名所・旧跡

山口県「元乃隅神社」は真っ赤な鳥居が海に連なる美しい絶景スポット!

元乃隅神社は、山口県の日本海側にある小さな神社。真っ赤な千本鳥居が海へ連なる絶景が海外から注目されたことがきっかけで大人気の観光スポットになりました。お賽銭の納め方もユニークな元乃隅神社の魅力について、アクセス方法も含めてご紹介します。

村田 博之

執筆者:村田 博之

名所・旧跡ガイド

海へ連なる千本鳥居が印象に残る「元乃隅神社」にお詣りしてみませんか?

元乃隅神社(1)

真っ赤な千本鳥居が海へ連なる絶景が見られる元乃隅神社(2022年3月撮影)

「お稲荷さん」で親しまれる稲荷神社でよく見かける千本鳥居。赤い鳥居がたくさん並ぶシーンは絵になる風景として、観光名所に数えられる場所も多数あります。そんな千本鳥居が美しい神社のひとつとして、最近注目されているのが元乃隅神社。千本鳥居が海に向かって連なる風景は他に類を見ない素敵な風景です。

今回は元乃隅神社の美しい風景をご紹介します。ここならではのユニークなお賽銭の納め方にも注目ですよ。
 
<目次>
 

日本海に向かって真っ赤な千本鳥居が並ぶ元乃隅神社

元乃隅神社(2)

元乃隅神社の参道入口の鳥居(2022年3月撮影)

元乃隅神社(もとのすみじんじゃ| Googleマップ)は、山口県長門市にある神社です。

創建は1955年(昭和30年)、夢枕にたった白狐のお告げにより地元の網元の方が「元乃隅稲成神社」をこの地に建立されました。ご利益は商売繁盛や良縁、子宝、学業成就など多岐にわたります。
元乃隅神社(3)

奉納された123本の鳥居が元乃隅神社から海に向かって続いています(2022年3月撮影)

その後1987年(昭和62年)から鳥居の奉納が始まり、10年の歳月をかけて千本鳥居が完成。実際の鳥居の本数は123本なのですが、日本海に面した岩場から龍が踊るように赤い鳥居が並ぶ絶景が誕生しました。
 

海外が元乃隅神社の魅力に注目、その後国内でも人気の名所に

元乃隅神社(4)

千本鳥居と日本海を望む(2022年3月撮影)

創建から60年が過ぎた2015年(平成27年)3月、元乃隅稲成神社の知名度が一気に上昇する出来事が起きます。

発信元はアメリカのニュース専門放送局CNN。「日本の最も美しい場所 31選(Japan's 31 Most Beautiful places)」として31カ所の観光名所が選ばれました。金閣寺(京都府)、那智の滝(和歌山県)、姫路城(兵庫県)などの著名な観光地と共に元乃隅稲成神社がリスト入りの栄誉に輝きます。

この情報から海外の方に元乃隅稲成神社の絶景が認知され、年を追うごとに元乃隅稲成神社を訪れる観光客が増加していきました。

※ちなみに2019年にまとめられた最新の「36 of Japan’s most stunning places for your next vacation」においても、元乃隅稲成神社はリスト入りしています。
元乃隅神社(5)

千本鳥居の先には、崖の上の岩場が広がります(2022年3月撮影)

そして、海外が注目する隠れた名所のひとつとして、日本人が知らなかった元乃隅稲成神社が取り上げられたことで、国内でも知名度が急上昇。今では山口県を代表する観光名所のひとつになりました。

2019年には、元乃隅稲成神社から元乃隅神社へ名前を改めています。
元乃隅神社(6)

岩場からの千本鳥居。元乃隅神社が山の中腹にあることがよくわかります(2022年3月撮影)

元乃隅神社の本殿は海に面した小高い山の中腹にあり、赤い鳥居は山の中腹から日本海に面した岩場へ続きます。

日本海と千本鳥居をセットで眺められるポイントは山の中腹にありますが、岩場まで下りて千本鳥居を見上げる眺めも絵になります。千本鳥居の中では坂道と石段を上り下りしますが、その先の岩場は自然のままなので歩きやすい靴で行くことをおすすめします。
龍宮の潮吹

龍宮の潮吹。小規模でしたが、潮が吹く様子を見ることができました(2018年2月撮影)

また岩場の近くには「龍宮の潮吹」と呼ばれる場所があります。岩場のある断崖に打ち付けた波が岩の隙間に入って、まるで潮を吹くように見えることからこの名前がついたとのこと。必ず見られるものではないので、見られたら幸運ですね。
 

日本一お賽銭を入れにくい賽銭箱にチャレンジ!

