子どもが商品を触るなど……お買い物で困る子どもの行動対策法
お店のあらゆるものをベタベタ触るブームの2歳娘……
All About編集部が募集した「お買い物中に困った子どもの行動」のエピソードを2つ挙げて対応策を見ていきたいと思います。
<目次>
事例1:商品をベタベタ触る娘……「ママ、躾しなよ」と叱られて
2歳の長女はお店のあらゆるものを触っていくという独特の行動にはまっていました。手すりやスーパーの惣菜コーナー周辺など全て触っていきます。「それはやめなさい」と伝えて「おてて繋ごうね」とやめさせようとしても、何としてでも触りたいといって聞きません。当時、私は妊娠していて抱っこをして歩き回ることが難しい状況だったため、持っていたお菓子で釣ろうとしました。しかし娘は絶対に触りたいと意固地になって、お菓子を口に無理やり放り込んだまま、片手で陳列されているものを触ろうとしていきます。お菓子を口に入れたときにお気に入りのマスクも地面に落ちてギャン泣き。
「ママ、躾しなよ」と知らないおじいさんから怒られるなど、周りから白い目で見られて早々に家に帰るしかないという状況が何度も続きました。(相談者 36歳女性)
言葉が通じにくい乳幼児期は親が「一貫した行動」でメッセージを
2歳ということで俗にいう「イヤイヤ期」に該当します。この時期は、自我を押し通そうとする行動が増えて、親が何か注意すると「イヤ!」と反抗してくることがよくあります。当時は妊娠中だったということで、抱っこは難しい状況。周りから白い目で見られ、さらには「ちゃんと躾しなよ」と言われて、さぞかし気持ちがへこんだことと思います。「早々に家に帰るしかないという状況が何度も続いた」ということですが、子どもとのやりとりは大荒れしてしまってからでは、そこから声かけだけで立ち直るほうがまれ。いったん引き上げるというこの対応は有効といえます。言葉でいくら伝わらないということでも、この対応であればお子さんに「触ったらそこにいられなくなる」ということを実践的に教えられているからです。買い物が二度手間になってしまう点は否めませんが、長い目で見れば、子どもにメッセージが伝わりやすい分、結果的には早道でもあるのです。
ここでのポイントはママのメッセージと行動が一貫していることです。もしママが「触ったらお家に帰るからね」と言っているにもかかわらず結局は帰らないのであれば、子どもは「触ってもお家に帰ることはないから大丈夫」と認識してしまいやめないでしょう。
言葉が通じにくい時期ほど、“言われたこと”よりも、“自分の身に起こったこと”から子どもは学びます。もしお家に帰るのが実現不可能なのであれば、「触ったらカートに乗る」とか、「触ったらすぐにお店の外に出る」というように実現可能な約束をして、それを実践することによりしっかりとしたメッセージが伝わりやすくなります。
事例2:ベビーカーもカートも拒否…声を掛けてもらうも周囲の迷惑に
ベビーカーも買い物カートも拒否して、好き勝手動き回る息子
息子は自動ドアや坂道が好きなので、スーパーの入り口の自動ドアやスロープを行ったり来たりして遊んでいます。言い聞かせてもまだ言葉があまりわからない年齢なので聞いてくれず、手を引いて連れて行こうとしてもその場から動かず大声をあげて拒否。床に座り込んで大声で泣き叫び、その場から絶対に動こうとしないため、他のお客さんもびっくりしてこちらに注目してきます。
「お母さん、大変だね」などと励ましの声を掛けてもらうこともあるのですが、人の通り道で他のお客さんの邪魔になってしまいかなり困ってしまいます。どうしようもないときは、抱き上げて無理矢理その場から移動させたり、抱っこ紐を使って行動させないようにしています。(相談者 女性32歳)
いったん子どもに解禁したことを、また戻すのは大変なので慎重に
お子さんがスーパーのお気に入りの場所で動かなくて、お買い物もはかどらず周囲も気になったりで大変だったことと思います。最終的には、抱き上げてその場から移動させたり、抱っこ紐を使って行動させないようにしたのですね。良い対応だと思います。このような状況を見て、周りのお客さんも「大変だね」と声をかけてくれたのかもしれません。はじめはベビーカーや買い物カートを使用していたものの、何らかのきっかけでスーパーを歩く体験をし、それが“喜び”としてインプットされたのでしょう。子どもに限ったことではありませんが、やはり1回やって楽しかったことは、次もまたやりたいと思うものです。そしてそれが2回、3回と増えていくのも自然な流れです。
しかしそれがエンドレスになり困った状況が続けば、親もイライラすることになります。とくにスロープや自動ドアは思わぬ事故も起こりかねませんし、出入り口付近ということで多くの人が行き来していますから、目を離すのも危険です。
こういった状況のように「まだ言っても伝わらないな」とか、「のちのち自分が困りそうだな」と思うことは、“慎重に解禁”していくことがポイントといえます。また、いったん解禁したことをまた戻すのは大変なことです。そんな場合は抱っこ紐を使う、もしくは夫婦で手分けして買い物をするなどといった工夫をするのがよいと思われます。
「ダメなことはダメ」と伝えていかないと、どんどんやりたい放題に
今回は2つとも2歳前後のお子さんのエピソードでした。この頃は自分でやりたいことがはっきりしてきて、それを外に強くアピールすることが増えてくる時期。イヤイヤ期に大事なのは「何をどこまで許容するか」という部分ですが、このことで非常に多くの親御さんが悩まれています。育児書には「イヤイヤ期は自我の成長期だから受け止めてあげて」というようなこともよく書いてあるため、余計に迷ってしまうようです。子どもの意志や欲求に「ダメだよ」と言うことが、子どもの心の成長を妨げるのではと気になるからです。ただ、そこで何もかも「いいよ、いいよ」で受け入れてしまうと「なんでもやってOKなんだ」という気持ちになりやすくなるため注意が必要です。イヤイヤ期であっても、ダメなものはダメと伝えることは大切。それが買い物などで外に出たときのお約束を守れるかどうかにつながります。もし親子間のバランスが崩れ、子どものやりたい放題になってしまっていると、お家の中はもちろん、外でも親の言葉が届かなくなってしまいます。イヤイヤ期であっても、ここは譲れないなというポイントはしっかり持っておくことが大切です。
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