亀山早苗の恋愛コラム

18歳年下彼氏と真剣交際する44歳、イタイ女ですか?「どうしてあんな年上と」という視線

芸能界では「年の差」カップルの結婚が話題になっているが、たいていが「年上」男性と「年下」女性の組み合わせ。「男は若い女が好き」とは昔からよく言われるが、男女の年齢が逆転したら世間はどう思うのだろう。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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芸能界では年齢差のある結婚が話題になっているが、男性が年上であるケースがほとんど。20歳も25歳も女性が上というのはめったにない。それほど年下の女性と結婚する男性は「同世代と精神的につきあえないのではないか」という声が女性たちから上がっている。「男は若い女が好き」なのは、そういう側面もあるのではないだろうか。若い女性と結婚したほうが自分が主導権を握りやすいからだ。

恋愛に免疫がないため、女は男に従うものという従来の性役割を、年下女性ならすんなり受け入れてしまう可能性も高い。
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一方で、年上の女性とつきあっている男性は、周りからどう見られているのだろうか。

18歳年下の男性と恋愛関係に

「私はずっと年上が好きだったんです。でも今、つきあっているのは18歳年下。最初は恋愛の対象にはなりませんでした。だけど彼と話しているうちに、どんどん素直になっていく自分がいた。今までいろいろな男性とつきあったけど、彼と一緒にいるときの自分がいちばん自分らしいと思えるようになったんです」

そう言うのはカズエさん(44歳)だ。20代で結婚と離婚を経験、それ以来、ずっと独身で仕事をしてきた。そして5年前、大学生だったトモキさんと出会った。彼はカズエさんの大学時代の先輩の息子である。

「トモキが私のいる業界で仕事をしたいというので会ってやってと言われて。初めて会ったときから彼、口説いてきたんですよ。そんな不埒なことじゃ就職できないわよと脅すと、『就職より大事なものを見つけた。それがあなたです』って。若いくせに口説くのはうまいなと思いましたが、私は冗談としか受け止めていなかった」

だがトモキさんに迫られて何度か会ううちに、彼の気持ちが本心だとわかっていった。あるときふたりで少し酔って歩いていたことがある。車道と歩道の区別がない道で、彼女がふらついたところへ車が突っ込んできた。彼はとっさに彼女をかばって車に接触、転倒して腕を骨折した。

「大丈夫なの?と叫んで倒れた彼のもとにしゃがみこんだら、『あなたはケガしなかった?』って。身を挺して私を守ってくれたのがありがたかった。そんな男性、めったにいないと思う。少なくとも私は出会ったことがありませんでした」

彼の母親に病院で会ったとき、「一緒に飲みに行っただけ」と言い訳したが、「トモキはあなたを心から慕ってる。よろしくね」と言われた。もちろん、男女の関係になるとは思っていなかっただろう。

彼の懇願を受け止めた

その後、カズエさんは彼を献身的にフォローした。彼の骨折が治ったとき、彼は「あなたの家に連れて行って」と言った。「どうしても落ち着いてふたりきりになれる場所へ行きたい」というのだ。それには彼女の家がいちばんいいと思ったらしい。

「うちに呼んで手料理でもてなしました。私の代わりにケガをしたのだから。そうしたら彼が『一度でいいから。お願い』と懇願してきた。その日は泊まっていきました。私は一度きりのつもりだった。彼と付き合うなんてあり得ないと思っていたし。でも彼はきちんと付き合ってほしいと言ってきました」

迷いに迷った。彼の母親と知り合いなのだから。だが彼は「年齢差なんて関係ない」と言い切った。母親を説得するとも言った。

「彼、大人なんですよ。知識も豊富だし、その知識に対して自分の言葉や意見をきちんと持っている。だから彼に『女性が年上だとなぜいけないのか』『僕は対等に話ができるあなたが好きだ』と正面から言われて、理屈では返答できなかった。で、結局、付き合うことになりました。話していて飽きないんです」

友人にも内緒にしていたが、彼はカズエさんの友人に会いたがった。意を決して会わせると、友人たちからは「素敵な男性だ」と評判になった。

「彼は精神年齢が高いのよ、だから大人の女と付き合える」という声も多々あったという。

「女性を支配しようとしないし、あるがままをリスペクトしてくれる。そういうところが同世代以上の男性にはないところですね。トモキのような男性が増えてくれば、男女の関係も少しは変わるかもしれない。友人たちはそう言ってくれています」

ただ、中には「どうしてあんな年上と付き合っているのかわからない」「イタイよね」「若い男にいつか捨てられるはず」と、男女問わず思っている人はいるだろうとカズエさんは言う。現にそうした声を耳にしたこともある。「イタイ女」という言葉には傷ついた。だがトモキさんはまったく気にしていない。

彼は結婚したがっているが、彼女は結婚する必要を感じていない。結婚という形で彼を縛りつけるようで気が重いという。彼はそんな彼女の言い分も受け入れている。

「それでもときおり、『事実婚でもいい。カップルであることを公表したい』と言う。私はひっそりこのままでいいんですけどね。それはいつか別れることになるかもしれないと恐れているからじゃないのと彼に言われています。確かにその通りなんです。まだまだ私が弱いのかもしれませんね」

どういう立場であれ、男女は別れるときは別れるものだ。年齢差だけが問題になるわけではない。彼女は今、そうやってトモキさんに説得されているところだという。
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