初共演とは思えない、相性の良さ!
――仲野さんと伊藤さん、それぞれ共演することを知ったときは、どんな感想を持たれましたか?仲野
何も心配はいらないなと。僕が何もしなくても、沙莉ちゃんがいてくれれば、その場が良くなるのがわかっていたので、安心しました。初共演なんですが、いずれ共演するときが来るだろうなと思っていたので、撮影現場でも、すぐにスッと寄り添って演じられましたし、力を合わせて乗り越えられると思いました。初共演って感じじゃなかったよね?
伊藤
そういう感じじゃなかったですね(笑)。
仲野
撮影現場でも、お互いスッと芝居に入れたよね。
伊藤
よろしく~みたいな感じで(笑)。私も太賀さんが松戸諭役だと聞いて、一緒にお芝居をしたら絶対に楽しいに決まっている!と思いました。何もしなくても、何をやっても大丈夫だと。私はあまり自分から、お芝居を仕掛けていく方じゃないのですが、どう転んでもきっと受け止めてくれるという絶対的な信頼がありました。
仲野太賀は一休さん? 機転を聞かせてピンチを乗り切る
――おふたりの相性の良さを感じます! おふたりで演じたからこそ生まれた芝居はありますか? アドリブ的なものなど。仲野
山ほどあるような気もするし……意外と脚本に沿っていたような気もするし……。でも台本に書かれた以上のものにはなっていると思います。
伊藤
私が印象に残っているのは、大喧嘩のシーンです。喧嘩をして、お互いに部屋の境界線から入ってはいけないことになっていたのですが、監督から、相手のゾーンには入ってはいけないけど、動きはほしいと言われました。でも私は「向こうに入れないのにどう動いたらいいの?」と、思考が停止してしまって。 仲野
それで僕が、逆にどうやって出るかを考えてみましょう!と意見させてもらいました。
伊藤
そうなんです。そのおかげで監督の意図したことができて、私の動けない悩みも解消できて、なおかつ、太賀さんご自身の演技もきちんとやりきって。素晴らしいです! 視点を変えたアドバイスは、まるで一休さんみたいでした(笑)
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