貯蓄

都市別の平均貯蓄額ランキング!【2022年5月発表・最新家計調査】

2022年5月発表の総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2021年」によると、二人以上世帯の全国平均貯蓄額は1880万円。一部の富裕層や都市部が平均を引き上げているのでは?と思ってしまいますが、都市別に見ると、意外な結果も。生活実態とあわせて自分の貯蓄額と比較してみるといいでしょう。

伊藤 加奈子

執筆者:伊藤 加奈子

貯蓄ガイド

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エリア別・都市別に見る平均貯蓄額2022年!

2022年5月に発表された、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2021年」によると、貯蓄を保有する二人以上世帯の全国平均貯蓄額は1880万円(中央値1104万円)、勤労者世帯に限ると、平均貯蓄額は1454万円(中央値833万円)という結果でした。
 
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みんなの平均貯蓄額は?1880万円【2022年5月発表・最新家計調査】
 
こうした平均値は、一部の富裕層や東京、大阪などの都市部のデータによって引き上げられていて、地方では生活実感とかけ離れている、と考えてしまいます。しかし、地域別、主要な都市別で見ていくと、必ずしもそうとは言い切れないことがわかります。集計世帯数が全国で約5900なので、各都市別にするとサンプル数が少なくなっているため、あくまでも参考値ということになりますが、意外な結果が見えてきます。
 
この記事では、全国平均では見えない、各地域の状況を紹介していきます。
 

エリア別の平均貯蓄額トップは関東で2219万円!

エリア別 貯蓄と負債(二人以上の世帯)

エリア別:貯蓄と負債(二人以上の世帯)


まず、大きなくくりであるエリア別で見ると、平均貯蓄額のトップは関東の2219万円。次いで東海の2126万円。3位に近畿の1801万円という結果になりました。一方、負債額の平均で最も多かったのが関東の640万円。次いで東海の616万円。3位が沖縄の579万円となっています。
 
貯蓄額から負債額を差し引いた「純貯蓄額」では、トップが関東の1579万円。次いで東海の1510万円。3位が近畿の1241万円となっています。
 
年収に対する貯蓄額を表す貯蓄倍率では、東海がトップの3.30倍。次いで関東の3.18倍。3位が近畿の2.98倍。
 
今回の調査では、平均貯蓄額、純貯蓄額と関東圏がトップとなり、3大都市圏で3位までを占める結果となりました。ちなみに、エリア別では「北海道」と「沖縄」が単独でデータが出されています。県民所得が常にワースト1位の沖縄ですが、負債額では3位に入るなど、今回のコロナ禍における減収の影響が、さらに負債を増やすことにつながっているのかもしれません。
 

勤労者世帯でも貯蓄額トップは関東の1767万円

二人以上世帯のうち、勤労者世帯だけではどうでしょうか。
エリア別 貯蓄と負債(二人以上世帯のうち勤労者世帯)

エリア別:貯蓄と負債(二人以上世帯のうち勤労者世帯)


勤労者世帯の貯蓄額でも、関東がトップで1767万円。次いで東海の1599万円。3位が近畿の1432万円。負債額が最も多いのは、関東で966万円。次いで東海の870万円。3位に近畿の853万円となりました。負債額については、やはり土地・住宅価格が高い3大都市圏では多くなってしまうのでしょう。
 
勤労者世帯において貯蓄額から負債額を差し引いた純貯蓄額のトップは関東の801万円、2位が東海の729万円。3位に近畿の579万円と続きます。そして、沖縄については、貯蓄額より負債額が多いという結果になっています。
 

主要都市別の平均貯蓄額トップは東京都区部の2621万円!

全国主要都市、東京都区部の計52の貯蓄額のランキングは以下のようになります。エリア別より、1都市のサンプル数がさらに少なくなりますので、参考程度にとどめていいと思いますが、必ずしも大都市が上位になっているわけではないことにも注目です。
都市別 貯蓄額ランキング(1~10位)

都市別:貯蓄額ランキング(1~10位)


トップの東京都区部の平均貯蓄額は2621万円で、これは全国平均の1880万円より741万円多い数字です。昨年2位だった名古屋市は3位に後退していますが、それでも平均貯蓄額は2487万円と高額です。また、昨年6位の奈良市は2位の2538万円。実は、奈良市は2014年以降2018年までトップ、常に上位の平均貯蓄額で、ちょっとした謎になっています。
 
千葉市、横浜市、京都市などの大都市と並んで、岐阜市、大津市、徳島市が上位に食い込んでいます。また、8位の浜松市は昨年14位からトップテンに食い込んでいます。
 
もちろん、昨年と同じ調査対象者ではありませんから、単純に比較はできませんが、大都市である大阪市は、昨年41位、今年は48位とふるいません。必ずしも大都市だから貯蓄が多いとはならないのです。逆に、下位の都市もそれほど変動がなく、52位の那覇市を除き、年収が低いから貯蓄が少ないというわけでもなく、貯蓄への意識の違いとしか言いようがないかもしれません。
 
都市別:貯蓄額ランキング(11~52位)

都市別:貯蓄額ランキング(11~52位)


ランキングは貯蓄額で並べたものですが、都市によって暮らしぶりが大きく異なるので、貯蓄額が多ければいい、少なくて大変ということではありません。いくら貯蓄があれば安心なのか、ということでもないでしょう。しかし、平均貯蓄額といった全国平均の数字を細かく見ていくと、その都市の生活実態に沿ったものであったりするのかもしれません。
 
確かに、ワースト1位の那覇市の平均貯蓄額は944万円と全国平均を大きく下回っており、本当に日常の生活に不安はないのか、老後は大丈夫なのかと心配になります。それでも、東京や大阪など都会での生活とは異なるので、一概にこのデータだけでは語ることはできないでしょう。
 
今回ご紹介したデータから、自分が住む都市はどうなのか、そこで生活している自分の貯蓄額はどうなのか、この先の貯蓄プランや生活の仕方などを考えるきっかけになればと思います。
 
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