元乃隅神社(7)

元乃隅神社の境内入口にある朱塗りの大鳥居。賽銭箱は大鳥居の上、2匹の白狐が向き合った所にあります(2022年3月撮影)

海に連なる千本鳥居の絶景で有名となった元乃隅神社ですが、もう1つユニークな特徴があります。それは「日本一お賽銭を入れにくい賽銭箱」。

元乃隅神社の賽銭箱は、境内の入口に立つ朱塗りの大鳥居の上に置かれています。2匹の白狐が向き合った先にある賽銭箱。長身のバスケットボール選手やバレーボール選手がジャンプしても届かない高さにあるこの賽銭箱。どうやってお賽銭を納めるのかというと……。
大鳥居の上にある賽銭箱めがけて、お賽銭を投げ入れます!(2022年3月撮影)

大鳥居の上にある賽銭箱めがけて、お賽銭を投げ入れます!(2022年3月撮影)

なんと、上にある賽銭箱に下からお賽銭を投げ入れます。1回で入る人はごく稀、何度挑戦してもOKなので、参拝される皆さんはそれぞれ楽しみながらやっています。楽しい旅の思い出になりますね。

ちなみにどうしても投げ入れがうまくいかなかった場合は、鳥居の足の所に賽銭箱がありますので、こちらにお賽銭を納めれば大丈夫です。
元乃隅神社の中で一番高い場所にある小さな社(2022年3月撮影)

元乃隅神社の中で一番高い場所にある小さな社(2022年3月撮影)

大鳥居の先、少し上にも小さな社があります。ここからも日本海を眺めることができますよ。

千本鳥居が海に向かって連なる稀有な絶景を楽しめる元乃隅神社を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

近隣には真っ青な海を横切る角島大橋や仙崎の金子みすゞ記念館、青海島、長門湯本温泉、そして小京都の一つ、萩など観光名所が点在していますので、ゆっくりと時間をかけて山口の旅を楽しんでください。
 

元乃隅神社へのアクセス

元乃隅神社への道案内

国道191号線から元乃隅神社へ向かう時に頼りになる道案内(2022年3月撮影)

地図:Googleマップ
参拝時間:7時~16時30分。左記以外の時間は拝観不可です。
拝観料:無料

アクセス:
<飛行機>
・山口宇部空港から空港連絡バスで新山口駅へ。新山口駅で長門市方面の直行バス(1日2便)に乗り換えて長門市駅へ。長門市駅からはタクシー利用(約40分)
・萩・石見空港から空港連絡バスで益田駅へ。益田駅からはJR西日本 山陰線に乗り換えて長門市駅または長門古市駅へ。駅からはタクシー利用(長門市駅から約40分、長門古市駅から約20分)

<鉄道>
・山陽新幹線 厚狭(あさ)駅から、JR西日本 美祢(みね)線に乗り換えて長門市駅へ。長門市駅からはタクシー利用。

<車>
・中国道 美祢インターチェンジから国道436号線経由で国道316号線に入ります。長門市からは国道191号線を下関方面へ進み。長門古市付近から案内に従って県道・市道へ入ります。
 県道・市道は道幅が狭く、カーブと坂が続きますので、運転には注意して下さい。
 神社に近い第一駐車場(有料)と岩場に近い第二駐車場(有料)に車を止めることができます。
・山口宇部空港からは、山口宇部道路、山陽道を使って小郡ジャンクションから中国道に入り、美祢インターチェンジへ向かいます。
・萩・石見空港からは、国道191号線を下関方向に進み、長門市へ向かいます。


【関連サイト】 【関連記事】
「中国(山陽・山陰)の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで中国地方の名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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