若者はどのようなときに「エモい」を使う?(画像はイメージ)
「エモい」とは? 意味や語源をわかりやすく解説
エモいとは、英語の「emotional(エモーショナル)」に由来する、なんとも言い表しづらい気持ちになった時に使われるスラングです。主に、感情が揺さぶられた時、切なく懐かしいような気持ちになった時、強く心が動かされた時などに使われます。特定の意味を持つというよりも、対象に合わせてニュアンスが変化する言葉であり、「情緒的な」「ノスタルジックな」「懐かしい」「物悲しい」「感傷的な」「切ない」などの意味と考えるといいでしょう。
エモいという言葉は、1980年代に米国で広がった「Emo(エモ、イーモウ)」、感情的な音楽と心情を吐露する歌詞という特徴のあるロックミュージックジャンルから発生したといわれています。
または、日本語の「言い表すことができない、形容しがたい」という意味の「えもいわれぬ」という言葉が語源という説もあります。
何度も新語・流行語にランクイン
「エモい」は、実は新しい言葉ではありません。過去にも何度も新語・流行語ランキングにランクインするなど、何度も流行を繰り返してきた言葉なのです。新語としてはもともと、三省堂の「今年の新語2016」の第2位にランクインした頃から注目されるようになりました。
その後、マイナビティーンズラボの「2018版 10代女子が選ぶトレンドランキング」(2018年11月)の「流行ったコトバ」でも、「エモい」は34.1%を集めて1位となっています。
さらに、NTTレゾナンドが運営する「Telop by goo」の「10代女性がリアルに使うトレンドワードランキング」(2021年4月)でも、「エモい」は57.9%でトレンドワード部門1位となっています。
誰もが心が揺さぶられ、言葉にできない気持ちになることがあるでしょう。そのような感情を現す言葉として若者に支持されてきた一方で、大人世代にも徐々に浸透してきた言葉なのです。
「写ルンです」などエモい写真も人気
具体的にイメージしづらい方は、「エモい写真」を画像検索してみましょう。ノスタルジックでセンチメンタルな写真がたくさん見つかるはずです。淡い色合いでやわらかな光の、夕日や海などの風景、遠景で映り込む人など、情緒的でレトロな雰囲気の写真ばかりです。 「写ルンです」などのフィルムカメラでの撮影が若者の間で流行りましたが、これも「エモい」のが理由です。エモい写真を撮るために若者は、あえてフィルムカメラで撮影してデータ化、Instagramに投稿するという手間をかけます。
エモい曲といえば、たとえばスキマスイッチの『奏』、フジファブリックの『若者のすべて』などが当てはまるようです。
Instagramでも人気で多数投稿されているので、「#エモい写真」「#エモい音楽」などのハッシュタグをチェックすると、エモい感覚というものを感じていただけるでしょう。
「エモい」の例文は?
具体的には、次のような使い方をします。1「この写真の空の色、エモいね」
写真の空の色が心が揺さぶられる色だ。
2「映画の主人公2人の別れのシーンがすごくエモかった」
映画で主人公2人が別れるシーンにぐっときて、切ない気持ちになった。
3「この曲、すごくエモいから絶対に聞いてみて」
この曲はすごく感動するいい曲だから、ぜひ聞いて。
つまり、言葉にできないけれど心が揺さぶられるもの、ぐっとくるもの、感動したり感情が沸き起こるもの全般を、「エモい」と表現しているのです。他の言葉で言い換えると、「ヤバい」「なんかいい」「すごい」「感動した」などになるかもしれません。
エモいという言葉の流行の裏には、エモいものを求める若者の心理があるのではないでしょうか。即物的ではなく、感動できるもの、心を動かされるもの、切なくて感傷的な気分になれるものを求めている若者心理が見えるといえるのかもしれません。
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