ノートパソコン

パソコンの画面はアルコール除菌で拭いてはダメ? 正しい掃除方法は

コロナ禍でよく使うアルコール除菌ティッシュですが、手指を消毒したついでにパソコンのディスプレイを拭くのは問題ないのでしょうか。パソコン画面の正しい掃除方法を解説します。

上倉 賢

執筆者:上倉 賢

ノートパソコンガイド

パソコンの正しい掃除方法は

パソコンの正しい掃除方法を解説

ノートパソコンを使用していると、どうしても汚れが気になります。中でも特に目立つのが、ディスプレイの汚れです。パソコン本体も汚れていますが、一番よく見る部分で、汚れが気になるのがディスプレイ表面の汚れです。

Web会議の普及で、喋ったときの飛沫が画面につくことで、ウイルスも気になりますが、この汚れはどうやって掃除するのが良いでしょうか。
 

アルコール除菌は気をつけて!

コロナ禍でよく使用するアルコール除菌ティッシュ。ディスプレイもアルコールで拭きたくなりますが、特にディスプレイの掃除には注意が必要です。

ノートパソコンの掃除では、端子類付近、冷却用の穴付近、キーボードなど他にも注意するべきポイントはいくつかあります。ディスプレイの掃除を失敗して、傷などになると、交換するしかない状態になる可能性もあります。
 

ノートパソコンの公式な掃除方法

ディスプレイ含めて、パソコン自体をアルコールで除菌をすることは、パソコンメーカー各社は推奨していません。各社が推奨しているのは、ディスプレイ含めたパソコン本体の掃除は、乾いた柔らかい布を使って軽く拭く方法です。

しかし、これでは長期間手で触って使用したパソコンの汚れはほとんど落ちません。そのため、汚れがひどい場合は水やぬるま湯を柔らかい布に浸して固く絞った上で拭くという方法が、メーカー各社の一般的な方法として紹介されています。
ディスプレイを布で乾拭きしても汚れはほとんど落ちない

ディスプレイを布で乾拭きしても汚れはほとんど落ちない

これで多少の汚れは落ちますが、これでは満足しない人も多いと思います。掃除の前に、一番注意したいノートパソコンのディスプレイについて簡単に解説します。

タッチパネルやペン入力対応のノートパソコンの場合、傷がつきにくいガラスで出来ています。
このような製品の場合は、多少荒く掃除しても画面に傷が入ることはほとんどありませんが、タッチパネル非対応のノートパソコンの場合、触ることを想定していないため、手荒に扱うと傷がつくプラスチックで出来ていることがほとんどです。

ノートパソコンは、表面がプラスチック製のディスプレイがほとんどなのでディスプレイ掃除は注意しましょう。

・アルコール除菌は注意しよう
手指の除菌用で普及しているアルコールは、エタノールが75%程度入っています。この消毒用エタノールを含んだ布で、ノートパソコン本体を1回拭いた程度では大きな影響はありませんが、繰り返した場合にどうなるかは分かりません。

特に除菌用のアルコールは、製品によってエタノール以外の内容物が異なります。手指以外の除菌を対象にしていないこともあり、パソコン本体はもちろん、ディスプレイ部分の掃除も避けた方が良いでしょう。

ディスプレイの場合は、1回なら問題なくても、例えば毎日アルコール掃除していると、表面のコーティングに影響が出て、将来画面が見にくくなるような影響が出ることも考えられます。
 

除菌を含めてノートパソコンを掃除する方法

乾いた布では落ちないような汚れに効果的で、個人的な経験から今まで問題になったことが無く、除菌効果も期待できる掃除方法を紹介します。

あくまでも個人的に20年以上やって問題なかった掃除方法ですが、メーカー推奨ではありませんので、行う場合は自己責任でお願いします。

・掃除に使うおすすめ布はマイクロファイバー製の柔らかいもの
マイクロファイバー製の柔らかい布がおすすめ

マイクロファイバー製の柔らかい布がおすすめ

このような機器の掃除ではティッシュを使うことも多いと思いますが、ティッシュ自体がヤスリのような効果があり、使うと表面に細かな傷がつくため推奨されません。特にディスプレイの掃除では使わないようにしましょう。

