佐藤浩市さんや尾野真千子さんとの共演は刺激的
―本作では、浅野大義さんの恩師・高橋先生を佐藤浩市さん、大義さんのお母さんを尾野真千子さんが演じていますが、共演をしていかがでしたか?神尾
浩市さんは、脚本の読みの深さが自分とは全然違うと思いました。脚本を読んで、撮影現場を見て、ここでこの芝居、あそこではあの芝居と、丁寧に組み立てている印象がありました。やっぱり凄い方です。
尾野さんは、普段は僕らを緊張させないように、すごく気さくに話しかけてくれるのですが、本番に入るとスイッチが入って、完全に大義くんのお母さんになっていました。
僕は準備をしっかり整え、本番前でも必死なんですが、尾野さんは準備万端に整えていても、そういうそぶりを全く見せず、本番になるとすごい芝居を見せるんです。僕にはできないし、本当に刺激になりました。 ―高校の同級生たちは同世代の俳優さんたちでしたね。現場ではいかがでしたか?
神尾
吹奏楽部の仲間を演じた前田航基くんや若林時英くんとは共演経験があり、もともと仲がいいので、すぐ仲間の空気を作ることができましたね。二人はセリフとセリフの合間にアドリブを入れてくることもあるんですよ。でも一度、時英くんが僕のセリフを言っちゃって、僕が焦って「おい、俺のセリフを取るなよ~」なんてこともありました(笑)。 ―楽しそう! 高校のシーンは自分の高校時代を思い出しましたか?
神尾
まさに男子高校生あるあるがシーンの中にたくさんあります。僕も大義くんたちと同じように、学生時代は先生や女子によく怒られていました(笑)。文化祭の準備をしていなかったとか、合唱コンクールで大きな声で歌っていなかったとか(笑)。
闘病生活のシーンでは本当に食欲が落ちて……
―前半の高校生活のシーンが「ザ・青春」という感じでキラキラしていたので、闘病生活に入る後半は大変だったのではないですか?神尾
高校、大学のシーンのあとに闘病生活の撮影だったので、楽しい思い出を胸に撮影に臨めたのは良かったです。髪は短く切りましたが、撮影までの準備期間があまりなかったので、痩せるために食生活を変えるなどはしませんでした。でも病気と闘うシーンの撮影をしている期間はまったく食欲がなかったですね。自然とそうなったのかもしれません。
―完成した映画を見た感想は?
神尾
めちゃくちゃ良かったですね。時英くんとも感想を語り合ったのですが、凄い映画だよねと。自分が出演しているのでひいき目になるのかもしれませんが、最終的に映画を観る方たちの背中を押してくれる作品になったと思います。公開されたら、いい音響の劇場で、吹奏楽部の演奏シーンなどに注目して観たいと思います。
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