節約

冷蔵庫の扉にある「温度弱」「夜間モード」の節電効果って? 夏場に“弱“にして食材は傷まない?

冷蔵庫の扉についている「温度弱」「夜間モード」はどれだけ節電効果があるのでしょうか。また、温度設定を変えることによって中の食材は傷まないのでしょうか。

矢野 きくの

執筆者:矢野 きくの

節約・家事・100円ショップガイド

24時間365日、動き続けている冷蔵庫。年間を通して平均すると家庭にある機器別電気使用量では1位となっています。それだけに意識して節電になる使い方をしたいところ。

今回は冷蔵庫の「温度弱」や「夜間モード」はどれだけ節電効果があるのか、また中の食材は大丈夫なのかをご紹介します。
 

大前提として知っておきたい「冷蔵庫の温度」

一般的な冷蔵庫には冷蔵室、野菜室、冷凍室があり、それぞれ違う温度帯に設定されています。まずはそれぞれの適温を知っておくことが重要です。
 
  • 冷蔵室:2~5℃
  • 野菜室:3~7℃
  • 冷凍室:-20~-18℃
それぞれこの温度帯になっていれば、食材をいい状態で管理できていることになります。しかし同じ冷蔵庫で、中に入れている食材が同じであっても、室温が違えば庫内の温度にも影響してきます。

そのためにも実際の冷蔵庫内の温度を計る専用の温度計は必需品といっていいでしょう。細いコードの先端だけ庫内に入れておき、温度の表示部分は庫外で確認することができる冷蔵庫専用の温度計は、1000円前後で購入もできて非常に便利です。
1000円前後から買える冷蔵庫用の温度計

1000円前後から買える冷蔵庫用の温度計

 

冷蔵庫が特に電力を消費する原因って?

常に動いている冷蔵庫ですが特に電力を消費する原因となるのが、庫内の温度が適温より上がってしまうこと。冷蔵庫の扉を開けて庫内の冷気が逃げ、温かい室内の空気が入ってしまい、庫内の温度が適温より上がってしまったときです。

そのためにも冷蔵庫は開ける回数を少なく、開ける時間を短くすることが節電につながります。

資源エネルギー庁の省エネポータルサイトの数値では

●無駄な開閉はしない
旧JIS開閉試験(※)の開閉を行った場合と、その2倍の回数を行った場合の比較
年間で電気10.40kWhの省エネ、原油換算2.62L、CO2削減量5.1kg 約280円の節約
※旧JIS開閉試験:冷蔵庫は12分ごとに25回、冷凍庫は40分ごとに8回で、開放時間はいずれも10秒

●開けている時間を短く
開けている時間が20秒間の場合と、10秒間の場合の比較
年間で電気6.10kWhの省エネ、原油換算1.54L、CO2削減量3.0kg 約160円の節約

となっています。
 

冷蔵庫の「温度弱」「夜間モード」の節電効果は?

さて、ここで気になってくるのが、冷蔵庫の扉についている「温度弱」や「夜間モード」などのボタンです。ここまでご紹介したように扉を開けなければ庫内の温度は安定していられるため、扉を開けることがないであろう夜間は「夜間モード」や「温度弱」にしても問題ありません。そしてそれが節電につながります。
冷蔵庫の扉にある温度調整ボタン

冷蔵庫の扉にある温度調整ボタン

資源エネルギー庁の省エネポータルサイトでは、

室温22度で設定温度を「強」から「中」にした場合
年間で電気61.72kWhの省エネ、原油換算15.55L、CO2削減量30.1kg 約1670円の節約

となっています(算出基準はこちらを参照)。

ちなみに停電のときなども冷蔵庫の扉を開けなければ、2~3時間であれば冷蔵室は温度を保つことができます。冷凍室は多少温度が上昇しますが、0度以下は保つことができています(室温や中に入れている物の量にもよる)。

そのため夜間や冷蔵庫を開けないときなどは、「温度弱」や「夜間モード」にしても食材に影響はありません
 
気をつけたいのは、夏だから「温度強」、冬だから「温度弱」がいいと決め込んでしまうこと。夏でもエアコンで常に涼しい状態の部屋にある冷蔵庫であれば、温度を強にしなくても済みますし、冬に常に暖房がきいているようならば温度を弱にしてしまうと弱すぎる可能性も出てきます。

冷蔵庫内を適切な温度に保ちつつ、無駄に電力を消費しない使い方をして、節電のためにも常に庫内の温度を計測しながら温度調整をしてみてはいかがでしょうか。
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