けると穴を開けやすいです。コンパスなどを使うと中央の位置がつかみやすいでしょう。正確に中央部分に穴を開けないと、撮影した時に画像がセンサーの中央に表示されなくなるのでここは慎重に位置決めをします。・穴のサイズは3ミリ程度でOK はんだごてを使ってボディキャップに穴を開けました。穴のサイズは3ミリ程度もあれば十分です。あまり大きいと光洩れの原因になります。
穴を開けたときに「バリ」とも呼ばれる突起物があれば紙やすりで落としておきます。
・穴をアルミ箔または薄いプラスチック製のシートで覆う ボディキャップの内側からアルミ箔または薄いプラスチック製のシートで穴の部分を覆います。覆うものは穴全体が隠れる程度の大きさにして周囲をセロテープでしっかりと固定します。隙間ができないようにボディキャップに密着させるようにします。
・穴の中央に針で小さく穴を開ける ボディキャップの外側から作った穴の中央に針で小さく穴を開けます。この穴の大きさがレンズの絞りに値します。大きく開けると像がぼやけぎみになり、小さいほうがより鮮明に写ります。これは撮影しながら画像を見て調整していくといいでしょう。
・ピンホールカメラの完成 ボディキャップをカメラボディに取り付ければピンホールカメラの完成です。この状態でピンホールカメラとして撮影ができます。
撮影はマニュアルでシャッター速度を変えながら
ピンホールカメラとして撮影するときには、マニュアルモードを使用するのがおすすめです。撮影する場所の明るさに応じてシャッター速度を変えながら撮っていきます。・シャッター速度を変えると明るさが変わる E-PL1を使用した場合、マニュアルモードでシャッター速度を設定して被写体に向けると、撮影できる画像をライブビューとしてモニターで見ることができます。シャッター速度を変えると明るさが変わっていきます。
・撮影のコツ
コツは、できるだけ明るい場所で被写体に向けて撮影すること。暗い場所では被写体は写りにくいです。また少しぼやけた感で写るところがピンホールカメラの特徴です。三脚を使って手ブレを抑えて撮るのもいいですし、1秒未満のシャッター速度であれば手持ち撮影でも十分楽しめます。 レンズ穴の大きさを調整することで写り具合も変化するので、撮影しながら穴のサイズを変えてみるのもいいでしょう。
・“エモい”写真が撮れた アナログ感ある写真を、眠っているデジタル一眼カメラで手軽に試してみてはいかがですか。