今回は、近々年金をもらうようになった人が、お金を稼ぐにはどんな方法があるのか考えます。
年金生活でお金を稼ぐ方法についてご紹介します
お金を使わなければ貯まる!節約で稼ぐ
60代で年金をもらうようになると「年金って、思ったよりも少ない……」「年金内での生活はムリ……」という声を耳にします。年金は現役時代の収入に比べると、約5~7割ぐらいしかもらえません。それなのに、現役時代と同じ生活を今も続けていませんか。もしかしたら、保険代など固定費ぐらいは見直しをしたかもしれませんが、日々の些細なお金の使い方などは手つかずのままかもしれません。まずは、ご自身の家計の節約にしっかり向き合いましょう。年金内で生活することを目安に、食費や交際費、お小遣いなど、予算を決めて、しっかり管理するようにしましょう。「稼ぎ方なのに、どうして家計の節約なの?」と思う人もいるかもしれません。しかし、お金を使わなければ、その分貯まります。そう考えれば、節約は収入といえるのではないでしょうか。
生きているうちは継続してもらえる年金で稼ぐ
年金受給開始前から知っておいていただきたいのですが、年金の受け取りを65歳以降に遅らす制度である「年金の繰下げ」をすれば、1カ月ごとに0.7%の年金が増額されます。1年間だと8.4%増え、70歳まで繰り下げると「8.4%×5年=42%」も増えます。最大、75歳まで繰り下げることができ、その場合「8.4%×10年=84%」まで増額というのは効果が高いといえます。いまは、医療の進歩などもあり、100歳近くまで生きる可能性があります。しかし、その分、必要なお金も増え、長生きリスクを考えなくてはいけないなどといわれます。なかなか潤沢な老後資金を準備するのが難しい場合もありますが、誰もが加入している公的年金であれば、生きているうちは継続してもらえます。もし、長生きしたときでも、年金を繰り下げすることで、生活の下支えとなるでしょう。
ただし、年金を繰り下げすると、65歳から年金を受給するまでの期間、年金を受け取ることはできません。収入を得るために、働くことが必要になることもあります。高齢になると、現役並みの働き方は、心にも身体にも負担になることもあるでしょう。様子をみながら、ムリのないくらいの仕事を、できるだけ長く続けるのがよいのではないでしょうか。そのため、年金の繰り下げ受給も、老齢基礎年金と老齢厚生年金のどちらも繰り下げるのではなく、どちらか一方だけ繰り下げるなど、給料収入とのバランスを見ながら調整するとよいでしょう。
年金の繰下げ受給|日本年金機構(nenkin.go.jp)
現役時代のスキルを活かした再就職で稼ぐ
2021年4月に改正された高年齢者雇用安定法では、事業主に対して、定年廃止や70歳までの定年引上げなどの努力義務が課せられました。そのため働きたいと思えば、70歳までといわずそれ以上の年齢でも働ける環境は整備されつつあります。もし、今までと同じ環境で働きたいと思えば、勤務されている会社の再雇用制度や勤務延長制度などについて確認してみるとよいでしょう。その際、年収や業務内容なども確かめておきましょう。
一方、今までと違う環境、職種などで働きたいと思う場合は、求人情報サイトで「シニア積極採用」「シニア活躍中」など表示された中から、自分が希望する日数や時間で働けるものを探しましょう。現役のときと違い、がんばりすぎると体調に影響が出てしまうこともあるものです。健康に気をつけながら、ムリせず働けるようにしたいものです。
年金受給開始後も、会社員やパート・アルバイトとして、厚生年金に加入する働き方をする場合は「在職老齢年金制度」によって、老齢厚生年金の支給が停止となる場合がありますので、その点は注意しましょう。
趣味、好きなことで稼ぐ
働きに行くのではなく、家にいながら何か稼ぎたいのであれば、自身の趣味や好きなことを生かして稼ぐ方法を考えてみましょう。たとえば、家の中の不用品をメルカリなどで販売することができます。また、手芸などが趣味であれば、minne(ミンネ)やCreema(クリーマ)などで、手作りの作品を売ることもできるはず。さらに、テーマを決めて記事を書くことができれば、ブログやアフィリエイトなどでも稼ぐことができるでしょう。
ただし、どれも収益化するには、気長に取り組む姿勢が大事です。また、デジタルに強くなる必要もあります。したがって、パートやアルバイトで働きながら、少しずつ「自身の趣味や好きなことで稼ぐ」ことに取り組んでみてもよいのではないでしょうか。