掃除で使うのにおすすめの布は、メガネの掃除で使うような、マイクロファイバー製の柔らかい布です。

・ホコリを取るだけなら乾拭きでOK
表面のホコリなどを取るだけなら、マイクロファイバー製の布で乾拭きするだけでもOKです。おそらくディスプレイに付いた飛沫の後のような謎の汚れ、本体の見えない汚れはこれでは落ちません。

・水分を含ませた布が効果的
ディスプレイに付いた汚れ、本体の汚れなどを綺麗に拭くには、水分を含ませた布が効果的です。単純に柔らかい布を水道水で濡らし、固く絞って、表面を軽く拭くだけでも汚れを取る効果があります。ここで使う水に精製水などは必要ありません。

・より効果的なのは石鹸
除菌や汚れをしっかり取りたい場合に効果的なのは、石鹸です。石鹸は手洗い用の普通の石鹸で問題ありません。一般的な手洗い用の石鹸なら何でも問題ないですが、最近は石鹸の中に塩など様々な物質が入っている場合があります。そのような石鹸は傷の元になるので避けましょう。

使い方は簡単で、前述の塗らした布に石鹸を軽く含ませます。石鹸の量は布を多少揉み込み、その部分を触れば石鹸がついているのが分かるくらい少量、液体石鹸なら1滴くらいの少量で問題ありません。

拭いたときに泡や水分が流れ落ちるくらいだと石鹸や水分が多すぎます。まずは洗面所の鏡などを拭いて、水分の状況を確認してください。

この状態で拭けば、乾拭きでは落ちない汚れも数回往復すれば落ちます。最も汚れがついているのはキーボード面です。年単位で掃除していない場合にこの方法で拭けば布に汚れがかなり付き、見た目では気が付かなかったけど汚れていたことがよく分かると思います。
掃除前 画面上に細かなホコリのようなものが沢山付いている

掃除前。画面上に細かなホコリのようなものが沢山付いている

 
1回拭いた後の画面 画像の中央付近あたりを1回拭いただけできれいになった

1回拭いた後の画面。中央付近あたりを1回拭いただけできれいになった

その後は水だけを付けて固く絞った柔らかい布で再度拭けば、石鹸自体も残りません。

拭いた後の湿り気も、すぐに自然に乾き、拭いた後も残らないです。拭いた跡が後に残るくらいだと水分や石鹸が多すぎますが、その場合でも固く絞った水、乾いた布などで拭けば落ちます。

・食器用の中性洗剤も
石鹸以外では、食器などを洗う中性洗剤でも同じように掃除が可能です。石鹸には除菌効果がありますが、主な中性洗剤も厚生労働省等はコロナ感染が拡大したときに除菌効果があると公表(※)しています。

新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省)

単なる掃除だけでは無く、除菌目的で拭く場合も、このような石鹸等を使った方法が良いのではないかと個人的には考えています。実際に拭いた後に菌類がどうなるかまでは調べていないので分かりませんが、掃除して汚れが取れて綺麗になれば菌類も減っている、つまり除菌効果があると個人的には考えます。
 

石鹸や洗剤を使ってパソコンに影響はない?

気になるのが、石鹸や洗剤に含まれる成分がパソコン本体に与える影響です。極少ない量を掃除の時だけ使用し、掃除後にその残った部分も拭き取るため長期的にも影響が出ることはほぼありません。

気になる場合は、石鹸等で掃除した後に、水だけで固く絞った布で、付いているかも知れない石鹸の残りを拭き取れば良いでしょう。

本体が抗菌仕様になっている製品も一部で提供されています。常に綺麗に使いたい場合は、抗菌仕様の製品を選ぶのも良いですが、汚れは落ちないので、どんな製品でも定期的な掃除は必要です。


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