家事

うちらが「帰省しなければならない」理由。晩婚晩産の子育て世代は正月をどう“こなす”べきか

年末年始になると、あちこちから聞こえてくる「帰省したくない」との呟き。ただでさえ忙しい年末に、疲れた身体に鞭打って長距離移動して、帰省先で召使いのように家事に打ち込むだけのお正月を“こなす”理由を考えてみましょう。

藤原 千秋

執筆者:藤原 千秋

家事・掃除・子育てガイド

お正月の帰省に「もやもや」するのはなぜだろう?

お正月の帰省に「もやもや」するのはなぜだろう?

「今年も、お正月がやってきます……。正直言って毎年の帰省が本当につらいです。夫の実家で召使いのように家事に使われる悪夢の行事です。

それでなくても12月末は仕事がかさんで毎年疲れ切っているのに、長距離の移動。ぐったりしたまま手伝わされる、正月準備。

子どもが体調を崩さないかも、ヒヤヒヤし通し。

自宅に帰ってきた途端、しんどすぎて寝込んで、そのまま毎年仕事始めで、自分の家の中の家事は行き届かずぐちゃぐちゃです。

私、この帰省をいつまで続けなければならないんでしょうか」

「お正月をこなす」ということ

正月が間近にせまる頃ぽつぽつ呟かれる本音。こういうの、まるで他人事には思えない人も少なくないのでは。存外あるあるのぼやきなのでは。

「えー、そんなの、帰省なんかしなきゃいいだけのことじゃない!?」

スパーン! 一刀両断。いや確かに、その通り。そうなんですけど、
  • そんなにつらいのに、なぜ帰省するの?
  • 帰省しないわけにいかないのはなぜ?
  • 何よりも最優先すべきことは、なに?
お正月が間近に迫る頃合いでなんですが、来年のために少し時間をかけてひも解いていきましょうか。

うちらが帰省する理由

つらい身体に、鞭打ってまで帰省をし続ける理由はそれぞれいろいろあると思います。

まず純粋に親孝行として。一年の大事な節目を一緒に過ごすことで、離れて暮らす親の寂しさに寄り添い、老いた身体では行き届かない家の不具合を修繕したり、大きな家事を手伝ったりということを、心から「帰省して、してあげたい」と思われている方もたくさんいると思います。

ただ、人にはそれぞれに親がいるので、夫婦の片方の親孝行がなされているときに、片方の親孝行がお留守になってしまう側面が避けがたくあり、えもいわれぬ「もやもや」を積もらせる方もいることでしょう。

一方さして思い入れはないものの、一応「やるべきこと」として自動的に年中行事に組み込んでいるケースもあるでしょう。あるいはこちらは気が進まないけれど「今年”も”帰ってくるのよね?」と規定事項のように親側に言われ、仕方なく……ということもあるかもしれません。

むしろ積極的に「帰らない」理由がない以上は帰らないわけにはいかない、というのがあえていうなら「帰省する理由」ということになるのでしょうか。

そういう、行動の軸が自分ではないところにある動きはおしなべて苦痛なものです。踊りたくないダンスを無理やり踊らされているようなものだからです。

うちらが帰省しないわけにはいかない理由というもの

実は筆者自身には全くそういう考えがないので、以下いささか推測になってしまう点、申し訳ありません。

もしも、「帰省しない、ということができない理由」に、他人(義実家・親戚)からどう見えるか、どう思われるか、どう評価されるか、というのが「怖い」という感情が大きいのなら?

他人からの評価が気になり、良い人、良い嫁だと「思われたい」という理由が軸になっているなら?

そのつらい帰省はいつまでも続けなければならないでしょう。いつまでもです。

たとえ義両親が亡くなったとしても。その後も、空き家になった実家で年を越すのでしょう。

すでにそういうことになっている方も、筆者より上の世代の方には存外多くいるからです。

真面目で優しくて几帳面な方たち。

そしてその「いつまでも」が途切れるのは、おそらく帰省を頑張り続けた、ご自身が身体を壊した時です。

>まず優先すべきは「自分」です

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