1. 現在の教育トレンド「探求」そのもの『ポケットモンスター』
ポケモンは有名ですし、親御さん世代にもファンが多いゲームですよね。そんなポケモンが、じつは勉強に深くかかわっているんです。小学校・中学校・高校で何をどう教えるかを決める「指導要領」の現在のトレンドは「探究」というもので、授業や入試問題にも取り入れられています。「こうしたらこうなるのでは?」と自分で考え、調べ、また考えて、行動に移す。その結果からまた新たに「じゃあ、こうしたらこうなるかも?」と考えて、調べて、また考えて行動に移す、それが「探求」です。
ポケモンはまさに「探求」そのもののゲームです。ポケモンは18種類のタイプにわかれていて、タイプによる相性があります。はじめて見るポケモンは何タイプのポケモンかわからないので、見た目からタイプを想像します。そして、ポケモン図鑑やネットを使って調べます。
この、わからないことがあってそれを調べるという行為はすごく大事で、調べることが習慣になると、その姿勢が勉強にも生きていくんですよね。また、ポケモンはわざごとに「80」とか「100」とか威力が数値化されているため、数量の感覚もつかめるようになります。算数の基礎です。
「ポケモンワールドチャンピオンシップス」という世界大会までありますからね。ポケモンは、幼稚園生でも遊べるゲームですが、本気でやり出すと、細かい数値計算、シミュレートをくりかえして、無限に試せることがあります。
2. 国立科学博物館に行った気分にも! 『あつまれ どうぶつの森』
大人気の『あつまれ どうぶつの森』も勉強になります。なんといっても、捕まえられる虫や魚の種類の多さとリアルさがすごいのです。虫、魚は80種類、化石は73種類もあり、攻略本や図鑑を眺めているだけでもおもしろいですよ。『あつまれ どうぶつの森』でいままで知らなかった虫や魚、恐竜などを覚えたという人も多いはずです。特に、博物館は上野にある国立科学博物館がモデルなのではと言われており、非常にリアルです。ゲーム内の博物館を見て回るだけで、国立科学博物館に行った気分になれます。 それだけではありません。どの道具を作るにはどの材料がどれくらい必要かという計算をすることになるので、算数の勉強になります。またゲームに出てくるカブは、毎日値段が変わるアイテムで、安く買って高く売ればゲーム内で流通する通貨「ベル」を増やせるし、買った値段よりも低い値段のときに売ったら損するようになっていて、現実世界の株式とそっくり。まさに経済の勉強そのものです。
3. 入試でも有利! 『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』
その名のとおり、全くやったことがない人でもプログラミングに取り組めるゲームです。プログラミングというと、パソコンの黒い画面にアルファベットや数字を打ち込むようなイメージをもっている人がいるかもしれませんが、そうではありません。この『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』は、イラストやアイコンを動かしたり組み合わせたりしてアニメーションをつくったり、色を変えたり、音が出るようにしたりする「ビジュアルプログラミング」という方法なんですね。
プログラミング言語を全く知らなくても、
- 全体をつかんでから、細かいところを考えていく力
- 一見バラバラに見えることから、同じ部分を見つけて整理する力
- 失敗をくり返しながらいろいろ試していく力
- 実現したいことのために、あきらめないでねばり強くやりきる力
受験勉強だけでなく、将来仕事をするにも、生きていく上でも必要な力ですし、プログラミングがわかっていると入試でも有利です。2025年からは大学入学共通テストで「情報」という科目が導入される予定になっていて、プログラミングのスキルを身につけておけば対応可能ということがわかっています。
また、すでに中学受験では、プログラミングを受験に取り入れている学校もあります。たとえば私立中学の駒込中、大妻嵐山中、相模女子大中学部、聖徳学園中、八王子実践中などではプログラミング入試があります。
『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』は任天堂のソフトなので、一定の品質は保証されている上に、値段も一般的なゲームソフトの約半額というのも嬉しいところです。
4. 教育版が2023年より学校で無償提供! 『桃太郎電鉄』
シリーズ累計1200万本売れている大人気ゲーム『桃太郎電鉄』。小中学生は、地理を勉強するより先に全員『桃鉄』をやってほしいと思うくらい、ためになるゲームです。プレイしているうちに自然と、日本各地の地名と特産品が頭に入るんですよね。また、ときどきクイズのミニイベントも発生するのですが、もうほとんど中学受験の入試レベルの問題です。
また、日本各地を周って特産品を扱う商店や工場、畑などの物件を購入するんですが、物件ごとに購入するための額と年間の収益割合が決まっているため、足し算、かけ算、割合の勉強にもなります。
先日開かれた東京ゲームショウ2022では、教育現場でも使えるよう各種仕様を変更した『桃太郎電鉄 教育版Lite ~日本っておもしろい!~』が発表されました。2023年より学校教育機関へ無償で提供されるそうです。学校でみんなで桃鉄をプレイしながら勉強をする、という日も遠くないかもしれませんね。
5. 入試科目にする学校も! 『マインクラフト』
10年ほど前から流行し始めて、今やプログラミング教室だけじゃなくて、一部の学校でも使われているという、もはやゲームとしてでなく「教材」になっているマイクラ。聖徳学園中では「Minecraft入試」といって、入試科目にもなっています。どんなゲームなのかひと言で言い表すと、「デジタル版ブロック遊び」です。四角い箱型のブロックを組み合わせて地形を作ったり、家を作ったり、動物を飼育したり、作物を育てたり、ドラゴンと戦ったりと、工夫次第でなんでも作れるし、なんでもできるのです。
『あつまれ どうぶつの森』の要素をさらに本格的にしたような奥深さがあって、実際の世界の自然の原理と同じような現象があります。たとえばマグマに水が流れ込むようにすると黒曜石が現れますが、黒曜石は硬いので、ふつうのつるはしでは採掘できず、つるはしを強化する必要があり、強化するためには……と、ひたすら頭を使って考える必要があるのです。
しかもマイクラは、やりたいことがどんどん出てくるから飽きづらいのです。そして、やりたいことがでてきたときに「じゃあ、どうやったらそれを作れるのか」と、作り方を調べて試します。
先に方法を学んでからその学んだことを実践するのがこれまでの学校や塾での勉強でしたが、マイクラはその反対で、とりあえずやってみる。そして、行き詰まったり、やりたいことができたときに、それを実現するためにはどうすればいいかを学ぶのです。やりたいこと・目的がはっきりしてから、それを実現するための手段を学ぶ方が、やる気が出ますよね。
マイクラはいろんなゲーム機で遊べますが、おすすめはニンテンドーSwitchです。値段も一般的なゲームソフトの約半額で買いやすくなっています。攻略本やゲーム実況動画もたくさんあるため、本を読んだり動画を見たりすると、語彙力・言葉の知識も増えて国語の勉強にもなります。
ゲームをうまく勉強に役立てていってはいかがでしょうか。