定年・退職のお金/ファイナンシャルプランナー辻村洋子さんのワクワク老後を楽しむお金エッセイ

60歳からのお金と生きがいを作るための資格の選び方

定年後の第二の人生、新しい仕事に挑戦したい方もいらっしゃることでしょう。そこで、60歳からの資格の選び方についてご紹介します。お金と生きがいを作り、より豊かなシニアライフを目指していきましょう。

執筆者:All About 編集部

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定年後の第二の人生、新しい仕事に挑戦したい方もいらっしゃることでしょう。

そこで、60歳からの資格の選び方についてご紹介します。お金と生きがいを作り、より豊かなシニアライフを目指していきましょう。
新しい資格を取得して、生涯現役でいたい……!

新しい資格を取得して、生涯現役でいたい……!

 

定年後はどんなライフプランに?

人生100年時代、日本人の平均寿命は、1955年の男性63.60歳、女性67.75歳から、2020年の男性81.64歳、女性87.74歳(参照:厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況」)と大幅に延びています。

定年退職の年齢もかつては55歳が主流でしたが、現在は60歳が主流(※1)で、希望者全員65歳までの雇用が義務化されています。さらに2020年3月には70歳までの就業確保が努力義務とされるようになりました。
 
60歳でいったん定年を迎え、その後も同じ職場で働き続ける人が大半(※2)ですが、その中には100歳を過ぎても十分余裕がある暮らしができるにもかかわらず、漠然とした不安から仕事を辞められない人々がいます。一方で60歳から起業して新しい仕事にチャレンジする人もいます。人生は一度きり、しまったと思ってもやり直しがききません。
 
今持っている預貯金、退職金、年金予定額などの収入と生活費、住宅ローンなどの支出を洗い出し、100歳までのライフプラン表を作成して、経済的な見通しが立てば、全く新しい第二の人生を始めてみてはいかがでしょうか。

※1:厚生労働省「平成29年就労条件総合調査 結果の概況」より、一律定年制を定めている企業のうち79.3%が60歳定年
※2:厚生労働省「令和2年高年齢者の雇用状況」の「60歳定年企業における定年到達者の動向」の項より、継続雇用された者が85.5%
 

私の場合の資格取得例

私事になりますが、2020年3月に勤めていた損害保険会社を定年退職しました。

退職後にCFP、1級FP技能士、証券外務員(一種)などの資格を取得して、現在独立系ファイナンシャルプランナーとして活動しています。会社員時代は1日の大半を会社に拘束されていましたが、今では月1回、NPO法人JCPFP(「暮らしとマネープラン」に関する専門家集団)の相談員として自衛隊を訪問する以外は、ZoomやTeamsを活用して以前よりはるかに自由な働き方ができるようになりました。
 
資格取得にかかった費用は、テキスト代と受験料を合わせて、CFPは約15万円(研修費8万4000円を含む)、1級FP技能士は約3万円、証券外務員(一種)資格は約1万2000円でしたが、できるだけコストを抑えるために独学し、テキストはメルカリで新しいものを購入し、合格後は全て売却しました。

受験料も1級FP技能士は、日本FP協会のCFP試験に6課目合格すれば金融財政事情研究会の学科試験が免除されるので、実技試験(面接)だけ受ければすみます。その実技試験も以前は2万5000円でしたが、2022年度から2万8000円に値上がりしました。証券外務員(一種)も2022年3月末までは1万323円でしたが、4月1日以降1万3860円と値上がりしています。今後も受験料の値上がりが続くとすれば、資格を取るなら早い方がいいかもしれません。

また、退職後に資格の勉強をするなら「ハロートレーニング(ハロトレ)」(参照:東京労働局 「ハロートレーニング(職業訓練)について」)を利用する方法もあります。ハロトレとは、ハローワークが行う職業訓練のことです。受講費は基本的に無料で、失業手当、職業訓練受講手当(※)を受けながらスキルを学ぶことができます(テキスト代などは自己負担)。

※条件を満たす場合、月額10万円
 

60歳からの資格の選び方!

私は会社員時代からファイナンシャルプランナーの業務に興味があり、誰かのお役に立てる仕事がしたいと思っていたので、FPに関わる資格を選びましたが、60歳からのお金と生きがいを作るための資格選びは自分が興味あるもの、好きなものを選ぶと、勉強もはかどるし仕事をしても楽しいと思います。
 
一例ですが、「行政書士」「社会保険労務士」「宅地建物取引士」「介護士」「調理士」「食生活アドバイザー」などがシニアに人気がある資格のようです。収入は現役時代より少なくなるかもしれませんが、好きなことをして自由に働いている感覚は何ものにも代えがたく、そのうえ人に喜んでいただけるなら言うことありません。
 
厚生労働省によると2025年には、高齢者の5人に1人が認知症という恐ろしい予想(参照:厚生労働省「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」)が出ています。が、社会と関わり続けることで、認知症予防になるとも言われています。自分で起業すると生涯現役で生き生きと働き続けられます。認知症予防もかねて資格を取って、新しい働き方にチャレンジしてみませんか?
 
文/辻村洋子

損保会社を定年退職後、ファイナンシャルプランナーに。「お金は人生を豊かにするためのもの」をモットーに、セカンドライフを充実させたい人への家計改善、老後資金の準備、遺言・相続などに関する相談を得意としている。お金の寿命をのばす専門家として相談者の不安や悩み相談を受けている。
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