自分とは違うセクシャリティを持つ女性について考えた
――「恋愛感情を抱かない」(アロマンティック)「性的欲求を抱かない」(アセクシャル)というセクシャリティを持つ姉の佳純について、伊藤さん自身はどのように思いましたか?伊藤:佳純のようなセクシャリティを持つ人がいるということを理解していくことが大切なのかなと。この映画がそのきっかけになれば、うれしいと思っています。
――確かにそうですよね。佳純みたいな人はいると思うし、この映画を観て「一緒だ」と思う人はいると思います。
伊藤:試写を観たとき、佳純にすごく感情移入しました。私は男子高校生の役を演じたり、性別が男女どちらともいえないようなキャラクターを演じたりすることもあり、「自分がそういう役を与えられるのはどういうことか」とLGBTQやセクシャリティについてずっと考え向き合ってきたので。
性別とか、恋愛感情を持たないとか、自分がどうかということではなく、そういった人がいることについて考えていたので、主人公の思いと自分自身が重なり、そのモヤモヤした気持ちが、この映画で浄化されました。
感動した気持ちはすぐに伝えたい!
――完成した映画を観て「救われた気持ちになった」というのは、そういう理由があったんですね。伊藤:はい。試写には佳純を演じた透子ちゃん(三浦透子さん)もいらしていて、どうしても「この感動をすぐに伝えたい!」とご飯に誘い、気持ちをストレートに伝えました。 ――すごい行動力ですね。
伊藤:『サマーフィルムにのって』(2021)の試写のとき、共演した祷キララちゃんが私より前の時間に試写を観て「自分を信じて、胸を張って観てきて」と素敵なメッセージをくれたんです。その後、駅についたら、キララちゃんが待ってくれていて「すごく感動したから、直接伝えたくて」と私の手を握ってくれました。
彼女の気持ちにすごく感動したし、うれしくて。私も透子ちゃんにこの思いをすぐに伝えたいと思いました。 >次ページ:乃木坂46に恩返しをしたい! 喜んでもらいたいです!